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光って求愛

ーホタルの婚活リアリティー

東京都練馬区が運営する緑地「中里郷土の森」で例年、ホタル鑑賞会を開いている。先日、数年ぶりに夫婦揃って訪れた。幸運なことに今回、この鑑賞会では初めて、光りながら空を舞うヘイケボタルを見ることができた。わずか十数秒の感動の時間。どこかノスタルジックな美しい光景を目に焼き付けた。父親、母親にも見せてあげたい。

タイミング逸す

光りながら舞うホタルを見て、奥さんが子どものようにはしゃぐ。おかげで、こちらは歓声を上げるタイミングを逸し、クールに「ふーん」というだけの感じに。どこか気持ちが向かう先を先取られた気がした。

専門家によると、ホタルが光を放ちつつ空を舞うのは求愛活動のためだとか。ホタルは雌雄で光るリズムが違うらしく、飛び上がってリズムの違う輝きを見つけて近づき、ペアリングするそうだ。なかなか面白い。

"やらせ"なし

空を舞うホタルの光は求愛のサインー。そう考えると、実にロマンチックだ。ただ、それを眺めて楽しむホタル鑑賞会は、ホタルの"婚活"を覗き見て楽しむ悪趣味な催しになるまいか。一瞬、そんな思いが頭を過る。

もっとも、ヒトとホタルを同列に比べたところで意味はない。それに、ホタルの婚活は"やらせ"も"サクラ"もなく、ガチ中のガチ。だから、純粋にホタルの"婚活リアリティー"を楽しもうと即座に思い直した。

来年(2025年)は両親を誘って一緒にホタルの光を楽しめれば嬉しい。

(写真:『りすの独り言』トップ画像=フリー素材などを基にりす作成)

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