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俳句幼稚園 ~弐~

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⚜️各自note内で俳句を詠み、俳句幼稚園タグ付け&マガジン格納。⚜️【コメント欄は宝物】互いの句をコメント欄で鑑賞し高め合いましょう。(無理せず、自分のペースで) 投句時『意見(甘…
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#俳句は楽しい

「ひよこ句会」第三回目以降について。

「第二回 ひよこ句会」の結果が開きましたので、第三回目以降、今後の予定についてをお伝えいたします。 参加は毎回自由、投句数も一句から三句まで自由です。 皆さま、それぞれ無理のないペースでご参加ください😊 半年すぎたあたりで、「進め方」「兼題」「題詠」などについてのご意見を一回伺い、その後に繋げていけたらと思っています。 よろしくお願いいたします。 投句方法など詳しいことについては以下をご参照ください。

休暇果つチェックリストの空いたマス

 頭で思い描く進み具合と実際の進み具合は、案外ずれている。  あと少しだと聞いていたそれが、実際は2割程度しか終わってなかったなんてざらである。 …もっと早くチェックをすれば、まだ挽回しようもあっただろうに、最終日に確認じゃ遅すぎるよね。 人は夏休みの宿題のころ、とうに学んだはずの過ちを、あいも変わらず続けているのだ。

ありがとうあそんでくれて赤とんぼ

小さなころに引越しをした 数年して帰省したときに、昔住んでいたそのあたりに無理を言って連れていってもらった 昔友だちだった子たちの家の近くをとおってみたり、昔遊んでいた道を歩いてみたりした たまたまばったりと出会うのを期待したけれど、そんなことはひとつも起きなかった もう帰るよ、とここまで連れてきてくれた叔父が言った ぼくが抜けてしまったあとの町は、何かでぼくの抜けたスキマを埋めて、いつもの顔でそこにあった

✈︎ 秋の雑詠(今朝の秋、盂蘭盆、迎火、秋の蝉、朝顔)

旅鞄まるまると発つ今朝の秋 今朝の秋:初秋/時候 盂蘭盆の出席を取る黄袈裟かな 盂蘭盆:初秋/行事 迎火や筋雲淡く染まりをり 迎火:初秋/行事 石段を母の手握り秋の蝉 秋の蝉:初秋/動物 朝顔や塾の看板色褪せぬ 朝顔:初秋/植物 ◆◆◆ まだ日本、岡山にいます。 立秋を過ぎて、あぁかすかに秋の気配が…と思った朝が二日ほどありました。が、その後はまた朝から暑いです。 一句目 立秋の前日、翌日から二泊三日で海外旅行をするという姪が、「支度しなくちゃ!」と張

秋麗みらいを創るための本

秋麗(あきうらら)三秋 中学校の先生という仕事にとって、他の仕事にはないアドバンテージの一つが、「長期休暇」がある、ということだ。  無論、正確には生徒の長期休暇であり、教職員は通常通り勤務している。とはいえ、この時期は日々の追われる仕事が少ない分(なくはないのよね)、自分の優先順位で活動することができる。  特に、この時期に日頃なかなか時間のとれないインプットの時間をとることがオススメだ。  不易流行という言葉がある。 教育現場も当然、この不易流行ってのが必要なんだ

【俳句幼稚園】~原爆忌

本日は、広島に原爆が投下された日です。 というわけで、やはり俳人としては詠んでおきたいところ。それも、今年で3回目となりました。 少し前に、Xでまたしても「フクシマ」差別が論争を巻き起こしていたようです。 ただ、何と言うか……。 原発の被害は忘れてはならないと思うんです。ですが、実際に「差別だ差別だ」と騒いでいるのは、もはや外部から来たプロ市民(もちろん皮肉です)が中心だ……というのが、私の感想でしょうか。前にも、同じ趣旨のことを述べたことがあったかもしれませんね。 この手

✈︎ 夏の雑詠八句(百日紅、吊忍、鬼灯市、朝顔市、千日紅、油蝉、原爆忌、秋近し)

各々の空見つけたり百日紅 百日紅(さるすべり):仲夏/植物 吊忍詩歌展へファン集ひけり 吊忍(つりしのぶ):三夏/植物 反抗期明けの娘と鬼灯市 鬼灯市:晩夏/行事 朝顔市へ手がきの地図にいざなはれ 朝顔市:仲夏/行事 延長の裏のエラーよ千日紅 千日紅:晩夏/植物 油蝉また店の名の変はる角 油蝉:晩夏/動物 白鳩はその時を待つ原爆忌 原爆忌:晩夏/行事 秋近し産土神を尋ねけり 秋近し:晩夏/時候 ◆◆◆ 夏が終わってしまう〜と、駆け込み登園です

白南風や床板ひかる廃校舎

公立の学校は予算が決まっているので、物が壊れてもすぐ購入というわけにはいかない。 だから、修理に修理を重ねて使う。 当たり前だが、必要最低限が基本である。 しかし、中古であるが物品を得るチャンスが時々ある。廃校になった学校の物品利用である。 要は、市町村で購入した物だから、同一市町村で使い回すのである。 この度3校の小学校が、合併によって廃校になった。 その物品引き渡しに参加してきた。 物品が雑然と集められているが、校舎はまだとてもきれいだ。何なら、うちの学校より断然

✈︎ 夏の雑詠五句(百合の花、夏の宵、青田、扇子、片かげり)

シャンパンを立ちのぼる泡百合の花 百合の花/仲夏・植物 会釈され会釈かへせり夏の宵 夏の宵/三夏・時候 日の本へ青田のピース嵌りけり 青田/晩夏・地理 バス停のふたり扇子を分けあへり 扇子/三夏・生活 片かげり本数減りし路線バス 片かげり/晩夏・天文 ◆◆◆ また、久しぶりの登園です。 7月の初めに急遽日本に帰ってきました。義母が体調を崩して緊急入院をしたための帰国でした。非常に心配しましたが、幸い義母は回復に向かっており、バタバタしながらも私も思いがけ

新宿の朝の白んで南風吹く

季語:南風吹く(南風の傍題) 南風(みなみ・なんぷう・みなみかぜ)三夏 はえ という読みもあるが、季語として使われている例はあるのかな。(白南風・黒南風の季語はあり) 二泊三日の東京吟行も終わった。(何も詠んでないが) 今回は歌舞伎町への宿泊をしてみたが、流石の歓楽街で一人で歩くのはどきどきしたな。 そっと声かけをしてくる兄ちゃんは、「日本人・ビジネスマン系・一人」という属性を狙って、声かけしているように思える。 または、俺が欲しているような顔をしていたかどちらかだ

先輩の言葉バトンとして涼し

季語 涼し 三夏 夏の季語 涼し は、三夏(初夏・仲夏・晩夏を問わない通季の季語)の季語だ。 この季語を使った句で という作品があって、この句の発見には脱帽するばかりだ。 今日で1学期が終わり、来週には県総体が始まる。 九州、全国と駒を進めたとしても、二学期の始まる9月には新しい体制がスタートしている。 引退に際して語る先輩の言葉は、後輩へと紡がれていく。

明け易し柄に花柄の松葉杖

良女(よめ:俺は妻のことをこう呼ぶ)ちゃんは、朝が早い 俺などはつい微睡の時間を持ちつつじわじわと起きたがるが、良女ちゃんは、スパッと起きる 家族の弁当準備をはじめ、朝の家事は意外と多いから、責任感の強さがそうさせるのかもしれない。 そんな良女ちゃんだが、ちょっと前に怪我をした。 松葉杖の生活になったのだ。 思うように動けない中だが、朝は毎日やってくる。 動きの遅れを逆算して、さらに早く起床する。 松葉杖をつきながら、しかしその家事の動きに澱みはない。 さすが良

✈︎ 出遅れて仲夏五句(半夏生、桜桃の実、枇杷の実)

丸まれる鉛筆束ね半夏生 半夏生皺へ隠るる片ゑくぼ 半夏生警策へ肩さしだしぬ 半夏生: 仲夏/時候 桜桃の実やきみだけに打ち明ける 桜桃の実:仲夏/植物 枇杷の実やバスの行方を尋ねられ 枇杷の実:仲夏/植物 ◆◆◆ 憧れてはいるものの、掴みあぐねている季語「半夏生」、今の時点での句を詠んでみました。記事を投稿するのが遅くなってしまいました。 深く考えすぎずに詠もうと意識しましたが、半夏生である必然性はどうでしょう? 一句目 たくさんある鉛筆の先がどれも丸くな

煉切の天の川食む小暑かな

明石屋という和菓子店がある。 この店は季節に合わせた生菓子も作っているのだが二十四節気に因んだものも時に販売される。 土曜は小暑、日曜は七夕だということで、それを目当てに買いに行き、無事にゲットすることができた。 よく売り切れるので、午前中に行ったのが良かった。 それが、『天の川』という生菓子である。 つまり捻りのない報告句であるのだが、天の川のどこに黒文字をあてるか迷った末に織姫と彦星を繋ぐ形にあてることにしたくらいには、天の川を食べることに盛り上がったのだった。