自分メンテナンス3: 健康も美容も腸がカギ? ②
前回の① では、腸の一般的な構造や働きについて書きました。
今回は、腸内環境を整えるシステムや物質、腸の役割のひとつである吸収についてのお話です。
腸内環境の悪化を引き起こす主な原因
腸が正常に働かないと必要な栄養素は吸収されず、体内に不必要な有害物質も上手く排出できません。
腸内環境の悪化は、腸内細菌のバランスを崩すことで悪玉菌が増えることや、有害重金属という有害なミネラル(鉱物)による影響が、かなり大きいと言われています。
腸内細菌について
悪玉菌は、過度のストレスで増強し、主に腸内を腐敗させ、発癌物質や毒素のある有害物質を作りだし、便秘の悪化や病気を誘引すると言われています。
その反面、より悪性の強い菌が体外から侵入時は、腸の粘膜を守るという大切な役割もあります。
腸内環境は、上記の悪玉菌、その他の腸内細菌の善玉菌(腸内を酸性にし、有害な菌の発生抑制、免疫力を強化。例.ビフィズス菌、乳酸菌など)や日和見菌(免疫力低下時、他の臓器に侵入して感染症を併発する。ビタミン産生など、良い働きも悪い働きもする菌)のバランスで決まります。
腸内環境の理想的なバランス(便が腐敗しにくい比率)は、善玉菌:悪玉菌:日和見菌が2 : 1 : 7 と言われています。
この腸内バランスを崩す要因には、以下のようなものがあります。
・加齢(♦︎活性酸素の発生)
・偏った食事(♦︎活性酸素の発生←★有害重金属の蓄積)
・食べ過ぎ、飲み過ぎ(臓器に負荷がかかり過ぎる)
・ストレスや過労(♦︎活性酸素の発生)
・不必要な薬、抗生物質、食品添加物、化学物質など(♦︎活性酸素の発生←★有害重金属の蓄積)
・細菌、環境汚染(♦︎活性酸素の発生)
・過度な紫外線(♦︎活性酸素の発生)
※ ♦︎活性酸素、★有害重金属については、後ほどお伝えします。
悪玉菌が増ることにより、腸粘膜が有毒ガスによって傷つくことで起きる状態をリーキーガットと呼びます。
リーキーガット症候群
リーキーガット症候群(以下、LGS:Leaky=漏れ、gut=消化管、Syndrome=症候群)は、栄養等の吸収に重要な腸粘膜が薄くなり、バリア機能の低下状態を言い、腸粘膜にて不要な栄養素や毒素や細菌を吸収した毛細血管が体内循環することより、健康状態に悪影響を引き起します。
通常、腸粘膜の上皮組織から正常に吸収される質の分子の大きさは500Da (ダルトン)です。
この大きさまでは腸管の微絨毛表皮膜を通過することができ、それより大きな分子(食物やバクテリア)は異物として認識され、通過しません。
ですが、LGSによって腸管壁が炎症、損傷した状態になると、腸管系の吸収機能に障害をきたし、容易に何倍もの大きさの食物や化学物質が血液中に流れ込み、通常は吸収されない物質(未消化、不要な栄養素や毒素、細菌)が、腸粘膜上皮組織から体内に吸収されます。
このようにして吸収された細菌や毒素が、喘息や肌荒れなどのアレルギーから癌まで、様々な病気を引き起こしやすいと言われています。
一番多いのは腸関係の病気で、腸が正常に働かずに体内バランスが崩れ、悪循環になります。
他にも、関節炎、肝臓病、リウマチ、免疫不全など沢山の病気、不妊の原因にまで影響を及ぼすと言われています。
身体に必要なミネラルや有害重金属について
ミネラルには、①身体構成に大切な必須ミネラル (亜鉛、カルシウム、マグネシウム、鉄、ケイ素など)、先にも上げた、②体内蓄積有害な★有害重金属 (鉛、水銀、ヒ素、アルミニウム、カドニウム、プラチナなど)があります。
お肌を若々しく美しく保つには、コラーゲンやエラスチンなどの形成を補助し、弾力を与えたり、補修したりする必須ミネラルやビタミンをタンパク質と結合し血中に運ぶ役割を担い、ゆっくりと腸管壁から吸収される必要があります。
LGSになると、炎症を起こした腸壁が原因でタンパク質にもダメージが加わります。
すると、ビタミンやミネラルが十分に腸まで運ばれず、必須ミネラルやビタミン欠乏症を併発することにもなります。
また、腸管から漏れた有害物質が血液から皮膚へ運び込まれ、毛穴から排泄されることで、皮膚がダメージを受け、肌が荒れることも多々あります。
よって、腸内環境を整え、ダメージを与えないことは、美容を保つためにも大切なことなのが分かってきます。
次回は、身体を酸化(錆び)させ、様々な悪影響があると言われる、活性酸素についてです。
※ あくまでも、腸の自己メンテナンスのお話が中心になるので、腹痛や異常便、吐き気や食欲不振がある方は、速やかに病院で検査をされて下さい。
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