こんなものが欲しいと言うことってだいたい叶わないよね


 年末年始、毎年売る側で、買うことを楽しんだことがない。そんな気持ちが燻る中。ただ、珍しく今年は…スーツケースを予約しました。
 あまりにも何度も何度も去年は、マイナス思考に陥って旅に出たくなったのです。まあまあ忙殺されていたためにそんなこともできないと(甘ったれにも程があるかも知れないが)塞ぎ込んでいましたが。

 人による影響。
 友人が「私は強い」と言って離婚調停を迎える中、そのきっかけになってしまったような気分がどうしても とうとうと溢れて私は、ずっと。
 …ずっと、一人になりたくて仕方がなかった。そもそもこの自虐的な心は一体いつからできたのだろうか、とふと考えている自分を見つけるばかりだ。
 
 彼女は言い切った。「繊細な輩が大嫌いだ」と。

 外部的な意見。
 彼らの夫婦間に、愛情はあったはずだった。
 話をどう聞いても、私のせいにしか感じない。だから楽しい話だけを周りがたくさんしてくれるのを、自分のためのようにすら感じながら(実際全然私はネガティブでみんなから避けられてたと思う)、負担ばかりかけてしまいました。
 どうしてもこの感情から逃げられないのだろうか。受け止めてすらいるのに、全部言い始めたのは彼女の方だったのに。それを全部聞くだけ、聞き続けるのは私の役目だと思ったら、それしかできなかった。

 彼女は言い切った。「喧嘩するような仲になりたい」と。

 こんな話をいくらしても、周囲から呆れられるせいで私は自分一人が世界から取り残されたような、全員が…私の代わりに罪を被ろうとしているようにさえ。
 でもみんなして彼女の離婚を君のせいじゃないと主張するのであれば、別に私は関係なかったんだ、本当に。ああ、…ならよかった、と思う。でもそうしたらこのちぎれそうな心は一体どこから生まれたんだろう…。違うんでしょう、きっと私の見ている視界は自分のものだから、主観で話してしまっている以上、周囲は知らないこと。

 全部私のせいだ。私が支えてあげたいのに、私にその力がないと、皆が口を揃えてるように感じる。違う?違うかな。不倫なんてなかった。あの夫婦を以前から知っている他の人はそれはそれで私が支えたいと言い放ってそうだ。私よりよくできる年下の女の子。もうダメなような気がしている。
 嫌いなんて嘘だよ。ただ、居場所を奪ってしまっただけの、こんな惨めな女なんか死んで仕舞えばいいのにと、ずっと思っている。…だって私のせいでしょ?!ってキレたくて仕方が…、なくて。
 いなくなってしまった方が。全員にとっていいはずで。私は盲信しているだけなのかも知れない。辞めたい。
 搾取されたような気分になりきって、相手への心を無くしたまま“好きだ“と言うことは。だってあんなにも愛されたのだし、あんなにも愛情をもらったし、それでいて…、…。あんなによくしてくれたのに。
 子供なのだろうか。


 彼女は言い放った。「私の地雷は、不倫です」。

 私は女だし、彼女は女だから、どこまで見ても不倫ではないじゃないか。
 笑い飛ばして差し上げられればよかったのに、彼女が必要とする優しさというのは、そういう節操のなさではないようで、私がまともに悩めば悩むほど、まともに優しくしようとしてきた。

 私は仕事では笑うことができる。それが仕事だから。でも友達とは真面目な話をしたかった。ずっと。

 彼女はなんというかキタニタツヤさんのBGMの似合う女で、いつもマニッシュを気取り、私に対してずっとまともな言葉をかけようと必死だった。
 私はそんな弱者なんだろうか、と思いながらそう言うことにしていた。
 仕事先では強いふりをしていたから。

 

 あの福袋のスーツケース、色は黒なのかなあ……ペンキで塗ることってできるんだろうか…あるいはシールデコか。あるいは何かケースに上着を着せたい。
 ベイマックスのこの形のスーツケースを作れる世界ではないんだよなあ、
きっと。

 “この形のスーツケース欲しい“。と思ってしまうけど。
 ずっと、“存在しない理想“を
 例えば私という購買層は欲してる。

 そういう話はカメラ界隈にもごろごろしてたなあ…。ありもしないレンズを欲するあまり、夢だけ語ってそして買わずに売り場を後にする姿。

できない理由の推察。

世の中はお金を回そうとしている。
グッズを外部委託して作る場合、
“大元の制作側が考えた作中の既存デザイン“
とは
著作料や
制作に関わった人間関係があって
お金になりづらい。

ものを作る工場が、
元のデザイン案を
“スーツケースの使い勝手“ではなく
“作中の見せ場のシーンでかっこよく”(あるいは別の内容にせよ)を

コンセプトに作ったアニメーションから
ものを作ってくれ、
と言われた時に、

解釈をどれだけできる職人がするか、がミソになり、
それはプロダクト的に
作りやすい形はしていないことがある。
難しい、と断られやすそう。

技術料もバカにならないし、
欲しいのはコアなオタク層、と言う認識の中でものづくりをするとなると
…作れるのは、本当に工場の中にいる個人レベルの話になって、
それでいてそれを元にお金を運用するのは
流石に倫理的に悖るような
そんな意識が働く。

個々人の金額が下がってるのか上がっているのかわからないけど…少なくとも、
作る人は買い叩かれてはいけないし、
買いたい人は少しでも安いほうが嬉しい。

…夢を見せる人はいる。
自宅が工場だったりする人が物作ってるのを
眺めるのは堪らなく、楽しい。

お金を稼ぐ時のいろんなこと。

こんな話聞きたい人はいないんだよなあ。
と思うから、あまりしないようにしたいけど、
たまにお客さんから聞かれて答えることはある。
私はひとまずテレビの情報でいろんな老舗の会社を尊敬する脳みそで生まれ落ちたので、
どうも(技術者頑張れ)が抜けない。
紅白歌合戦。よくこんなんがタダで見れるよな…と思う。


明日の初売り、どうしたらいいのか。
いつも通りの顔で頑張るしかない。
激動の23年だったとあらゆる星座占いが教えてくれた中で、
私は取り残されているような、全く動けない一年を過ごしたような、それでいてめちゃくちゃ仕事とお金稼ぐことだけはしていた。

彼女の大嫌いな、旦那の性格そっくりの私は、旦那のやることそっくりに、ただ
金を稼ぐことしかしてない。ネガティブな生き方するままでいればいるほど、
彼女の人生を悪い方向へ連れていってしまうんだ。
でも。

仕事で笑顔は使い果たしているんだよ。
それで、愛がない私が彼女をどうやって愛せるのだろうか。


 大嫌いだと最後に言った時、
 彼女はやはり、言い放った。
「終わりを感じた時にそんなことを言う人とはやっていられない」。


 本音というのは役に立たなかった。全部十把一絡げに「あんたは旦那に似ている」の言葉に集約されてしまったからだ。


 似ているものに付き合うことで、自分を創り上げようとしてきたくせに。そんなふうに思ってしまう。
 最後の最後まで怒らせ続けた。大切で大好きだったことの一ミリも伝わらないのなら、もう、一緒に居続けるのは無理でしょう。


 私は自分で自分の死体を回収することまではできなかったから、
 こんなところで死んでやる。
 愛してた。胃がいたい。永遠に飛び続けて、疲れた時に帰ってくる場所を、私が守ってあげられなくてごめんね。大嫌いだった…自分のことだ。

 そんなに私のこと、好きじゃなかったでしょう。態度でわかりきっていました。私も、きっとあなたのこと、ずっとずっと厄介だと思っていたんですよ…。
 仕事をうまくやっていくために必要な、亜麻仁油のような彼女を、体の中に宿し続けるのはもう難しい。
 あんなに、必要だと言ってくれたけど、必死な自分の人生のために、
 あなたのお子さんを、可哀想な娘にしないために、あらゆる人に頼ってね。

 私も自分を可哀想にしないために、あなたから一時的に去ります。
 大嫌いな、恋人へ。
 他の人の厳しい言葉ばかりが優しいように聞こえてしまう私を、どうか許せ。

 こんなことに必死で、仕事ばかりに忙殺されてきつい言い方で幸せになるばかりだったはずの彼女に陰道を告げて別れた私を、
 地震で死んだ人たちは許すだろうか。ごめんなさい。
 幸せにしてやることなど、出来はしないんだ。拒絶と拒否と、わがままと欲望だけが人生のような女のことなど。…それができるのは、私だけだと思っていたのに、他の人に頼り続けて夫の言うことを全部聞こうとすらしない、そんな女のことなど。私からの贈り物を全部、送り返して清々して、
 幸せそうに笑っているのだろう、新天地で。

 付き合いまくって凍え死んだのは、あんたの浮気性の旦那では
ないじゃないか。
 呪います。悪みます。
 ネガティブで本音を歯に挟んだまま、生きてるよ。助けてよ。助けないでしょ?助けになんて来ないでしょう、臆病の薄情者。

 じゃ、何があっても助からないわけだ。私なんか。でも生きてる。なんで?
 怒りだけが生きる意味なのか?
 全部…あんたのせいだと、鏡の向こうの私がうなづく。そうだね、バカだったせいだ。一度も言えなかったことが多すぎる。
 ダンブルドアが死んだ時、スネイプもこんな気持ちだったんだろうか。あのシーンの描写だけが、あの頃はよくわからなかったけれど、だとしたら一つ言っていいかしら。いいえ、あなたには全くわからない言葉で言ってやる。

 スネイプとニュートスキャマンダーは、きっとよく似てる。繊細?


 バカにしないでよ。

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