「つぶし」が効く社会認識、「ハラハラのこぎり」
こんにちは。かすとりです。
1 「つぶし」が効く社会認識のもう一つの側面
少し前の投稿で、「つぶし」が効く社会認識「VUCA」についてご紹介しました。
簡単に言うと、「現代社会は高度に複雑化した結果、「予測が出来ない」世界になってきている」という内容でした。
そしてそのことに間違いはないのですが、後になって、色々な別のテーマを言語化しようとした際、上の説明には若干の補足が必要だと思い始めました。
前回説明したのは、現代社会の「static(静的)」な、つまり、どういう性質のものかを言語化したものですが、そのような性質を持った社会が「どんな動きをするものか」、つまり「dinamic(動的)モデルとしてはどのように理解すべきか」についての説明もあったほうが良く、これの言語化とセットでご覧頂ければ漏れのない認識が可能だと、そういう考えに至った次第です。
2 現代社会の動的モデル
結論から言いましょう。
現代社会は、スーパーファミコンゲームの「ドンキーコング」に出て来た「ハラハラのこぎり」と同じ状況です。
権利関係に目配せし、わざわざイメージ画像まで作成してしまいましたが、よくよく考えると、今の若い世代はそもそもスーパーファミコン版「ドンキーコング」を知らない可能性が大。。痛い。。
ということで言葉で説明してみると、アクションゲームであるスーパードンキーコングのとある1ステージの設定で、下からノコギリの歯がギコギコ上がってきて、それを避けるためにどんどん上に登っていかなければならない、というものです。
まぁ、もっと一般化して言うと、アクションゲームにおける「強制スクロールステージ」ですね(初めからそう言えば楽だった・・・)。
つまりどういうことか。
現代社会は常に変化し続けており、私たちもそれに合わせて動き続けなければ、すぐに死んでしまう社会だ、ということです。
3 このモデルは意外と理解されていない
これ、一見陳腐なことのように見えるかもしれませんが、私がことさらこれを強調して付言するのは、このことが意外と社会として腹落ちされていないように感じることが多いからです。
これを読まれているサラリーマンの方。
会社で何かを変えようとするときに、必要以上に「説明責任」を課されているのではないでしょうか。
「なぜ変える必要があるんだ?」
「それを変えることで、経営へのメリットがあるというエビデンスは?」
「それを変えることにリスクがないという保証は?」
こんなことを問われることはありませんか?
実はこれ、上述の社会認識に立つと、非常におかしなことなんですね。
だって、常に変化し続ける社会の中にいるのであれば、とにかく動くことが正義です。
それであれば、説明責任を課されるべきは、「何かを変える側」ではなく、「何も変えない側」なはずですから。
そうなると、上の問いは、本来こういう形で、「変えない側」へ問われるべきものです。
「なぜ変える必要がないのでしょうか?」
「それを変えずにいた場合でも、経営へのデメリットがないというエビデンスは?」
「それを変えなくてもリスクがないという保証は?」
4 では我々はどうするのか
VUCA、つまり「高度に複雑化した結果予測ができない社会」において、とにかく動き続けなければならない、というのはこれまた非常に厄介な状況です。
ただ、これは仕方ない。
現代社会はこれまでに人類が歴史上経験したことがない困難な時代なのです。
まずは腹を決めてここを認識しましょう。
その上で出来ること、これには特効薬はありません。
そのときに最善と思われる判断を徹底しながら、とにかく動いていくことです。ノコギリに切られないよう、最新の注意を払いながら上へと登っていくことです。
上で登場したような、「そう動くことでリスクはないのか?」「動くことでメリットはあるのか?」などと言っているお偉いさんは放っておき、彼らには、このような言葉を送ってあげましょう。
「どうぞ、気の許すまで、動くことのリスクやメリットなどについて、微に入り細を穿った「検討」を続けてください。そうしながら、どうぞ、ノコギリにひかれてください。私は、動くことでメリットがあるかどうか、リスクがあるかどうかは分かりませんが、死にたくないので、とにかく動きます」
5 終わりに
以上、「ツブシ」が効く社会認識の動的なモデルについて言語化してきました。前回のVUCAとセットで捉えれば、かなり解像度の高い社会認識が出来ると思います。
終わりに、今回のテーマ領域における真理を端的に表現した著名人の言葉を紹介して終わりにしたいと思います。
Googleの元CEO、エリック・シュミットが、自身の経営手法に尋ねられた際にコメントした言葉です。
以上です。
近々、VUCAであり、かつ常に動き続けなければならない時代において、どのように動いていくことが望ましいか、その指針となるような「動き方のフレームワーク」についても言語化したいと思います。
ご期待ください。
なお、今回の内容も、noteを活用したダイナミック・インテリジェンス・システム「知性の曼荼羅」の一環です。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?