WELgeeがnoteをはじめる理由
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WELgeeがnoteをはじめる理由

「難民に救いの手を!」
「難民支援を手がけるNPO法人」

私たちはメディア関係者の方や、初めて会った方から、「難民支援団体」と呼ばれることが多々あります。 

確かに、私たちの団体名「ウェルジー」は「Welcome Refugee」(難民を歓迎しよう)の略称ですし、「難民」と呼ばれる人たちは、「支援される対象」というイメージが強いために、「難民と活動している団体 = 難民支援団体」と写ってしまうことは、仕方がないことだと 思います。   

ただ、私たちは「難民支援をしている」団体ではありません。そして、対象としている人たちも、厳密に言うと「難民」ではありません。

“じゃあ、あなたたちは何者なの??”

そう思う方も、多いかもしれません。

ウェルジーという組織のアイデンティティはどこにあるのか?この問いに対して、どう答えれば良いのか。正直に、私たち自身も迷ってきました。

 
大切なことは、「何者なのか?」という答えを、出来上がった綺麗な言葉で語るのではなく、私たちが何に怒り、何に笑い、何に喜び、何に悲しむのか?、そのありのままの「今」を伝えることではないのか?

 ありのままの「今」起こっていることを伝えるには、ホームページのようなフォーマルな情報発信の場ではなく、SNSのような流動性の高いプラットフォームではなくて、さまざまなストーリーを編み上げてゆけるようなメディアを自分たちで持つことが必要だと考えています。

だから、私たちは、私たちの目の前に起こる、ありのままの「今」を積み上げる媒体として、noteを選びました。

WELgeeは「難民支援団体」ではない。


今回の記事を通じて、はじめてWELgeeを知る方もいるかもしれないので、私たちが何者かをお話しさせてください。 

私たちは、「難民支援」をしている団体ではありません。

私たちは、日本に逃れてきた多国籍な人々とともに「自らの境遇にかかわらず、ともに未来を築ける社会」の実現を目指し、活動をする団体です。

私たちの理念は「WITH refugee」(難民とともに)。

彼らのことを保護すべき対象ではなく、新たな価値創造の担い手だと考えています。

例えば彼らは、私たちが知らない歴史や世界の姿を伝えてくれるメッセンジャーでもあります。独裁政権から逃れた難民が、民主主義の重要さを伝えたり、教育機会が狭き門の国で学んだ難民が教育の重要性を語ることで、私たちは世界と繋がることができます。

そして、私たちが活動の対象としているのは、当事者だけではなく、日本社会です。例えば、難民を「受け入れ国の負担」と考えるのではなく、彼が持つ経験や強みを元に、「人材」として企業で活躍する道を作ります。

実際に、アフリカ出身で、中国留学中に起業経験をした「難民」が、アフリカ進出のために優秀な現地人材確保を目指す上場企業に採用され、社員として活躍しています。(これまでに生まれた事例を、後に皆さんにもお伝えしてゆきます)

そのため、緊急シェルターや、難民認定申請の法的サポートなどの、当事者への包括的な支援は行なっておりません。 

私たちは、私たちが得意とすることと、生み出したい社会的なインパクトのために活動しています。 

「難民」とは、人のアイデンティティではない


私たちが活動する人たちはよく「難民」と呼ばれていますが、厳密に言うと「庇護申請者」の方々のことです。

 
まず、よく聞く「難民」と呼ばれる人は、以下のように定義されています。

人種、宗教、国籍もしくは特定の社会的集団の構成員であることまたは政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために、国籍国の外にいる者.... (難民の地位に関する1951年の条約)

平たく言うと、人種・宗教・国籍などの、生まれた境遇が原因で、迫害を受け、国から逃れざるを得なくなった状態にある人を差します。
 
一方で、国を逃れ、他国に渡り、「難民」としての地位と保護を求める人々は、難民申請者(Refugee Applicant)と呼ばれています。

難民としての地位を与えるのは、逃れた国の政府機関であり、難民申請者の中で、その政府機関に認められた人が「難民」となるのです。しかし、難民申請をしていなくても、母国へと帰ることのできない人々もいます。例えば「留学生」として日本へやってきたが、故郷が位置する場所の紛争が激化し、帰国不可能になったシリアの方などがその例です。彼らは、庇護申請者(庇護を求める人々)と呼ばれます...

WELgeeがともに活動している人は、「庇護申請者」と呼ばれる人たちです。

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先ほど私は、「ともに活動をしている人は、”庇護申請者”」と言うことを言いましたが、実を言うと、私たち自身あまりしっくりとしていません。

なぜなら、「難民」や「庇護申請者」という言葉は、人の置かれた「状態」を示しますが、人そのものの「個性」や「能力」を表すものではありません。

例えば、「難民」と呼ばれる人の中には、電気エンジニア、フォーク歌手、医者の卵、キックボクシングの先生、NGO職員、プログラマー、お母さん、起業家..「難民」とひとくくりにされる彼ら一人ひとりの職歴や能力、志は千差万別です。

「難民」や「庇護申請者」という言葉は、その人のアイデンティティを表すことができないのです。彼らの多くは、自身を難民だと表現することを恥じらいます。

「I’m not refugee, I’m Mark」
(僕は難民ではない、僕はマークだ。)
「I feel ashamed to be called “refugee”.」
(僕は難民だと言われることは恥だと思ってる。)

「難民」という言葉ではとてもひとまとめにはできない、一人ひとりとのエピソードや、生の声を伝えなければ、「難民」という言葉から、彼らのアイデンティティを取り戻すことができないと考えています。

答えの無い問いににもがき、あらがう姿を伝えたい。


「既存の難民保護のスキームを、より良い形にアップデートするにはどうしたらいいのか?」 

「どのように事例を作り、どのようにスキームの意思決定者を巻き込んで行けるのか?」

「それ以前に、持続的な組織運営に必要な基盤を、どう整えて行くのか?」

そんな答えの無い問いに対して、ぶつかり、怒り、迷う日々。活動を投げ出したくなる時だって、もちろんあります。

でも、そんな渦中にいながらも、魂を揺さぶられる瞬間や、突き動かされる瞬間に立ち遭うことがあります。

自分自身が逃れざるを得ない、矛盾に満ちた祖国の状況を変える、祖国の担い手たちが、「難民」と呼ばれる彼らなのだということを、感じる瞬間が、幾度となくもありました。

そんな私たちのありのままの「今」を、皆さんに伝えさせてください。これから皆さん、どうぞよろしくお願いします。


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紛争、弾圧、治安悪化などから母国を逃れざるを得ない難民の数は世界で7000万人。 祖国と未来を奪われた難民たちが、ここ日本にも。彼らの国が平和になったときに、祖国を再建する担い手として、第二の活躍を描ける未来をつくります。