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古神道の宇宙観

神社の本殿前に着くと目の前に鏡がある。
顔を正面に映せは自分がいるのだが、そこをあえて見ていない。
鏡を隔てた向こう側にある神世の世界を感じ取っているのだ。
物に気を取られていれば本当のことは見えてこないものだ。

古代の日本人が心惹かれたのは
刻々と素早く現れたり消えたりする自然の姿であった。

天から降る雨を見ては、天の恵みを感じ、
大空に鳴動する雷に驚き、その威力を感じ取っていた。
人間の手に及ばない人智を超えた偉大な力や
目にみえない大いなる力の前に自然に平伏したのだった。

神々の住む遠い異次元に憧れ
豊かな思いを託したとされている。

日本古代の人々にとっては自然も宇宙もこの空間も
すべてひと続きであって
それは生命を産む深淵な世界であった。

自然が即宇宙という認識の下でわたしたちは生かされている。
共存共栄の自然観と生命観が生まれて
やがては壮大な天地創造の物語となって
宇宙と人、神と人とがひとつだという世界観を作り出したのであった。

現代に傳わる古神道は
素朴に宇宙に目を向けていたころの世界観で
巨大な宇宙と自分が繋がっていること、
それが身近になって初めて
わたしたちは古人が追い求めていた心の世界に気づくことができるのである。

古神道では宇宙法律に身を委ねることを教えてくれているのです。


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