ビンテージな彼の正しい愛し方。
家族でも、恋人でも、友達でも。長い時間を共に過ごすなら、「その人のいいところをいかにたくさん見つけられるか」。それがいちばん大切なんじゃないかと思っていた。
ここも好き、あそこも好き、こんなところがステキ…そんな宝物を集めれば集めるほど、相手との距離も縮まるような気がしていた。
でも、ほんとうは、「相手のポンコツさをいかに愛するか」。それが一番大切なんだ、ということに最近ようやく気がついた。
考えてみれば、いいところを見つけることなんて、通りすがりの知らない人にだってできるのだから当然である。
一方、ポンコツポイントはそう簡単に姿をあらわしたりしない。そりゃあ誰だって、ポンコツな自分なんて隠したいに決まっているからだ。
たとえば、私の恋人は底抜けに優しい。初対面の友人からも、「いい人オーラがハンパない」などと言われたりする。(私もそんなこと言われてみたい。笑。)そんなふうに、彼の「いいところ」はダイヤモンドのようにキラリと光って誰もが見逃さないわけだ。
だけど、私は知っている。超がつくほどの優柔不断で、度が過ぎるほど心配症な彼の姿を。本当はとても頑固で、人の話を聞かない一面があることを。たまには「ムカつく」と悪態をついたりすることも。
今日だって、「買いたい本がある」と出かけたまま、2時間も夕飯を待たされたけど、悩みに悩んだ末、「理想の本が見つかった!」と少年のような純粋さで喜ぶ姿を見たら、思わず爆笑してしまった。
こんなとき、優しい彼にしか目を向けていなかったら、「なんで連絡もしないでこんなに待たせるの!」とイライラしてしまったことだろう。
それを爆笑できるようになったのは、私が大人になったからでもなんでもなく、そういう彼のポンコツさにまず目を向けられるようになったからだ。
ほら、Official髭男dismだってこう歌っているではないか。
「キレイとは傷跡がないことじゃない 傷さえ愛しいという奇跡だ」
つまりは、そういうことなんです。
100人が「ただの穴じゃん」と切り捨てるような綻びを「そこがいい、それがあるから価値がある」と笑える存在でありたいと思う。
ちなみに、「そのポンコツさがいいよね!!!」と本人に伝えたところ、「ポンコツは傷つくなあ」と言われたので、ここでは「ビンテージ」としておきます。笑。(髭男リスペクト!!!)
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