見出し画像

【数字データで振り返る1年】北海道ボールパークFビレッジのWHILLモビリティサービス、新たな観戦スタイルとして定着

免許不要の近距離モビリティWHILLのモビリティサービスが北海道ボールパークFビレッジに導入されてもうすぐ1年が経ちます。

野球界ではシーズンが終わり、来シーズンに向けた調整が行われている時期ですが、この節目に合わせてWHILL社も、日々運用されている同サービスについて、施設側の声やアンケートで得た数字データを交えながら振り返りました。

2023年3月の開業目前のお披露目タイミングの1枚

WHILLは免許不要で「歩行者」扱いの近距離モビリティ

WHILLは免許もヘルメットも不要で歩行領域(歩道・屋内外)を走れる近距離モビリティです。電動車椅子規格で開発されており、最高時速は6km。
道路交通法上は「歩行者」の扱いとなります。

左からプレミアムモデルの「WHILL Model C2」、折りたためるモデルの「WHILL Model F」、スクーターモデルの「WHILL Model S」

北海道では正規販売店のトヨタカローラ札幌、ホンダカーズ旭川、釧路トヨタの各店舗で試乗や相談、購入が可能です。

北海道ボールパークFビレッジのWHILLモビリティサービス 概要

WHILLモビリティサービスは、2023年3月の北海道ボールパークFビレッジの新開業に合わせて導入されました。

採用モデルはプレミアムモデルのWHILL Model C2と、歩道を走れるスクーターモデルのWHILL Model S。

当初10台が導入されましたが、想定を上回る需要を受け急遽増車し、現在は16台で運用中です。

Model C2は、主にスタジアム内移動と、試合観戦で利用できます。

人間工学に基づいて設計されたクッションとリアサスペンションにより長時間座っていても疲れにくいことが特徴で、ご家族・ご同行者含めて最後まで試合を楽しめるとともに、これまでになかったワンランク上の観戦スタイルを提案しています!

チケット購入時に無料オプションでWHILLを選ぶことが可能ですよ🤗

一方のModel Sは、スタジアムの外に広がるエリア周遊で利用できます。アップダウンのある土地でも安定して心地よく移動しながら、散策を楽しむことができます。

雪が積もっているところは車や自転車同様、WHILLも走るのは難しいですが、基本的に歩行領域は除雪されているのでご安心ください。

WHILLモビリティサービスの詳細はこちら!
HPを見て」がWHILLを知っていただく圧倒的に多い経路で、その次にWHILLを現地で借りられるのを知って、が続きました。

施設の導線にWHILLがしっかり組み込まれることで、当たり前に提供しているサービスとして来場された方に使っていただきやすくなるのでしょう。

WHILLと北海道ボールパークFビレッジが共創したい「誰もが居心地のよさを感じられる空間」

北海道ボールパークFビレッジでは、誰もが居心地のよさを感じられる空間づくりが進められています。

余談ですが、筆者は野球はあまり明るくなく、スタジアムでの観戦もあまりしたことがありませんでした。しかし、北海道ボールパークFビレッジはそんな人間にも門戸が開かれているような雰囲気で満ち溢れ、ハードルを感じず楽しむことができます。

お恥ずかしながら、球場での観戦は物心ついてからは初めて…めちゃくちゃ楽しかったです。

開業する際に北海道ボールパークFビレッジ側が伝えていたのは、「野球」をフックにあらゆる人が快適に、個々の楽しみ方でその場を満喫できる空間を作るーー。これが体現されているなあと、自分が実際に行ってみて感じ取ることができました。

話を戻します。

そんな居心地の良さをすべての方に感じていただけるよう、北海道ボールパークFビレッジ全域ではさまざまな設備や施設、サービスが整っています。

WHILLを活用した観戦・移動サービスもその一つ。

  • 「昔は野球が好きでよく球場に試合を見に行っていたが、最近は足腰がつらく遠のいている」

  • 「祖父母を誘いたいけれど、疲れないか心配」

  • 「一緒に行きたいけれど、家族の介助が必要で、お互いに満喫しづらい」

こんな思いや声はよく聞かれます。言葉に出さなくても、心の中で感じている方もいるはず。

WHILL社と北海道ボールパークFビレッジの思いは一致しました。

障害の有無や年齢などに関係なく、すべての人が存分に楽しめるインクルーシブな環境かつ、これまでになかった新たなスポーツ・エンターテイメント体験の場づくりを実現するため、WHILLを活用した、プレミアムな観戦体験と周辺エリアにおける移動サービスを提供しています。

国内球場初のWHILL導入を至らしめた、WHILL社の日本事業部 責任者が抱え続けた違和感

実は、本導入に至る最初のきっかけには、あるエピソードがあります。

そのストーリーについてWHILL社 日本事業部 責任者である池田から直接話していただきました。

車椅子を利用する場合、車椅子専用席に案内され、ご家族やご同行者は折りたためるパイプ椅子などに座って観戦することが多いです。

日頃から車椅子を使っている方もそうですが、行った先のスタジアムで手動車椅子を借りる方も、同じようにご家族や同行者は車椅子シートにあるパイプ椅子などに座ります。

他の人と同じように、チケットを買って非日常の空間を楽しみに野球を見に来ているのに、スタジアムでの非日常感がないと常々感じていました。車椅子ユーザーの家族や同行者が、パイプ椅子に座って観戦することが「ふつう」で、誰も違和感を抱かないのがおかしいなとずっと抱えていたんです。

「スタジアムの座席シートを固定する、優遇されるべき」という議論や指摘をしたいのではなく、
伝えたいことは
同じようにチケットを買って、みんなと一緒に「同じように非日常な場で野球を見たい!」という自然な気持ちをちゃんと叶えられる仕組みや文化を形成したい、ということ。

「こうだからこう」「こういうものだから仕方がない」「ふつうのこと」という既存の枠組みや意識、思考に限られ、諦めたり受け入れたり我慢したりするのではなく、みんなが心地よく、楽しく過ごせるような「文化や仕組み、当たり前」にアップデートしていきたいと、池田は考えていたのです。

この思いに、北海道ボールパークFビレッジが共感してくれ、スタジアム内外でのWHILLモビリティサービスが誕生しました。

試合日にModel C2で観戦する場合はチケットオフィスで受け取ります。非試合日はインフォメーションで借りるので、場所が異なります。

数字で見るWHILLモビリティサービス

北海道ボールパークFビレッジでは、WHILL貸出時に同意書を記入いただいているのですが、任意でアンケートも行っています。

たくさんのアンケートが集まり、集計結果を一部公開いたします!アンケート未回答も多くあるので、全ての貸出実績ではないこと、ご理解ください。

まず年齢別で見ると、どの年代もいらっしゃいますが、やはり利用者のボリュームゾーンは中高年層。50代以上が75%を占め、シニア世代と言われる60歳以上に限っても4割以上に達しています。

歩きづらさや何らかの疲れ・体力を気にしてしまう層に、WHILLのニーズが特に高いことがうかがえますね。もちろん、便利な移動手段としてお若い方にも使っていただいています🤗

WHILLを使った理由・動機については、歩行や体力、移動に何らかの億劫さや疲れ、心配を抱えていることが上位にきました。

広いコンコース内をぐるりと歩くだけでヘトヘトになりますが、スタジアム内にはフードやお土産屋さん、レストランなどが階層ごとに点在しており、せっかく来たのだから回りたい!という気持ちが勝るもの。

WHILLを借りて、上記のような心配を抱えずに最後まで楽しみ尽くすことができそうです。

とはいえ、全く歩けない方は少なく、WHILLを借りる方の83.5%が歩行能力がある方。

歩ける距離にグラデーションはあるものの、WHILLをいち移動ツールとして自然と使ってくださっています。

家族3世代で借りる方も多く、同じペースで好きなところへ気兼ねなく出向くことができるのが嬉しいとおっしゃいます。

素敵なご家族、ご利用いただいています

定性的なコメントも多く寄せられました。

圧倒的に多かったのが貸出場所の増設を求める声。現在Model C2、Model Sと1箇所ずつで機体の引き渡しと返却を行っていますが、入ってくるゲートが異なると真反対に来てしまう場合もあります・・・。

そうすると、一緒に来ているご祖父母様や杖をついて歩いているご家族、長距離を歩くのはしんどい方などにとっては特にしんどいもの。

WHILLの増車とともに、貸出場所の増設を求める声が多く聞かれています。北海道ボールパークFビレッジとしてもWHILL社としても、お客様のニーズや要望に応えられるよう引き続き連携していかなければなりませんね!

北海道ボールパークFビレッジ「WHILLの利用満足度も高く、施設の付加価値にもつながっている」

1年を振り返りましょう、と北海道ボールパークFビレッジの方と久しぶりに対面でお話する機会がありました。

オンラインや文字ベースでやり取りすることはもちろんありますが、北海道と東京の距離です。頻繁にお会いすることはやや難しいのが現実です…。

今回は対面での貴重な機会だったので、実際のお客さまの利用の様子やWHILLモビリティサービスに対する印象、効果などお伺いしました。

WHILLは、日々本当に多くの方にご利用いただきました。特にModel C2は想定以上の利用があり、導入から3ヶ月後には増車もしましたが、それでもまだ必要な印象があります。

北海道ボールパークFビレッジ側によると、試合日にWHILLは借りられるのですが、実は非試合日の全体の来場者数が想定より多く、WHILLも非試合日の方が長時間借りられる傾向にあったそうです。冬は寒さもあり、全体的な客足も含め心配していましたとのことでしたが、さほど変動なく借りられているとのことでした。

インフォメーションから来年も継続してほしいと要望を受けていますし、既に現時点でもありがたいことに、「来年もあるよね」というお客様からのお問い合わせも入っています。

また、「駅から施設までの足としてもご要望を頂いている」というコメントもいただきました。北広島駅から北海道ボールパークFビレッジまでは、シャトルバスを使うか、緩やかな坂もある25分を歩くか、タクシーか、が選択肢になりますが、試合日は特にバスもタクシーもつかまりにくいです。

25分程度の距離はWHILLとも相性がよさそうですね。

実際に訪れた方々のレビュー記事、集めました。

北海道ボールパークFビレッジには実にたくさんの方々が訪れますが、広いスタジアム内のコンコースや、スタジアムの屋外エリアをWHILLで移動できるサービスを実際に使ってくださって、その使い勝手や感想、快適に過ごせた!といった内容を可視化してくださっている記事をご紹介します!

・note記事での紹介

借りる方法から貸出場所、感想に至るまでとても詳細にまとめていただいています。

・十勝毎日新聞への寄稿

※十勝毎日新聞の掲載コラム。掲載許可はいただいています。

乗った感動や、北海道ボールパークFビレッジでの過ごし方などをわかりやすく執筆いただいています。

・Xでの投稿

国内球場では初の取り組み!と伝えてくださっています。。写真も動画もたくさんでわかりやすいです^^

日常だけでなく、行った先でも使えるWHILLモビリティサービス

WHILLは日常の移動手段として多くのお客様にご愛用いただいているほか、全国の観光施設や商業施設、公園などで一時的に借りられる、法人施設向け事業「WHILLモビリティサービス」があります。

家族と同じペースで楽しめます

「すべてのお出かけ先に、WHILL あらゆる人を迎えるための移動サービス」として、高齢化・多様化が進む社会におけるニーズの高まりから実装が広がっています。将来的には”当たり前に”整備されているものとして、WHILL社としても力を入れています。

現在、本記事の北海道ボールパークFビレッジだけでなく、ハウステンボスふかや花園プレミアム・アウトレット、日本科学未来館、アドベンチャーワールドなど全国の大型施設を中心に20ヶ所以上で導入されており、普段は車椅子を使わないけれど、長距離・長時間となるとつらいシニア世代などにご利用いただいています。

WHILLモビリティサービスが導入されている場所で、そのひとときを満喫しているご家族の動画もぜひご覧ください。

WHILLモビリティサービス導入施設一覧(2023年12月1日現在)

今後も随時増えていきます!※予告なく変更となる可能性がございます。

北海道・・・北海道ボールパーク F ビレッジ(Model C2、Model S)
茨城県・・・笠間市観光協会(Model C2)
茨城県・・・いばらきフラワーパーク(Model S)
栃木県・・・那須ハイランドパーク(Model C2、Model S)
栃木県・・・那須高原 りんどう湖ファミリー牧場(Model S)
埼玉県・・・ふかや花園プレミアム・アウトレット(Model F)
千葉県・・・流山おおたかの森S・C(Model C2)
東京都・・・日本科学未来館(Model C2)
東京都・・・東京ドームシティ(Model C2)
東京都・・・麻布台ヒルズ(Model C2)
東京都・・・寺田倉庫 *不定期(Model C2)
長野県・・・東急ハーヴェストクラブ 軽井沢(Model C2)
静岡県・・・日本平動物園(Model C2)
三重県・・・志摩スペイン村(Model C2)
奈良県・・・平城宮跡歴史公園(Model F)
和歌山県・・・アドベンチャーワールド(Model C2)
広島県・・・国営備北丘陵公園(Model S) *2024年6月まで
広島県・・・三次市交通観光センター(Model S) *2024年5月まで
長崎県・・・ハウステンボス(Model C2)
長崎県・・・雲仙温泉街(Model C2)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?