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「ふるさと自慢」紫乃① 夏の三句(東京・スイス・宮崎)


丸の内吾の人生の走馬灯


丸の内仲通り



モルゲンロートの刹那紺碧の夏


マッターホルンのモルゲンロート



神々の宿る雲海国見ケ丘


宮崎県高千穂・国見ケ丘展望台からの日の出



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丸の内吾の人生の走馬灯
(まるのうちあのじんせいのそうまとう)
季語:走馬灯(三夏)

東京生まれ東京育ち。母の出身は秋田であったが、親族も少なく、居住経験はなし。
ふるさと、と呼ばれる場所は、敢えていうならば東京。

「東京で一番好きな場所は?」と訊かれたら、迷いなく「丸の内」と答える。
父を二歳になる前に異国で亡くした私にとって、丸の内は特別な場所だ。
「パパの勤めていた会社はここよ」と、幼い頃から幾度となく連れられた。
父、母、私、夫、そして、今は娘が勤めている場所。
ずいぶん様変わりをしてしまったけれど、それでも、私にとっては変わらぬ場所、心の景色。
60年の人生の、その時々がここに巡る。


モルゲンロートの刹那紺碧の夏
(もるげんろーとのせつなこんぺきのなつ)
季語:夏

実は、この六月の下旬から約ひと月、ヨーロッパにいた。
夫がどうしても私に見せたいと言った、マッターホルン。(夫は三回目である)
但し、天候がよくなければ、その全貌を臨むことはできない。
スイス・ツェルマットに五泊、日にちに余裕をとった。
三日目、リッフェルベルグ(Riffelberg)での朝、見事な快晴。

太陽が昇るにつれ、マッターホルンの頂に朝陽が当たり、徐々にその面積を広げる。そう、モルゲンロートだ。
赤く照らされている時間は、短い。山の半分も過ぎると、赤味はすっかりとなくなる。

マッターホルンという山は、見る角度によって、その姿を変える。
リッフェルベルグ(Riffelberg)からの眺めが最高だと、私は思う。

多くの人々の人生を変えてしまうほどの山、マッターホルン。
夫もその一人だ。やはり圧倒的な存在感であった。
自分なんて、ちっぽけだよなあ、と心底思った。
その気持ち、俳句に生かせていかれたら、とも思った。


神々の宿る雲海国見ケ丘
(かみがみのやどるうんかいくにみがおか)
季語:雲海(晩夏)

日本は美しい国だ。
端っこ好きな私は、「最」がつく東西南北をほぼ巡った。(逆に、県庁所在地や、いわゆる人口の多い場所はほとんど行っていない)
心打たれる景色は多くあったけれど、今回、国内旅行での一枚、としては「国見ケ丘の雲海」を選んだ。

八百万の神々が集うとされる、高千穂。
神社仏閣神仏にほぼ興味のない(訳あり)私であるが、高千穂では鳥肌が立つことがしばしばあった。
その中でも、ここの雲海はとにかく素晴らしかった。
ご来光を拝めたことにも、感謝である。


写真は、丸の内仲通りはネットからお借りした。
マッターホルンと国見ケ丘は、夫の撮影。(iPhone12)


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