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闇に潜む巨獣、ネズミ

ヒェールを除く大地に棲む
森の影、沼地の深き闇、
河川のほとりに巣を構え
静かに、しかし確実に増え広がる。

その体長、一メートルを超え
その体重、七十キロに達する
大地を掘り、村の近くに
地中深く、巣を張る巨獣。

鼻が敏感、エサの匂いを嗅ぎつけ
人の住む町へと忍び寄る
衛兵の剣も、猟師の矢も
毎日毎夜の駆除に追われる。

戦闘力は弱くとも、侮るな
飛びかかるその巨体、鋭い歯
一度食い込めば、無事では済まぬ
噛まれれば病が身を蝕む。

雑食の獣、何でも食らう
植物、虫、ウサギの命
弱ったシカをも襲いかかり
死骸、残飯、生の証拠。

天敵多し、オオカミ、クマ
ネコ科の猛獣、空の猛禽
ゴブリンの鍋に、ネズミの肉
オークや獣人、人間の舌にも。

暗き巣穴に隠れ棲み
闇夜に蠢くその影は
人の住む町へと忍び寄り
恐怖を撒き散らす巨獣、ネズミ。

彼らの目に映るは恐怖か
それともただの生の証か
闇に潜むその巨影は
今日もまた、人の近くで蠢く。

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