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なぜ欧州ではレジ袋を使わないのか?

日本ではレジ袋が有料になって、色々賛否両論あると聞いています。わたしの住むドイツでは、いわゆる「レジ袋」がそもそもありません。


「あぁ、環境先進国のドイツだから、きっと意識高くて、レジ袋ないんじゃね?」って思うかもしれませんが、実はそうでもありません。


時々旅をするんですが、旅慣れてくると、色々な国に行って、旅して、名所旧跡をめぐるだけじゃなく、実は「スーパーで買い物をする」ことも、わたしの中での密かな旅の目的の一つでもあります。


スーパーに行くと色々なことがわかります。主に調べたいのは「物価」なんですが、その中の一つに「レジ袋」もあります。


そうなんです。


結論から言いますと、少なくともわたしが十数カ国、訪問した欧州各国のスーパーには、全くと言っていいほど「レジ袋」はありませんでした。


コンビニはないので比較にならない(ドイツではKIOSKという、コンビニみたいなものもありますが)ですが、それでも「レジ袋を配っているお店は、ない」というのが実情のようです。


ドイツに限らず、コンビニはなく、レジ袋もない、じゃぁ、みんなどうやって買い物してるん?って思うかもしれないですが、気になりますよね。


現地の人が買い物している光景を観察すると、こんな感じです。


・基本的には皆、いわゆるエコバックを持っている
・スーパーでカゴよりは、カートを使っている人が多い
・カートに大量にモノを積んで買っている
・レジ袋の代わりに、紙袋かエコバックが有料で置いてある
・日本のレジ後にある「サッカー台」がない


よく言われることですが、レジ袋を使わないことはエコでもなんでもなく、むしろ「エコバック」を生産する方が、お金も原料もかかっていて、エコではないという意見もあるくらいです。


でもそれでも、欧州では「レジ袋がない・使わない」のは何故なのか?


わたしは、レジ袋が欧州で流行っていないのは、単純に「エコ意識が高い」からではなくて、この中にある理由が原因ではないかと思います。


その理由ですが、「カートいっぱいに大量に買い物をする」のと「サッカー台がない」が原因ではないかと思います。


なせそうかというと、まずカートの方から解説しますね。


大量に買い物する光景をよく目にします。大量買いするということはそれだけ「荷物が増える」し「重くなる」ことを意味します。


日本のレジ袋は結構強度があるように思いますけど、それでも、重いモノを大量に詰めすぎたらどうなるでしょうか?破けて使い物にならなくなりますよね。


それほど品質の高くないレジ袋に、モノをパンパンに詰め込んで、スーパーをうろうろするのはどうでしょうか?袋が破けて、モノをぶちまけてしまうことは想像にかたくはないと思います。


そう考えると、「破けず、しっかりした袋のほうがいい」というふうに思うのは自然のことです。そうなると、「繰り返し使えて、しかも丈夫なエコバックの方がいい」ということにつながります。


レジ袋ではありませんが、「ビニール袋」はスーパーで買えます。しかしわたしの感想ですが、こっちのビニール袋は薄くて、なんとも頼りない感じです。


この袋に大量にモノを詰め込んだら・・・多分、用を為さないでしょう。


もう一つ。


「サッカー台がない」という点もあります。サッカー台というのは、スーパーで買い物を済ませた後、レジ袋に詰め替えるための作業台です。


あれがですね、ないんです。


ないから、会計を済ませた後の商品は基本的には持参したエコバックや、バスケット、なければ「カート」にもう一度戻します。


大量にカートに積んでいるならそのまま、マイカーまで横付けして、トランクの中にどんどん放り込んでいきます。トランクの中にはやっぱり「エコバック」があります。


もうそろそろ、お気づきかと思いますが、日本との大きく異なる「ライフスタイルの違い」からくる「レジ袋不要」という結論になります。


大量にモノを買うから、レジ袋がその重みに耐えきれない。丈夫な袋が必要なら、そもそも「レジ袋なんか、いらないじゃないか」という考えが支配的なんじゃないか?ということです。


もしひとつふたつのモノだけ買いたいなら、大概、バッグやバックパックを持っているから、そこに買ったモノを納めればいい。あと、別に手でそのまま持って、店を出てもいい。


レジ袋が必要、なんじゃなくて、そもそも彼らは、いやこの国の人たちは「レジ袋を必要としていないライフスタイル」だったんじゃないか?って思います。


もちろん、大昔はレジ袋を大量に使っていたのかもしれません。わたしもたかだか数年前から住み始めた、いわゆる素人ですから間違っているかもしれません。


でもですね。


それでも、彼らのライフスタイルを考えたら、レジ袋を必要としないのが、妙に納得してしまった感じがあります。


レジ袋が必要なのに「有料」とされるから「なんだよ!」って思うけど、そもそもレジ袋が必要ないライフスタイルであれば、「ふーん」「あっそ」くらいにしか思わないはずです。


ただきっと日本に帰ったなら、やっぱりわたしは「レジ袋」をもらって買い物をするんだろうなぁ、って思います(無料の場合)。


以上、レジ袋考察でした。


それでは、また。

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