海外からリゾートバイトに応募してみたが、当時はできなかった(ヒューマニック)【#005】

「リゾートバイト過去日記」は僕がリゾートバイトをしていた3年間を思い出しながら書いています。

【前回のあらすじ】僕は派遣会社のHPを見て自分の希望条件を満たすリゾートバイトの案件を探し始めた。皿洗いや客室清掃などの裏方業務であることが絶対条件だ。その中からできるだけ時給や給料が高く、さらに寮のきれいさや周辺の環境(あまりにも田舎過ぎると生活が不便だ)、そして職場の人間関係などの条件を総合的に判断して僕にとっての最高の案件を見つけることにした。

ニュージーランドのワークビザを放棄して日本に戻ることを決意

人見知りが激しくて接客業が大の苦手な僕でもできそうな裏方業務の案件は接客系の職種に比べて少ないこともあり、他にめぼしい案件もなかったので、僕はすぐにニュージーランドから派遣会社のHPでスタッフ登録をした。

ここらへんは記憶があいまいだが、たしかスタッフ登録をした次の日に派遣会社(ヒューマニック)からメールが来たと記憶している。僕が「現在ワーキングホリデー(ワーホリ)でニュージーランドに滞在しておりますが、これから帰国して9月から働けます」と伝えると、「海外からのスタッフ登録はできませんので、帰国後にご連絡ください」とのことだった。

今はどうか知らないが、少なくとも2014年7月の時点では海外からヒューマニックのスタッフ登録をすることはできなかったはずだ。なお、派遣会社によって当然規定が異なるので、海外にいても登録できる派遣会社もあるらしい。僕が聞いた話では、同じく業界大手の派遣会社であるアルファリゾートは海外からでもスタッフ登録ができるらしい。その他にも海外から登録できる派遣会社があるかもしれない。


「日本に帰ってから派遣会社に登録するのは面倒くさいし、確実に仕事があるとは限らない。だから、他の派遣会社を探してニュージーランドにいる間に派遣のスタッフ登録をしておこう」とはならなかった。

僕が最初に見つけた派遣会社のヒューマニックは公式HPが見やすいだけでなく、時給や職種、勤務地といった条件を自由に設定して自分に合った仕事を探しやすかったからだ。なので、僕はこの時点でヒューマニックでリゾートバイトをすることを決めていた。そもそも、このときは他の派遣会社があることなんて知らなかったのだ。


日本に帰ることをほぼ決意したのは7月半ばで、当時僕はワーホリビザでニュージーランドのクイーンズタウンという小さな観光都市にあるホテルで客室清掃の仕事をしていた。元々僕は日本で働くことが嫌だったので、上司にワーク(労働)ビザを出してもらえるように交渉していて、ワーホリビザの期限が切れればワークビザに切り替える予定だった。

僕のワーホリビザが切れるのは2014年11月だったので、上司はそろそろ僕のワークビザを申請する準備を始める頃だったと思う。僕は上司に「ワークビザの件はどうなっていますか。実は日本に帰ることを考えているので、少し待ってもらいたいんです」と伝えた。上司は「わかった。11月にワーホリビザが切れるんだったらまだ時間はある。また状況が変わったら教えて」と言ってくれた。

僕としてはこの時点でワークビザを出してもらってニュージーランドで少なくとも数年間暮らす計画はほぼ白紙に戻す覚悟でいた。何としてもオーストラリアに戻り、永住権を取るのだ。そのためには500万円が必要で、リゾートバイトをすれば最短で3年で貯めることは理論上不可能ではなさそうだった。

ニュージーランドの生活も悪くはない。仕事は時給こそ最低賃金を辛うじて超えた程度だったが、人間関係もそれほど悪くはなく、上司との関係も良かった。僕にとっては肉体的にも精神的にも苦になるようなものでもなかった。

クイーンズタウンは田舎の観光地ということもあり、働いている若者の多くはニュージーランド人ではなく僕と同じようなワーホリビザを持つバックパッカーということもあり、数か月滞在しては次の場所に移動したり国に帰ってしまう人ばかりだったので友達らしい友達はなかなかできなかったが、それでも毎日が平和で幸せな日々を過ごすことができていた。

しかし、平和で幸せであるということは僕にとって同時につまらない生活でもあった。幸せな日々というものはつまらないものなのか。そう思っていた。


今の生活は気に入っているが、だからと言ってここに10年も20年も住む気にはなれない。子どもができたとしてもこの町で育てたいとも思わない。俺はオーストラリアに行く。永住できる可能性はあるし、それ以外にしたいこともない。そのためなら、あれほど嫌だった日本に戻って働くのもかまわない。

ただのワーホリ帰りのフリーターの僕が3年で500万円を貯めるのは普通なら無理だ。それでもリゾートバイトならできるかもしれない。僕はリゾートバイトに賭けるしかなかった。

(続く)

Atsushi

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