独立してお店を始めることにしました。
1年以内に、自分のお店を開くことにしました。
このマガジンでは、物件探しから開業までの道のりをリアルタイムに記録していきたいと思います。
32歳で独立に踏み切った経緯
きっかけはBar Bossaの林さんに相談にいったことです。
林さんは、渋谷で22年もバーを続けていて、業界内でも名の知れた方です。(お店のことだけでなく、恋愛やお金のことも書いているnoteの記事も面白いです。)
先日、林さんに、Bar Bossaの昼の時間をお貸りして「間借りランチ」をやらせてもらえないかとお願いに行きました。
間借りランチというのは、自分で店舗を構えずに、バーなどの空き時間をお借りして営業する業態のことです。
ぼくは大学卒業後、さまざまな飲食店で雇われ料理人としてこれまで働いてきましたが(いまは「ロンヴァクアン」という下北沢のお店で料理長をしています)、いつかは独立して自分の店を開きたいと思ってきました。
でも、いきなり独立するのはハードルが高いので、ひとつ前のステップとして、「間借りランチ」をしてみようと考えたのです。
親身になってぼくの話を聞いてくれた林さんの答えは、ここはランチの需要はあるからある程度成功するだろうけれど、Bar Bossaでの間借りランチの成功と、独立での成功は別物だからそれほどオススメできないかも、というものでした。そして、間借りランチよりは、ケータリングか、もしくは店を開いてしまったほうが良いのでは、とアドバイスをくれました。店を開くなら早いほうがいい、とも。
林さんのその言葉で、ぼくは今すぐ独立の準備をして、1年以内に店を開くことに決めたのです。
なぜ独立したいのか
「料理人ってみんな、独立するのが夢なの?」と聞かれることがたまにあるのですが、そうではありません。雇われ料理人のほうが安定して良いという人もいます。雇われ料理人と独立はどう違うのか、それぞれメリット・デメリットをまとめます。
1.サラリーマン(雇われ料理人)
<メリット>
・安定した収入、労働環境
なにより収入や労働環境が安定しています。店が赤字に陥ったとしてもすぐさま給料が途絶えることは基本的にありません。成長している企業であれば毎年給料が上がるし、賞与がでます。
また労働環境においても、ここ5年で一気に業界全体の意識が変わってきていて、週2日の休みや短時間労働も珍しくはなくなりつつあります。
・一人ではできない規模の仕事ができる
企業に属していれば、ぼく個人では不可能な規模の仕事に携わることができます。たとえば今ぼくが所属している下北沢ケージ・ロンヴァクアンはその良い例で、スペースシャワーネットワークさんの「GOOD VIBES NEIGHBORS」やエスビー食品さんの「シーズニングマジック!下北沢ワールドグルメフェス」などの大きなイベントに関われることは得難い経験です。
<デメリット>
・現場スタッフだと収入が低い
サラリーマンは収入が安定している一方、いくらお店に利益をもたらしても自分の給与にすぐ反映されるわけではありません。雇われシェフの年収は350万~500万くらいです。大きなホテルのシェフだと1000万程度いくのかもしれませんが、このくらいになると「現場」というよりは「マネージメント」が仕事です。
飲食業で収入を600万以上にするには、会社の幹部になるか独立するしかないのが現状です。
・選択の幅が狭い
企業に属している以上、「選択肢」はどうしても限られます。
誰と働くのか、どこで働くのか、どういった料理を出すのか。。。
大きなお店を運営するには自分一人ではどうにもならないので、ある程度「誰がやってもクオリティが変わらない」ということが最優先で求められます。そういった意味で、「選択」の幅はおのずと限られてきます。
2.独立(店を出す)
<メリット>
・収入が大きく上がる(可能性がある)
独立する人の最大動機はこれです!
やっぱり、儲かったら儲かった分だけ自分に欲しいのが人の性。収入は業態や規模により大きく変わりますが、1店舗で年収800万程度は不可能な数字ではありません。
また、サラリーマンの時と違い、勉強にかかる費用を経費で計上できるのもひとつのメリットです。
・自分の空間を作れる、持てる
店を持つということは自分の空間を持つということです。
その空間をどのように使うかは自分次第。
どのような人を集めるかも自分次第です。
自分の作った空間で、自分のサービスが人に喜んでもらえたらこれ以上ない幸せだと思います。
<デメリット>
・不安定な収入
東京の飲食店で10年残るお店は10%(!)と言われています。
完全に供給過多、レッドオーシャンです。
特に個人店の場合、経済的体力もないので半年赤字が続くとかなり厳しい状況です。
・開業資金が必要
都内で10坪程度のお店を一から作るとしたら、だいたい800万円程度必要です。
・売上がないと休めない
東京は家賃が高いので、定休日の売上機会のロスは経営にダメージを与えます。「休んでいる間も家賃が発生している」と考えると、まとまった休みをとるのは勇気がいります。
このように、雇われ料理人と独立ではそれぞれメリット・デメリットがあるわけですが、冒頭にも書いたとおり、ぼくは独立することにしました。独立したい理由はずばり「自分でどれくらい稼げるのか知りたい」からです。
次回記事では、具体的にぼくがどのような店をつくりたいと思っているのかを書こうと思います。
読んでいただきありがとうございます!店で食べたい料理のリクエストもぜひ! 渋谷 Niru で会えるのを楽しみにしてます〜!^^