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エンゲル係数は、エリアではなく至近スーパーで決まるんやで

   ハイパーインフレ必至のニッポン。できるだけ資産を貯めて、日々の生活費を抑えたいと思ふ。

物価には地域差があるので、「選べるならばどこに住むか」と漫然と考えたりもする。

かつて子供の教育について考えた時に、もし日本に帰国してインターナショナルスクールに通わせるのであれば、どこが最もコスパが良いのか調べたことがあった。

インター校の学費は高いのが常であるが、安めのところは施設や設備が劣る。そんな中で「学費も安く、かつインター校としての(私の考える)基準を満たす」ところは、沖縄の学校だった。桁違いに学費が安い。小規模校ながら施設は充実していた。

その際に、沖縄移住について本腰を入れて調べて分かったことは、「意外と物価が高い」ということ。田舎だからなんでも安いと思ったら大間違いであった。そして天候が荒れると停電になることもあるとか。

ネットと電源がないと仕事ができない私としては、無理ゲーであった。

北谷エリアの物件を本気で探して脳内でフワフワとリゾートライフを想像していたが、一気に熱が冷めてしまった。

ところが。

最近になって、「漫然としたエリアの物価」って、あんまり意味がないのではないかと思うに至ったのである。

不動産や教育費のすべてを含めた物価ランキングでは、もちろん東京がトップに来る。

オリジナル資料は、こちら。

エンゲル係数のベースとなる食料品に限定すると、最も物価が高いのが「沖縄県」で最も低いのが「長野県」である。

消費者物価地域差指数(PDF版)

私自身は、大阪にも東京にも住んだことがあるので分かるのだが、確かに東京の不動産はすこぶる高いのだが、生活に必要なものの物価は、意外と安いと感じていた。なぜならば「価格競争があるから」である。

東京には、一つのエリアに複数のスーパーマーケットや小規模店舗が乱立しており、特売の日にはとんでもない価格で野菜が販売されていることがある。

美容室などもそうである。カリスマ美容師さんのいる店舗では、どこまでも高く設定できるかもしれないが、そうではない美容室では、価格競争をしたり、プロモーションを乱発して、安い価格でヘアカットできるところがたくさんある。

が、田舎になると競争がないので、強気の価格設定でもお客さんはつく。

そうなると田舎の美容代は、東京よりも高くなるのだ。

生鮮食料品について考えてみる。

漫然としたエリアの物価以上にクリティカルなものは、「生活圏の中にあるスーパーや店舗の価格帯」であろう。

これは、関西にあるスーパーの階級別分類である。なかなかの力作である。

超絶富裕層の友人は、普段のお買い物のすべてを百貨店でまかなう(外商さんに車のキーを預けてお買い物)。だが、こういう人は人口のごくごく一部である。

私を含めて多くの庶民は、自分にとって最もアクセスの良い場所にあるスーパーマーケットで生鮮食料品を購入することになる。車がある人は、遠くのショッピングセンターに行くこともあるだろう。

つまり、自分の生活圏の中に「激安スーパー」があれば、エリアの物価に関係なく、エンゲル係数はグッと下がるのである。

私がよく利用する「TRIAL(トライアル)」というスーパーは、元々は福岡のIT企業なのだが、とにかく効率化・合理化を徹底していて、人件費を最小限にし、価格設定を低めに抑えることに成功している。

その合理化っぷりが感動を覚えるほどなので、思わず株を買ってしまったくらいである。

関東圏に住む子供も、「近所にOKストアがあるから色々と助かってる」と言っている。

つまり。

新築であれ、賃貸であれ、居を構える際に重視すべきは、「近所に激安スーパーがあるか否か」ということである。漫然とショッピングセンターがあるから問題ないというわけでもなくて、「日々の生鮮食料品が安定的に安く買える場所」があるか否かによって、その家庭のエンゲル係数は決まると言っても過言ではない。

我が家でも「TRIAL出店前」と「TRIAL出店後」では、ざっくりと出費が1割強くらい下がってしまった。食費だけではなく、雑貨や消耗品も、コストコよりもアマゾンよりも安いことに気づき、できるだけTRIALで調達するようにしている。

限界集落や、田舎の古民家をリノベして住むことは、不動産の購入費を抑えることには成功するかもしれないが、日々の生活にかかるコストは、都会のそれよりもはるかに高額になる。もちろん広い敷地で野菜を育てていれば、食費については安く抑えられるだろうが。

やはりおすすめしたいのは、地方都市の「格安スーパーのあるエリア」でっせ!


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