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好きってわかんないなって話

恋愛で成功している友達には、「恋は直感でしろ」なんて言われるけれど、どうしても脳で考えてしまうのが私の癖だ。そんな私が最近考えることについて述べていこうと思う。

最近少し気になる人がいた。接するうちに、優しいなと思って気になっていた。でもある日ふと思った。これは「この人いいな」と思った過去が先入観のようにへばりついているから好きなだけなんじゃないかと。今は会うだけで意識してしまったり知らないうちに視線が向いてしまったりするけれど、これは「なんか気になるな」の積み重なりがあってこそではないかと。

つまり、好きの気持ちを毎回リセットして、“ただの知り合い”状態に戻したら、もしかしたら好きとは思わないかも知れない。好きになり始めるきっかけとなる出来事があって、それが記憶の中に前提としてとどまっているから、意識をしてその人の良いところを知ることができているわけで、もし“好き”をリセットしたらその人のことを知ろうともしないかも知れない。たった一回限りの“きゅん“に固執しているだけなのではないか?

こんなことを言っているが、私はその人に何かを助けられたとかいう、好きになったきっかけがはっきり思い出せるわけではない。いつの間にか好きになっていたのだ。だから何に固執しているの?と聞かれると自分でも答えられない。「ああ、優しいな」と思う出来事が何度もあって、それで好きになったのだ。しかし、そうならば、最初に「優しいな」と感じた過去が必ずあるはずであり、その過去がなければ今の“好き”の気持ちもなかったのだ。だからここに“気持ちリセットボタン”があって、その人に会うたびに押していたら、喋りすらしようとしなかったのかも知れない。じゃあ、今のこの好きという気持ちはもしかしたら“好き”じゃないかも知れない。そう思ってしまってからは恋がなにか分からず、好きかもと思ってもなかなか一歩が踏み出せずにいる。私の中で「好き=好きじゃない」という一見矛盾した関係式が確立してしまったのだ。

そんなわけで、さらに直感で恋ができなくなった(笑)
いつか、毎回リセットしても毎回好きになってしまうような素敵な人に出会えたらいいなと思っている。



と、ここで文章を締めようと思ったのだが、実は今私は少し嘘をついた。私は「好き=好きじゃない」と述べたが、厳密には、「好き≒好きじゃない」だ。例外がいる。それが、私の頭からいつまでも消えてくれないひとだ。彼のことは一度諦め、会う機会や喋る機会を減らしたりして本当にただの友達だと思えるぐらいまでリセットすることができた。実際久しぶりに会う時も、会った瞬間は本当に彼を映画のエキストラのように認識していた。しかし、その日の帰り道にはもう彼が映画のヒーローに変わってしまうほど、リセットしてもまた好きが溢れてしまっていた。でも(情けないことだが)この恋はおそらく叶わない。諦めたらそこで試合終了、だが、こればっかりは何となくわかってしまうのだ。だから、これから私は、本当の恋はできず、偽の恋をしていくしかないのか。そう思うと少し、いや、かなり虚しい気持ちになる。別に失恋したわけじゃないのに最近失恋ソングを聞き漁ってしまうのはこの所為なのかもしれない(笑)

彼じゃない人に、また本当の恋ができて、その人が私を好きになってくれる、なんていう夢みたいな物語があったらいいのにな。





本当は。本当は、本音を言ってしまえば、恋をするのはあなたじゃなきゃ嫌だから、振り向いてくれたらいいのにって思ってるんだけどね。なんていう私のわがまま、ここでだけ吐かせて。

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