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ありがとう、広島ビッグアーチ

【ALB Link Vol.92 -2023.2.26 広島vs新潟-】
Jリーグが開幕して30年となる2023年。サンフレッチェ広島のホームスタジアムとして長年使用されてきたエディオンスタジアム広島は、来年新スタジアムが完成することにともないホーム最後の年を迎えます。


私は広島県出身ではないのですが、年に数回のペースでずっと広島ビッグアーチに行っていました。初めて訪れたのは1994年の開幕戦だった名古屋グランパス戦。

どの新聞だったか忘れたのですが「Jリーグ2年目にして閑古鳥」といった記事が出て、広島ビッグアーチの開幕戦は確かに空席も目立つ試合になりました。しかしその1994年1stステージで広島が優勝するのですから、実力と観客動員が結びつかない難しさを感じますね。

90年代に何度か通ったビッグアーチ。マッチデープログラムも古いものを持っているはず(捨てた記憶がない)なのですが、おそらく実家にありそうです。とりあえず手元にあった一番古いチケットがこれでした。


その後サンフレッチェ広島はJ1から降格し、2003年にアルビレックス新潟と対戦します。

広島ビッグアーチでの初対戦は2003年6月。



チケットをよく見ていただくと招待券ですよね。普通招待券はホーム側しか入れないのになぜ…?

実はこの試合ではアウェイのエリアが明確に区別されておらず、ホーム側と同じチケットで入場できました。(ちなみに広島のファンクラブに入っていて招待券を使いました)

そのため最初新潟サポーターはバックスタンドのアウェイ寄りに大挙集まっていました。

そこに広島サポーターが抗議に訪れ、結果としては少しゴール裏に移動して応援した記憶があります。


J2で2度目のビッグアーチは昇格争いの大事な試合となった2003年9月。この試合で広島サポーターの方には失礼ですが、初めて広島で圧倒的なアウェイの雰囲気を感じました。

広島のサポーター向け雑誌「紫熊倶楽部」にも記事が載ったと思うのですが、この試合にはとにかく多くの人に集まってもらおうとクラブが努力したようです。結果新潟は0-1で敗戦。このシーズン広島が先にJ1昇格を決め、新潟は最終節で広島と一緒にJ1昇格を決めることができました。


その後新潟も10数年J1で戦うことができたので、ビッグアーチで何度も広島と対戦したわけですが、まあ勝てた記憶がほとんどないですね笑。菊地直哉選手のゴールで勝った試合くらいしか思い出せないです。

逆に負けた試合で一番強烈に覚えているのは2005年に0-5で負けた試合です。雨の降りしきる中、本当に完敗でした。ただこの次に行われたホームの試合で「伝説の代打リマ」が生まれるのですから、サッカーは面白いものですね。

広島ビッグアーチで行われた新潟戦のマッチデープログラムもいくつか取ってありますが、やはり千葉選手の表紙が何度かありますね。いよいよ千葉子が広島に凱旋しますよ!

あとは森保監督。広島の監督になる前に新潟のコーチをしてらっしゃったkとをご存じでしょうか?それもあってカタールワールドカップは新潟ファミリーの一員として森保ジャパンを応援していました。


このように新潟戦でも多くの思い出があった広島ビッグアーチ。実は自分にとって一番忘れられず、なおかつ広島への思いが深くなった試合は、2007年12月8日に行われた京都サンガF.C.とのJ1・J2入れ替え戦です。



この試合第1戦のアウェイで1-2と敗れた広島は、ホームでの第2戦で1-0の勝利でおそらくレギュレーションにより残留だったはずです。チケットを見ていただいても分かるように全席1,000円という破格の設定で、多くのサポーターの集結により残留を目指しました。

この時自分はメインスタンドで観戦していたのですが、自分の周囲では「なんとなく残留できるだろう」という緩やかな雰囲気を感じていたのが非常に強く記憶にあります。いつか得点できるだろうと。もちろんゴール裏中心部などはそれ以前に一度降格を経験しており必死だったとは思うのですが。

結果ゴールは割れず、最後のシュートもポストにはじかれ0-0で終了。

降格が決まった瞬間、広島サポーターではない自分もなぜかは分からないのですがとてもショックを受けてしばらく呆然としてその場を動くことができませんでした。

自分の場所からは見えませんでしたが、佐藤寿人選手が「一緒にJ1へ戻ろう!」とサポーターに呼びかける映像も見ました。そこから翌年に独走して1年でJ2優勝してのJ1復帰。魅力的な広島のサッカーに惹かれた時期でもありました。


そして2012年、2013年、2015年と広島はJ1リーグを制覇。

最初の優勝は、残留争いがけっぷちの新潟が2位の仙台に勝ち、そのおかげで広島がビッグアーチで初優勝。さらに最終節では広島が神戸に勝ったおかげで新潟が奇跡の残留。

翌年は首位だった横浜に新潟が勝ち、その流れを受けて広島が最終節で逆転優勝と、不思議な縁があったことも忘れられません。


新潟が6年ぶりにJ1で戦えたことで、最後のビッグアーチでの戦いに間に合いました。クラブとしてはネーミングライツの関係もあって「ありがとう、エディオンスタジアム広島」というプロモーションを行っていますが、あえて1サポーターとして長年の思いを伝えさせてください。

ありがとう、広島ビッグアーチ。本当におつかれさまでした。

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