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自然学校には、どんな仕事がある?

ホールアース自然学校は、「人と人」「人と自然」をつなぐ仕事をしています。と言っても、具体的にはどんな仕事?と思う方もいるでしょう。そこで今日は、どんな事業があるかをお伝えしたいと思います!




学校団体向けのプログラム

まず、ほぼ全てのスタッフが行うのが、いわゆる修学旅行などの学校団体向けのプログラムです(※主に富士山本校と沖縄校での事業となります)。富士山麓には、修学旅行で関東や関西など様々なところから学生たちが来てくれます。「こんなに近くで富士山を見たのは初めて!」という学生たちがほとんど。そんな彼らに、富士山麓の広大な森や洞窟、湧水が流れる滝や宝永火口など、ダイナミックな自然を全身で味わってもらいます。富士山麓で一番人気のプログラムは洞窟樹海探険。集合してから解散するまで約2~3時間の中で、森を歩き、ところどころ止まりながら樹海の成り立ちや生きもの話などをし、木々に触れたり、葉っぱの匂いを嗅いだり、五感を使いながらありのままの自然を楽しんでもらいます。森の中にある洞窟は、手すりや照明など何もない、自然のままの姿。体勢を低くし、ゆっくり進んでいった先にあるのは、非日常空間。小学生から高校生まで、多くの学生たちがドキドキしながら楽しんでくれています。


主催プログラム

私たちは、一般向けに様々な自然体験プログラムを企画しています。子どもから大人まで、対象に合わせて、四季折々の自然を楽しんでもらえるようなプログラムを実施しています。例えば、幼児とその保護者向けに実施しているのは「里山のようちえん」。食育をテーマにした1泊2日の宿泊型プログラムです。野草を採って天ぷらうどんを作ったり、ホールアース農場で採れた新鮮な野菜を使ってピザを作ったり、猟師と一緒に鹿のモモ肉を解体してジビエカレーを作ったり、里山の恵みを親子で楽しみながら感じる内容になっています。

幼児の次は小学生向けのプログラム。親子で参加できるプログラムもありますが、最近は子どものみで参加する宿泊型プログラムに力を入れています。親元を離れ、自然の中で、はじめましての人たちと過ごす時間。一番初めはホームシックになっていた子も、慣れてくると平気になって、どんどんたくましくなっていきます。テントを立てたり、火を起こしたりというキャンプの基礎から、宝永火口トレッキングや木こり体験や川遊びなど、様々なアクティビティに挑戦します。リピートしてくれる子も多いので、成長を見られるのも喜びのひとつです。

子ども向けのプログラムがあれば、大人向けのプログラムもあります。「Whole Earth Essence」では、湖でカヤックを漕いだり、マウンテンバイクに乗ったりと、時に子どものようにはしゃぎ、時に静かに自然の音に耳を澄ませたりしながら、自分の肩書きなど忘れて、自然に思う存分浸る宿泊型プログラムです。

他にも富士登山や鹿革クラフトのワークショップ等、主催事業はスタッフによって様々。これらのプログラムは、スタッフ自身が「やりたい!」と思ったことを形にしている事業です。従来のやり方にとらわれず、時代に合わせ、さまざまなコンテンツを企画していきます。自然にどんな価値を見出し、表現するかが腕の見せどころです。


企業研修

「人と人をつなぐ」という点で、私たちはチームビルディングを主とした企業研修も行っています。例えば、企業の新入社員向けの研修。入社したてでまだ関係性が築けていない段階では、「チームで何かを協力して達成するというプロセスを体験してほしい」「リーダシップについて考える契機にしたい」「配属先が決まる前に同期で交流を深める時間を作りたい」など、様々なご要望があります。私たちが得意とするのは、自然とコミュニケーションをとれるようになる雰囲気づくりや、学びがありながらも“楽しい”という要素を含めたプログラムの立案。研修の過程で、最初は緊張があった間柄でも、次第にリラックスし、打ち解けあい、互いの人となりを少しずつ知っていくようになります。舞台は富士山麓の自然の中で実施することもあれば、都心や鎌倉など、ご要望に合わせて出張して行う場合もあります。


人材育成

ガイドをしていると、「人前で、わかりやすく話す」というスキルが培われます。そのスキルをベースとして、行政より様々な研修事業のお仕事を受託しています。例えば一番多いのが、“自然の魅力をわかりやすく伝えられる人材の養成講座”の運営。「自然の魅力を伝える」=自然ガイドとは限りません。近年では、CSR・CSV活動として環境問題や生物多様性保全に取り組む企業の担当者も増え、参加者の属性や参加目的も多様化しています。「自然と人をつなぐ」ことは私たちのミッションではありますが、同時に「自然と人をつなげられる人を増やす」ことも私たちの大切なお仕事です。他にも、“狩猟のスキルを上げられるような座学と実践の研修”など、専門性のある研修の運営を行うこともあります。そういったときは、大学の先生や各分野の専門の方を講師にお呼びして、講義いただきます。受講生の方々と、専門の先生とのつなぎ役にもなるので、これもまた「人と人をつなぐ」お仕事のひとつとも言えます。


生物多様性保全

最後に、ここ2~3年で急速に活動の幅を広げている生物多様性保全への取り組みのご紹介です。世界では、生物多様性の急激な喪失を食い止めるため、企業や金融機関など様々なセクターが取り組みの可能性を検討しています。一方で、TNFDやOECMなどの保全関連ツールを自分たちの活動とどのように結び付け利活用していくかは各主体の課題であり、試行錯誤の段階にあります。私たちもこのような状況の中で、企業・行政・地域の方々などと連携しながら、ホールアース自然学校だからできる保全の可能性を探っています。例えば現在水面下で進めているのは、企業の社有林や工場緑地等の価値を生物多様性の文脈で再定義すべく、動植物調査・希少種評価・保全管理計画策定を行ったり、“市の施策の中に生物多様性保全の要素をどのように組み込んでいくか”の意見交換会や勉強会を行ったり、地域の希少種の保護のため、専門家の協力を得ながら保全策を検討したりしています。いずれも、様々なステークホルダーとの間に立ち、連携を進めていきつつも、現場で汗をかく実践者であることを忘れずに、進めていきたいと思っています。


さいごに

他にも、なかなかジャンルに振り分けられない事業がまだまだたくさんありますが、今回は主要な事業のご紹介をさせていただきました。実際に働いてみると、「こんなこともしているんだ!」といった驚きが結構あると思います。気になる方は、ぜひ、オープンデーに参加し直接スタッフに聞いてみてくださいね。

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