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期待と不安

ー北京冬季五輪(下)

すべての競技が終了した北京冬季五輪。今後、日本代表選手の勝負に一喜一憂できなくなるのが寂しい。それにしても、今回の五輪はメダル争いに絡む日本選手が多かった印象があって調べたところ、前回(2018年の平昌冬季五輪)に比べて5個多い18個で、日本が過去の冬季五輪で得たメダル数のうち過去最多だったようだ。なるほど、興奮する場面が多かったわけだ。スノーボードの平野歩夢、スキージャンプの小林陵侑のほかに、応援に力が入った種目について奥さんと振り返る。

関連リンク(連載「北京冬季五輪」シリーズ):「りすの独り言:応援の導火線ー北京冬季五輪(中)」「りすの独り言:あっという間の閉幕ー北京冬季五輪(上)

カーリング

個人的には、やはりカーリング女子だろう。結果として銀メダルを獲得したものの、手に汗握る展開の連続だった。スノーボードやスキージャンプなどスピード感がある競技に比べ、カーリングは時間がゆっくり流れる。そこにハラハラドキドキの要因がある。

例えば、自チームが投じたストーンが相手チームのストーンを弾くまで、しばらく時間がある。微妙な狂いが失点につながるため、ストーンに届くまで目が離せない。実際は長くてもほんの数秒だが、この時間がとても長く感じられる。見ているだけでも胃がキリキリする。

さらに、相手は体格が一回り以上も違う外国選手。ストーンの前の氷を溶かしてスピードや方向をコントロールするスイープという技術が、どうしても迫力に欠ける。それでも、そのハンデをものともせず、相手に挑んだ姿に声援を送らずにいられない。

どんな状況でも競技を楽しんでるチーム内の雰囲気も好感が持てた。たとえ劣勢な場面でも、良いスローには「ナイスー!」と笑顔で声を掛け合い、ハイタッチするところが微笑ましい。一方、奥さんは、スピード感に乏しいカーリングに、そこまで興味を持てなかったという。

ノルディック複合

そんな奥さん。興奮した場面として外せないと言ったのは、意外なことにノルディック複合だ。中でも、個人、団体でともに銅メダルを獲得した渡部暁斗の活躍を挙げる。実のところ、平昌五輪以前からこの競技のファンらしく、とりわけ渡部に注目していたようだ。

奥さんによると、今年34歳を迎えた渡部が肉体改造して北京五輪に臨むと語ったインタビューをどこかで読んだようで、そこに感銘を受け、14年のソチ(銀メダル)、18年の平昌(同)に続いて、北京でもメダルを取ると予想していたらしい。それは応援にも力が入るわけだ。

心の糧

北京五輪が閉幕した。金メダル3個、銀メダル6個、銅メダル9個と、過去最多のメダルを獲得した日本選手団のおかげで、夫婦揃ってどっぷり五輪に浸った。すでに4年後が待ち遠しくなっている。他方、これまで心のかてだった五輪があっという間に終わり、どこか不安だ。

明日からどうしよう。新たな糧を早く探さねば。(終わり)

(写真:『りすの独り言』トップ画像=フリー素材などを基にりす作成)

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