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山奥に10人が共同生活。どう集まったか。

住み開きの古民家「ギルドハウス十日町」は、2015年5月1日にオープンしてから、もうすぐ1周年を迎えようとしています。そのあいだ、延べ17人が住みました。

東京ならまだしも、たった7件しかない山奥の小さな集落に、1年も経たずしてこれだけの人が住むのは全国的にもなかなか類を見ないことだと思います。

いまのところ3人が巣立つけれど、それでもまだ住人は7名いて、さらに3件ほど見学の問い合わせが来ています。1周年記念パーティーを開催する今年5月1日には、なんだかんだ10人前後に落ちつきそうです。

そんなギルドハウス十日町の仲間たちが、どう集まったのか。その経緯をまとめてみました。

まず人数の推移ですが、オープン前の2015年4月中旬にはすでに3人がいました。それが1週間で5人となり、1ヶ月後に6人、4ヶ月目に7人、半年後には10人に達しました。

滞在期間については、オープンからずっと住んでいるのは3人で、その次に長いのは7〜8ヶ月でしょうか。もうすぐで5ヶ月だったり、2ヶ月という人もいます。

そもそも住人以外に延べ2,700人が出入りするほど敷居が低いですし、「なんだかおもしろそうだし住んでみようか」と、とにかく試住しやすいんだと思います。

そうした住み始めの気持ちとは裏腹に、想定外のことをいくつも体験することで得たきっかけやつながりから新たな拠点に移ったり、取り組みを広げたりしています。まだ1年も満たないなかで、本当にたくさんの物語が紡(つむ)がれています。

自分の入居者募集の方法について。多くの人から聞かれますけど、はじめの仕掛けはとてもシンプルなものでした。

具体的には、オープンの1ヶ月ほど前から、「Colish(コリッシュ)」というコンセプト型シェアハウスの情報サイトで入居者募集ページを公開していました。加えて、リアルタイムの様子をTwitterで発信することで補完していたんです。

基本的には以上です。とてもシンプルでしょう?

果たしてそれだけで人が集まるのか。たとえばオープン当時、早くもそれに反応した人がいたんです。しかも物件を見ずにサイトの情報だけで入居を決めたそうです。

ほかに理由があるとすれば、過去の記事『山奥になぜ人が集うのか。3つの条件。』にまとめてあるとおりです。

いつまでここにいて、どこへ行こうが、いっしょに住んだ仲間たちを自分は家族のように応援していきたいです。血縁はないけれど、実際に住んだ期間以上とも思える濃密で心地のよい関係性が生まれています。

これからいっしょに住むであろう、まだ見ぬ仲間たちが、果たしてどんな悩みや挑戦を抱えながらやってきて、ここでの体験を通してどう変わり、どのような物語へと展開するのか。

あまりお金のかからない生活をしながら何でもいいから試してみて、仲間を得ながら小さな失敗をたくさん経験できますから、住み始めとは大きく変わるはずです。そう言うとまるで、起業でいうところのスタートアップみたいですね。

自分が実践している《住み開きの隠居生活》は、まだまだ始まったばかりですけど、「まだ1年!?」という錯覚を覚えるほど。これからもゆるやかながらも刺激の多い日常のなかで様々な試みを行い、小さな失敗を繰り返しながらいくつかの成功を得られることでしょう。そうした住まいに身を置けることは、とても幸せなことかもしれません。

よかったらサポートをお願いします。もしくはギルドハウス十日町へ遊びにいらしていただければうれしいです。