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本当に捨てたいのは「物」じゃなかった

物を手放すことは
シンプルでありながら深い行為です。
それは、心の整理をしていくことでもあります。

仕事柄でしょうか、かつての私は家を

誰かに見せるための空間」

として捉えていた気がします。


インテリアに気を配り
おしゃれな家具で整えられた部屋を
作り上げる必要があると思っていました。

もちろん、そこには
私自身の好みや個性が反映されてはいましたが
それ以上に「誰かに評価されるための空間」
という意識が強くなっていたように思います。

日々の暮らしの中で
私はふと
自分が虚しさを感じていることに気がつきました。
大好きな家にいても、なぜか心は満たされない。

思い返せば
若い頃から「素敵な家」「おしゃれなインテリア」
が幸せの象徴だと感じてきました。
それを手に入れることで
自分の価値を証明しようとしていたのかもしれません。

みなさんはどうですか?
おしゃれなインテリアにこだわりすぎて
自分を見失ってしまった経験はありませんか。

あるとき
遠方からおしゃれでセンスのいい友人が
家に遊びに来ることになりました。

そこで、私は再び「見栄」を張るべく
部屋を整え始めました。

その時ふと
「この部屋は、本当に私の部屋なのか?」
という疑問が頭をよぎりました。

私が好きなアロマの香りや
心安らぐインテリアより
他人にどう思われるかを気にした部屋が
そこにはありました。

自己表現が失われ
見せかけのインテリアだけが残っている…

だから私はくつろげないんだ


そうはっきりと感じました。

そこで私は
目の前にある「物」を見直すことから始めました。

そこには私にとって不要な物が多すぎました。
数多くのインテリア雑誌や本、流行を追いかけた
結果として手に入れた家具や雑貨の数々。

それらを見つめながら
私が本当に必要とするものが何かを
考え続けました。

そうして見栄を張るために積み重ねてきた物たち
を手放すことで私は初めて自由になれました。
同時に今まで抱え続けていた余計なプライドも
少しずつ解きほぐされていきました。

そうはいっても実際には
大きな家具を手放すのはとても大変でした。

ちょうど身内も引っ越すタイミングだったので
キャビネットやソファ、食器など
たくさん引き取ってもらえたこともあり
とても助かりましたが
やはり物は手放す時のことも考え
なるべく持たないようにしようと改めて思いました。

そうして、私の家は
次第に私の好きなものだけで
満たされていきました。
シンプルなインテリアとアロマの香りが漂う
心地よい空間。
そして本当に大切にしている観葉植物たち。

自分の好みや価値観を反映した空間は
ただ他者に見せるためのものではなく
私自身のほんとうの居場所になりました。

今は心からリラックスできる空間で
大切な人たちと過ごすことが
私にとって何よりの幸せだと感じます。

物を捨てることで、過去や見栄、
プライドを手放した結果
本当の自分を見つけることができたのです。

本当に捨てたかったのは、「物」ではなかった。

見せかけの美しさや他人の期待を捨て去り
自分自身の心に正直に生きることができたとき
生活は本当の意味で豊かになるのですね。

とは言ってもまたきっと
私は自分を見失ってしまうことでしょう。
自分に必要なもの、そうでないものを
見分けるのは本当にむつかしいですよね。

これからも
自分らしい暮らしを探求し続けたいと思います。

#シンプルライフ #片付け  
#断捨離 #自分 #エッセイ #暮らし


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