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12地域に分散して働くWherebyチームの、有事に負けないタフな組織のつくり方

ノルウェーを本拠地とし、オンライン会議サービスを提供するWhereby(ウェアバイ)は、自分たちのチームも「リモートワーク」で働くことを極めている組織です。

現在チームは20名以上となり、12地域にメンバーが分散しています。都会に住むメンバーもいれば、田舎で家族と一緒に暮らしながらチームに参画しているメンバーも。もともと、「Whereby」というオンライン会議サービスを生み出したのは、リモートで働く自分たちの課題感からでもありました。

避けられない事態が発生し、オフィスへ出勤することができなくなった際に、組織はどうすれば機能し続けることができるのでしょうか?

柔軟にフレキシブルに働くことを長年にわたり追求してきたWherebyチームが、有事に負けないタフな組織のつくり方を語りました。


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2019年は、旅行や通勤に関していうと、かなりチャレンジングな年でした。

2019年1月には、極渦がシカゴエリアを凍結し、数千ものフライトがキャンセルに。3月には、エチオピア航空の飛行機墜落によって、数百ものボーイング787が飛べなくなりました。6月にはオーストラリアで森林火災が発生し、何ヶ月もの間、猛威を振るいました。

2020年も、状況がよくなるとは思えません。早くも新型コロナウイルスが数百万人を隔離する脅威となっています。

残念ですが、これが今、企業や組織が立ち向かっていかなければならない世界です。私たちはもはやこれ以上、物理的に会って一緒に働くことに頼れる状況ではありません。

ここノルウェーは様々な天候に見舞われる地域のため、コミュニティが孤立することがたびたびあります。雪崩、洪水、道路凍結、強風。大雪の日には、車もバスも電車も止まります。

こういった機関の麻痺に備える意味でも、日頃からトレーニングをしておくことが大切です。

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─ タフで乗り越えがいのある、ノルウェーの天気 Photo: Dag-Inge Aas ─


「どこからでも働ける能力」を鍛えれば、全員が自宅で座った状態でも、チームはいつもどおり機能し続けます。12のロケーションに分散しているWherebyチームが、自分たちの経験から、リモートコラボレーションをうまくワークさせるためのTipsを紹介します!(素晴らしいソフトウェアも紹介します)


正しいツールを使おう

リモートワークをするには、それぞれに適したツールを使うことが必須です。

💬チャット
チームメンバーが常に連絡が取れる状態で、グループディスカッションやダイレクトチャットがいつでもできるように。
おすすめツール:SlackTwist

👩‍💻ビデオ会議
チーム内の状況アップデートや物事をクリアにするために、簡単にチーム全体を集められるようにしておきましょう。それを叶えるのが、ビデオ会議!メンバーがなんとなく集まれるようなオープンルームを終日セットしておくのもいいですね。
おすすめツール:もちろんWhereby

📑ドキュメント/メモ
オフィスがなくなると、ちょっとしたディスカッションや、お互いに会話しながら素早く実行していくことができなくなります。情報をドキュメントに残して簡単にシェアできるようにしておくことが重要になります。
おすすめツール:NotionAtlassian ConfluenceBasecamp

✅タスク管理
「作業を視覚化すること」は、リモートで共同作業を行う上で最も重要とも言えます。誰が何をすべきかをはっきりさせて、進捗を追いかけることで、全員がやるべきことがわかっている状態をつくりましょう。
おすすめツール:TrelloAsanamonday.comBasecamp

過剰なくらいコミュニケーション!

これはもう、強調してもしきれないくらい重要なポイント!

情報が人と人との間を流れ、全員が今何が起こっているかを把握することは、同じ部屋に座っていなければできないのです。あなたがリーダーなら、もはやこれは当たり前のことではないと捉え、相手が何の情報を必要としているかを常に考えましょう(有事の際には、通常時よりも多くの情報が必要になるかもしれません)。

全社ミーティングをオンラインで設定したり、会議を録音・録画して参加できなかった人のためにチャットで共有したり、情報の要約としてスライド資料をシェアしたり。コミュニケーションの時間をしっかり確保します。

デイリー&ウィークリーのリズムをつくる

私たちWherebyチームには、毎日の始業&終業を報告するルーティンがあります。各チームメンバーは、朝に作業を開始するとき、このようにチャットで「チェックイン」します。

Good morning! /おはよう!
Location: home office/coffee shop/on the road (where they will be working that day)/今日の仕事場:自宅/カフェ/道端 - その日に仕事をする場所
Working on: (short summary of what they hope to get done that day) /業務内容:その日に行うことを簡潔に

実際のチャット画面は、こんな感じ。

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常にチームを同期状態にしておくために、昨日やったこと、今日の作業内容、どんな助けが必要かなどを全員が共有できるデイリー会議をセットするのはおすすめです。週の始めには少し長めのミーティングをしたり、週の終わりにラップアップミーティングをするのもいいかもしれませんね。

相手を信じる

相手が働いている姿を見ることができないので、彼らがきちんと仕事をしていると「信じる」必要があります。

ほとんどの人は良い仕事をしたいと思っているはずです。「自分の仕事を自由にコントロールしていいよ」と言われたときに人はどうなるのか、驚くべき結果になるかもしれません。

性格や特性が異なれば、生産的になれる環境も人それぞれ。人をオフィスの外に連れ出してみることは、思わぬ結果につながります!

集中して「ディープワーク」ができるようになると、クリエイティビティは開花して、アウトプットが目に見えて増えていきます。

期待値と成果物をクリアにする

人を信頼する=説明責任がないということではないので注意です。

それどころか、離れて仕事をするときには、責任をクリアにしてお互いに説明責任をもつことが、より重要になります。どれだけ働いたか?ではなく、アウトカムや結果にフォーカスし、期待値をはっきりさせます。

あいまいさを容認しない

何かわからないことがあるとき、オフィスでコーヒーを飲みながら同僚に意見を聞ければ、楽ですよね。家で一人で座ったまま、勝手に物事が解決してくれるまで待つのは簡単かもしれません。

しかし、それではコストがかかったり、意思決定を遅くしたり、アクションに時間がかかったりしてしまいます。ハイスピードを維持したければ、無理にでもチームに接して、あいまいさをすぐに解決すべきです(これが、敷居の低いビデオツールが必要な理由です!)。

情報を構造化して、シンプルなプロセスをつくる

リモートで作業する場合、すべてのチームメンバーが必要な情報にアクセスできることで、生産性が高まります。

一般的なハウツープロセスは、誰もがアクセスできる場所に書き留めておきましょう。見つけやすいように情報を構造化し、すべての人が適切なところに情報を追加できる状態をつくります。

意思決定のための最善のプロセスを定義し、その意思決定を知る必要がある人には伝達します。

ツール連携をして、完了した作業を視覚化する

最近のコラボレーションツールは、非常にうまく連携し、サービス間で情報を共有できます。

例えばSlackには、外部サービスからチャンネルに情報をアップデートできるアプリがたくさんあります。 Trelloでタスク管理をしているなら、特定のボードから特定のチャネルに通知させるように設定して、ボードのアクティビティをSlack上で確認できます。

スモールスタートで実験していく

紹介したこれらのことが、気が遠くなるほど大変そうに思えても、心配しないでください。初日からすべてを行う必要はありません。これから進んでいく道のりに、どんなハードルや問題が生じるのか、ほんの少し知識を持っているだけでも助けになります。

もしあなたのチームが通常、同じ場所に集まっているなら、週に1日だけ「out of office day(オフィス外で働く日)」を作ってみるのもおすすめです。さまざまなツールを遊ぶように試し、チームの反応を見てみましょう。オフィスで一緒にいたとしても、何か新しい発見があるかもしれません!

WRITTEN BY
Ingrid Ødegaard
Co-founder & CPTO Whereby, passionate about flexible working, product mgmt, entrepreneurship, skiing, kitesurfing and gardening

原文:Making organizations more resilient


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