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東京から福岡に移住してきて気づいたこと・感じたこと、雑感集。(2)

2023年1月に当社は東京から福岡へ本社を移転し、それに伴って筆者も福岡へと移住してきました。

福岡に引っ越してきて約1ヶ月、福岡で気づいたことや感じたことは、以前の記事で書きました。意外に好評で嬉しいです。

東京から福岡に移住してきて気づいたこと・感じたこと、雑感集。(1)


好評の声にお応えして、今回は第2弾を書きます。

と言っても前回同様、「都会で消耗してどうすんの? この土地への移住は最高!」みたいな移住推進の記事ではありません。移住はいいことばかりではありませんし、東京のほうがやっぱり便利なことや楽しいことはいっぱいあると思います。

あくまでも備忘録的に書いております。地方へ移住される方などに一つでも参考になる話があれば嬉しいです。


<東京都心から福岡市に移り住んで1ヶ月で気づいたこと・感じたこと>

【4】食べ物にまつわる話

「地方都市は東京に比べて食べ物が新鮮で美味くて、しかも安い」
というのは、よく聞く話です。

新鮮で美味いかどうか、というのは、私はそれほどグルメではないのであまりよく分からないのですが、東京も近郊からたくさん良いモノが集まってくるので、「東京は地方ほど新鮮ではなかった」という感じもしませんし、物によるのではないかと思います。

でも、外食の価格は「ランチは安いお店が多いな」というのはモロに感じます。

東京だったら900円や1000円は当たり前、というような定食が、福岡市だと650円だったり700円だったりで食べられるお店が多いですし、「このボリュームで580円なのかよ!」みたいな店もたくさん見ました。

それでも、やっぱり1500円とか2000円とかのランチの店は普通にいくらでもあるし、高級店もたくさんあります。

だから「全体的に東京より安い」というわけではなく、びっくりするような安さの店からしっかりとした高級店まで、選択肢の幅が東京よりもすごく広くなった、という感じでしょうか。

これはスーパーマーケットも同じで、「全体的に東京よりも安い」「東京とは鮮度が全然違う」というのはほとんど感じず、極端に安い店もあればちゃんとした高級スーパーもあって選択肢が広いのです。

ランチやスーパーの価格よりも、もっと印象的だったことは、以下のようなことです。


●やたら「かしわめし」が多い

「かしわめし」というのは、鶏肉が入った五目炊き込みご飯のことで、「かしわ」というのは鶏肉のことを指します。

このかしわめしを扱っている店がなぜか多く、「ライスは白米にしますか、かしわめしにしますか?」というお店もちょくちょくあるし、おにぎりを注文すると「かしわおにぎり」である店もあります。

私はもともと出身地が福岡県北九州市なので、かしわめしは普通にお店で見ていて馴染みがありましたが、東京に何十年も住んでから福岡に戻ってみて「こんなにかしわめしが多いのか!」と改めて知りました。

ラーメン屋さんでも、かしわめしが食べられる店が結構ある


●食パンの「8枚切り」が売ってない

スーパーやコンビニで食パンを買うと、東京では「8枚切り」と「6枚切り」があって、たまに5枚切りや10枚切りといった感じではないでしょうか。

うちはピザトーストやサンドイッチなどのように、載せたり挟んだりすることが多いので8枚切りを多用していたのですが、福岡に来て真っ先に感じたのがこの「8枚切り全然売ってない問題」でした。

むしろ、東京ではマイナーだったはずの5枚切りが幅を利かせて、8枚切りは本当に滅多にないのです。1ヶ月ほどして8歳次男が「お父さん、8枚切りがあったよ!やったー!8枚切りやっと見つけたー!」と宝物のようにスーパーで高々と掲げて喜んでいたほどです。

8枚切りがないというのは福岡や九州だけでなく関西全般の話のようで、私も噂には聞いていましたが、予想以上に8枚切りがない、想像以上に5枚切りが多い、というのは驚きでした。


●やたら「ちゃんぽん」が多い

東京でもリンガーハットがたくさんあるので、ちゃんぽんはかなり馴染みのある食べ物になっていますが、さすが長崎に近いからなのか、チェーン店ではないちゃんぽん店がとってもたくさんあります。

そしてスーパーマーケットに、とにかくたくさんちゃんぽん麺が売っている。

東京ではどのスーパーでも、よく3玉分が入った「うどん」「焼きそば」の麺の袋が100円前後で売っていました。福岡ではそこに同じぐらいの量で「ちゃんぽん」の第3勢力がいるのです。安さを標榜するスーパーだったら、このちゃんぽん麺の袋が1袋19円とかだったりします。

東京生まれのうちの子どもたちは、このちゃんぽん麺をすっかり気に入ってしまって、鍋の締めにはうどんやラーメンよりもちゃんぽん麺がいいと騒ぎ立てます。


●結局なんだかんだで「ジョイフル」と「資さんうどん」

子どもたちを外食に連れていくとしたら、メニューが多く席もゆったりしているファミリーレストランが助かるわけですが、東京だとファミレスはガスとかジョナサンが安くて便利だなと思っていました。

でも福岡に来ると、ガストやジョナサンはそんなにたくさん見なくて、ジョイフルか資さんうどんに落ち着いています。

ジョイフルは東京都心以外だったらどこにでもあるファミレスチェーンですが、もともと大分発祥のために福岡県内にはとてもたくさんあります。最近ではスマホアプリがあって割引スタンプなどがもらえ、5歳三男が毎日ジョイちゃんに餌をやってます。

資さんうどんはもともと北九州市発祥ですが、最近は福岡市内にもあちこちに進出していて遭遇率が高いです。うどんだけではなく丼ものやカレーなどメニューも豊富なので、ファミレス感覚で子どもを連れて行けて助かっています。

「資さんうどん」でも結局、かしわおにぎりを食べてしまう。

ウエストといううどんチェーンもたくさんあるし、ロイヤルホストも福岡発祥なのでたくさんあるし、広島発祥のジョリーパスタもたくさん見ます。リンガーハットが経営母体の「濱かつ」も東京にいた時より圧倒的に目にしますね。

ラーメンもとんこつばかりかと思ってましたが、醤油ラーメンや味噌ラーメンも普通にあるという感じがします。


【5】交通にまつわる話

私は地元の九州から東京に移り住んだ時に、九州で乗っていた自動車を処分しました。東京では地下鉄が充実しているからで、実際にそれから車は持っていませんでしたが、不自由を感じたことは全くありません。

そして東京から福岡に引っ越す際に、「地下鉄などは東京よりも少なくなる」「地方は車がないと不便だ」という覚悟を持っていましたが、実はまだ車を持っていないのに全く不自由を感じていなかったりします。

それらの理由でもありますが、交通に関して感じたことをいくつか。


●福岡はとにかくバス大国

福岡市の地下鉄は「空港線」「箱崎線」「七隈線」の3つ。だから東京から来た人であれば普通はスカスカに感じてしまいます。

しかし、福岡はバス大国。市内を走る西鉄バスはバスの保有台数も日本最大であり、とにかく街中はバスだらけ。みんな電車よりもバスです。

地方から来た人が東京の地下鉄路線図を見て「わけ分からん」とこんがらがりますが、東京の人が福岡のバス路線図を見たらそれどころじゃないでしょう。半導体の設計図よりも難しいぐらいにめちゃくちゃ入り組んでます。

ある場所に行くのに「6路線が使える!」などと喜んでも、めちゃくちゃ遠回りのバス路線だったりして、とにかく複雑です。

バス路線図を県外人が一見で理解するのはほぼ不可能。

さらに、普通に都市高速に入るバス路線もいくつもあるので、慣れていないと高速道路にバスが入っていくのを見て「うわー長距離バスに乗ってしまった!」とパニックになる県外人も多いのではないでしょうか。

そして東京から来た人がかなり面食らうのが、バスは後ろから乗って前から降りるという西鉄バスルール。私は北九州出身だから東京に行った時に前から乗るルールに苦労しましたが、今またたまに戸惑います。

ただ、降りる時に運転手さんの横を通るから、小中学生をはじめ「ありがとうございましたー」と運転手さんに挨拶をして降りる乗客が多いのは、見ていて気持ちがいいです。

●とにかく便利な「チャリチャリ」

東京では「ドコモバイクシェア」や「ダイチャリ(ハローサイクリング)」など、シェアサイクル(シェア自転車)が浸透しています。

私は以前に湾岸エリアに住んでいたのですが、もともとドコモバイクシェアがお台場など湾岸エリアからテスト運営を始め、初期の初期から本当にお世話になっていました。使える区がどんどん増えていって、とにかく便利で助かっていました。

いつしか都内を制圧したドコモバイクシェアは、なぜか世田谷区に進出しておらず、世田谷区に引っ越した時には区主導の「がやリン」という、ドコモバイクシェアに比べると便利度が500分の1ぐらいのシステムしかなくめちゃくちゃ不便でした。最近はハローサイクリングが少しずつ浸透してきていましたが、まだまだ利便性は遠い感じでした。

そして福岡に来てみると、「チャリチャリ」がめちゃめちゃ充実していて、世田谷区時代に比べると死ぬほど助かっております。

チャリチャリのポートマップ。めちゃめちゃいっぱい。

今は違うかもしれませんが、ドコモバイクシェアを使っている時は、スマホに4桁の暗証番号が表示されて、その4桁の数字を自転車に付いている番号ボタンで入力すれば鍵が開く、という仕組みでした。

チャリチャリは、自転車についているQRコードを写真で撮るだけで鍵が開きます。これはちょっとしたことですが、とにかく便利。

チャリチャリのポート。使う時はアプリで後輪の上のQRコードを撮影するだけ。

空いている自転車や停められるポートなどの検索もやりやすく、また使用した後はその経路や料金、消費カロリーまで見やすく出ます。もともとメルカリの関連会社から始まったそうですが、IT企業の主導というのはここまで進化が早いのだなあと実感します。

仕事で天神に行くことが多いのですが、よっぽど急ぎでなければ、チャリチャリで移動することが多いです。電動アシストとノーマルのものが選べますが、足腰を鍛えるつもりでノーマルを選びます。電動アシストは1分15円なのに対して、ノーマルは1分6円なので、いつも100円ぐらいだったりします。

天神あたりは違法駐輪に厳しいので、ポートに停めて返却すればいいチャリチャリの存在はかなり助かります。市内でもチャリチャリに乗っている人をたくさん見るのですが、それだけにポートに残っている自転車がかなり流動的なのが少し焦りますけど。

●カーシェアもかなり充実している

東京に住んでいる時は自動車を保有していなかったので、カーシェアが普及していくのは本当に便利で助かっていました。最初はオリックスカーシェアを使っていて、近場で台数が増えてきたカレコ・カーシェアを使うようになりました。

福岡に行く際に、自動車を買うまでにカーシェアが少ないのは困るなあ……と思っていました。使っているカレコが、天神周辺にしかなかったからです。

そこで、福岡で最もステーションが多いタイムズのカーシェア「タイムズカー」に乗り換えたのですが、とにかくあちこちにあって日々ステーションも増え続けています。

タイムズカーのステーション、めちゃめちゃ多い…。

自宅近くにもかなり多くあり、また周辺に空きがなくて天神あたりにしかないという時も、チャリチャリでそのステーションまで移動すればすんなり。

カーシェアはレンタカーに比べて、15分単位で借りれるという短期利用に強いこと、レンタカー屋が閉まっている夜間でも借りられること、そしてレンタカーのようにガソリンを満タンにして返却する必要がないことなど、かなりメリットが多くあります。

そんなカーシェアが福岡市内にこれだけ充実しているので、自動車を持っていない今も全く不便さを感じておらず、自動車を購入するモチベーションは今のところ全く上がっていなかったりします(笑)。


【6】遊ぶ場所にまつわる話

うちには小学生と保育園の男の子が3人いるので、土日なんかはどこで遊ばせようかなーと考えることになります。

東京に住んでいる時は、子どもたちはやたら自宅にいたがっていたのですが、福岡に来てからは積極的に外で遊んでくれるようになりました。この変化だけでも、親の身としてはとてもありがたく思っています。

そんな、子どもの遊ぶ場所について、感じたことをいろいろと。

●公園に遊具がとても多い

東京にいる時には、周囲に公園が少ないなとも思っていましたが、何よりも遊具がある公園が少ないと感じていました。2歳ぐらいが遊ぶような小さい簡素な滑り台しかないとか、ベンチしかない、といった公園ばかりで、

しかも平面だけのくせに野球は禁止、サッカーは禁止といったルールばかりやたら厳しい。だから、どデカい遊具がある公園には都内から家族が集まってくるので、遊具内はいつも大渋滞。

でも、福岡市内の公園には東京に比べると遊具の設置率がかなり多いようで、しかもかなり大型の遊具もあちこちで見られます。巨大なヘリコプター型の滑り台があるから「ヘリコプター公園」という通称があってGoogleMapにもそう載っている、というような公園があちこちにあったりします。

福岡市内の公園はとにかく遊具が多い。

また、東京ほど「野球は禁止」とか「深夜は禁止」みたいなガチガチのルールの公園は少なく、また横たわれない嫌がらせの形のベンチばかりの東京とは違い、のんびり横になれるベンチがたくさんあります。子どもがいるママさんパパさんなら、東京よりもかなり遊ばせやすいかなと感じます。

また、東京都心に比べると高低差がある地形が多いから、高低差を利用した公園が多くあり、遊具がなくてもいろんな遊びができます。

うちの子どもが積極的に外に出るようになったのも、そういう部分が大きいのかもしれません。

で、ここから先は、個人的に「これ以上混んでほしくないっ」と思っている場所が出てくるので、noteマガジン「マーケティング発想源」購読者のみの公開とさせていただきます。

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