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スローコミュニケーションの魅力

近年、コミュニケーションのスピードは加速しています。手紙からメールへ、メールからLINEへ。

一回あたりの発信での文字数も短文になっています。典型的なのが Twitterの140文字。この140文字でさえも長く、Instagram などの画像中心のSNSが流行したり、LINEでのスタンプを使った返信が一般的なものとなったりと、いかに短時間で閲覧できるか・発信できるか……が求められている印象があります。

インターネットの通信速度が向上し、リアルタイムのコミュニケーションが求められ、短時間でのレスポンス、いわゆる「即レス」が好まれるところがあります。

しかし、最近、私はそうしたコミュニケーションの加速に逆行して、スローなコミュニケーションを習慣に取り入れています。

具体例としては、note アプリを削除してブラウザから利用するようにしたり、SNSを利用するタイミングにルールを決めたりしています。

これらの習慣を取り入れた理由については、上記のリンクからそれぞれの記事をご覧ください。

いずれもスローなコミュニケーションを意識しています。
なかなか悪くないものです。今回の記事では、スローなコミュニケーションのメリットをまとめてみます。

自分の時間を持つことができる

note や SNS を利用できる環境を調整する、具体的にはアプリからの通知を遮断することで、利用したい時に利用するということができるようになりました。

通知にはそれなりのパワーがあります。
通知内容に関わらず、スマートフォンのロック画面に通知が表示されていると、意識の容量を圧迫される感覚があります。

さらに厄介なのが、通知内容を確認するためにアプリを起動すると、追加の行動を誘引されてしまうことです。
喩えるならば、昼食を買うためにコンビニに行ったのに、ついでにお菓子を衝動買いしてしまうような感覚です。

衝動買いの場合には意図せずお金を使ってしまうことになります。
そして、通知によってアプリを起動する場合には、意図せずに時間を使ってしまうことになります。

こうした衝動的な時間の使い方は、能動的ではないと感じます。

本当の意味での「自分の時間」の使い方とは、能動的な行動に時間を使うこと。
リアルタイムの通知を受け取らず、SNSを利用したいときに利用することで、自分なりの目的をもって時間を使うことができるようになりました。

例えば、通勤時間の過ごし方は SNS閲覧から読書に。
あらかじめ選んだ本を読む時間に充てることで、より目的意識をもった情報収集ができていると感じます。

ただし、note や SNS のタイムラインを閲覧するように、「自分で選ばない情報収集」も必要だと思っています。なぜなら、「自分で選ぶ情報収集」だけだと収集される情報に偏りが生じる恐れがあるからです。

「自分らしさ」を追求することには自分が暴走して過激化することの怖さもあります。

タイムライン上での偶然の出会いから、様々な情報や意見にふれることで、思想のバランスを取ることもできます。
うぇふ補足

じっくりと返信できる

関心が一致すると、私の返信は長くなります。

実は、note のコメントには文字数制限があるのですが、この制限を超えて「comment_too_long」というエラーが表示されることも少なくありません。

コメントの文字数が多すぎると、こんなエラーが表示されます。

読んだ記事や頂いたコメントに対して、伝えたいことを書こうとすると、どうしても長文になってしまいます。

そこで、頂いたコメントへのアンサー記事を新たに作成したり、記事と記事での往復書簡スタイルを採用してみたりと、様々な試行錯誤をしております。

「記事で返信」といかずとも、また、長文の返信とならずとも、じっくりと腰を据えて返信をしたいという気持ちがあります。

そうなると、スマートフォンでは限界があります。
ブラウザで SNS を利用するようにした結果、返信についても PC と向き合って書いていくスタイルになりました。

記事を書く場合と同様に、返信もキーボードを使った方が書きやすいです。
これによって、返信したいことを抜け漏れなく書けるようになった印象があります。

手紙のような思考のふれあいがある

この記事も PC を使って作成していますが、感覚としては「手紙」を書いているようなものです。

「手紙」はまさにスローなコミュニケーション。
送るのに1日以上、お返事するのにも1日以上掛かります。
LINEならば、場合によっては数分以内に完了する言葉のキャッチボールも、手紙では往復に最短2日以上掛かります。

しかし、こうした日単位のコミュニケーションにも魅力を感じます。

この項の見出しに採用した「思考のふれあい」という言葉は、尊敬するフォロワーさんであるキャットホース三世さんの記事から引用しております。
つまり、この記事はキャットホース三世さんへの「手紙」でもあります。

私とはまた違った解釈の元に記事が形成され、またその解釈が私を刺激する。

なんと有意義な意見交換でしょうか?
キャットホース三世さん

記事を通じてコミュニケーションをする「往復書簡スタイル」の魅力は、キャットホース三世さんのこの言葉にも繋がります。

同じテーマであっても、書き手によって解釈や展開の仕方は様々。
そして、異なる解釈にふれることで刺激を受けて、思考が発展していく。
本当に、有意義な意見交換です。

キャットホース三世さんは、「知的な記事」として私の記事を紹介してくださっていますが、私から見ればそのアンサー記事こそ「知的な記事」です。
一人では気づけなかった「解釈」に気づかせてくれる有意義な「思考のふれあい」です。

紹介して頂いた記事:

「文字」や「言葉」のやり取りはイメージや感性の交流でもある。
キャットホース三世さん

手紙のように、あるいは note の記事のように、ある程度まとまった文章を読み合うと、キャットホース三世さんが言う「イメージや感性の交流」が生じやすいです。

この記事も既に 2,400 文字を超えていますが、それなりの長さの文章を書いていくと、短文以上に「自分」が顕れてきやすいものです。

喩えるならば、誰かと長い時間を過ごすことで、その人のことが見えてくる感覚に近いでしょうか。

長文では、文字数に縛られずに「自分」を表現することもできますし、意図せずに「自分」が滲んでくることもあります。
言い換えるならば、「隠せない」「繕えない」ということです。

弱さ、葛藤、不安……普段の生活でオープンにしない部分も、感覚の鋭い方には読み抜かれてしまうことでしょう。
でも、それでも良いんです。それも含めて「自分」です。

より深くコミュニケーションができると思っています。

まだまだ書きたいことはあります。
(記事のタイトルからズレてくるので、詳しくは機会を改めますが……)

紹介して頂いた記事に関連して、また、キャットホース三世さんのアンサーを受けて、「心」に関するエピソードについては、もっと書くことがあるなと感じています。

私の心にも「闇」があります。
職場のストレスチェックで「高ストレス」の結果が出て、産業医面接を受けたこともあります。
このエピソードについても、今まで記事にしたことはなかったのですが、自分らしく自分軸を保って生きることを考えるうえでは、考察してみる意義がありそうです。

こうした気づきを得られたことも、また、「闇」をオープンにするきっかけと勇気を得られたことも、思考のふれあう交流があったからこそ。

その場で完結するファストコミュニケーションではなく、頂いた言葉を自分の中で解釈して言葉を編んでいくスローコミュニケーションのおかげではないかと思っています。


様々な「言葉のキャッチボール」を楽しめる

会話は「言葉のキャッチボール」と言われます。

「キャッチボール」という言葉を使うと、キャッチしたボールをすぐに投げ返すようなイメージもありますが、投げ返し方は様々です。

キャッチしたボールを家に持ち帰って、後日、自分なりにペインティングして投げ返すのも面白い。

場合によっては、キャッチした野球ボールをボウリング球に持ち替えて返すこともあるかもしれない。もはやボールじゃなくて、枕を投げているかもしれない……

想像したら面白い光景ですが、そういう面白さもあるんです。

返したいものを返します。じっくりと、思いを込めて。

「スローコミュニケーション」の「スロー」は、 “slow”(ゆっくり)とも “throw”(投げる)とも綴れるということを思いつきましたが、うまく取り入れられなかったので、ここに書いておきます。 キャッチボールだけに throw とも掛けられるかなと。なんちゃって。
うぇふ小咄

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