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【まとめ解説】3分でわかる健康経営|全体像とトレンドを押さえる

令和4年度の健康経営度調査票は、大規模法人部門は終了、中小規模法人部門もいよいよ今週までとなり、次年度に向けたふりかえりを行っていく段階となってきました。

今年の健康経営度調査の傾向としては、事業者と保険者が連携した健康管理の「コラボヘルス」がより明確に示されたことが、次年度の取組みの手がかりになりそうです。
先週のまとめ解説では、コラボヘルスの実現に不可欠な「データヘルス」を取り上げました。
今週は、本丸のコラボヘルスを取り上げる前に、改めて「健康経営」®そのものについて、しっかりと確認しておくことにしましょう。

「健康経営」は経営理念を実現するための戦略

健康経営は、「従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること」(経済産業省「健康経営」)だとされています。
経営者、従業員、投資家を通じた社会の「三方良し」を実現する経営というわけです。

健康経営がどのような背景からこうした理念をもつようになったのか、また現在の企業経営者に必須の視点とはどんなものかを、以下の記事で紹介しています。

健康経営の起源は、アメリカの健康投資「ヘルシー・カンパニー思想」からきています。日本では、ここ10年ほどの国家成長戦略に取り込まれ、重要な資本投資のひとつと考えられるようになってきました。

以下の記事では、健康経営の歴史的変遷を詳述しています。

投資の側面からみた健康経営の未来像「健康DX」

健康問題なのに厚生労働省でなく経済産業省が取組みを主導しているのにはわけがあります。従業員の健康管理を、生産性を上げるための労働力調整(人材管理)ととらえるか、企業価値を高めるための環境整備(資本投資)ととらえるかの違いとも言えるかもしれません。

健康管理を人的資本投資の側面からとらえる持続的(サスティナブル)経営の観点でみると、人事と健康保険の融合(コラボヘルス)が健康経営の取組みの要となり、データの有機的管理(データヘルス)が重要な取組みになってくることもうなずけます。

投資の側面から見たサスティナブル経営と、健康のデータ革命(DX)について、以下の記事で触れています。


人の行動に着目したカギは「ワーク・エンゲージメント」にあり

また、経営面では特に「人」の行動に着目した取組みが欠かせません。
このとき重要となるもので、今年度の健康経営度調査でも注目が集まった概念が「ワーク・エンゲージメント」(仕事への能動的な認知状態)です。

ワーク・エンゲージメントについての詳細な解説は、以下の記事で取り上げています。

そのほか、健康経営の実現の際に欠かせないキーワードを用語辞典風に解説した記事もありますので、参考にしてください。


健康経営の実践は「健康経営銘柄」に学ぼう

企業の具体的な健康経営の進め方として参考になるのが「健康経営銘柄」の取組みです。健康経営銘柄は、経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する、業種内で最高水準の評価を受けた企業が選ばれています。

健康経営銘柄2022の取組内容から、現在の取組みのトレンドをみていきましょう。特にコラボヘルスなど、特徴的な連携の取組を行っている13社を、以下の記事で紹介しています。


健康経営の「本気度」を確認する健康経営度調査

毎年担当者が頭を悩ませる「健康経営度調査」は、実のところ上記のような企業の経営方針の中に健康管理がどのような価値意識で取り入れられ、実現に向けて具体的な取組みとしているのかを問うものです。
つまり、企業経営を姿勢とその成果を毎年確認し、同じ業種内あるいは規模別に自社がどの程度の位置にあるかを偏差値でチェックしている企業戦略と投資結果の成績表というわけです。

以下の記事では、令和3年度を例に、健康経営度調査の概要と調査の流れに関する解説を行っています。


健康経営のカギを握る「コラボヘルス」と「データヘルス」

以上、簡単ですが健康経営についてのおさらいポイントを整理しました。
健康経営は、持続的経営と企業価値の向上という経営戦略から「人的資本の投資」として健康管理をとらえ、その不可欠な要素として、人事と健康保険が協力する「コラボヘルス」があり、コラボヘルスを効果的なものにするために「データヘルス」の取組みがあります。

社内の健康管理がどこまでこうした経営の観点から行えているかを、今年度の健康経営度調査が終了するこのタイミングでふりかえっておきましょう。

次週は、健康経営の要となる「コラボヘルス」について取り上げます。



※ 健康経営®は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。


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