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Rust ジェネリックトレイトとは 使い方と注意点

今回はRustのジェネリックトレイトについて説明していきます。

ジェネリックトレイトとは

ジェネリックトレイトは、異なるデータ型で共通の動作を定義するための機能です。

ジェネリックを使用することで、型に依存しない柔軟なコードを書くことができます。


ジェネリックトレイトの使い方

ジェネリックトレイトを定義するにはトレイト定義時に型パラメータを使用します。
例えば値を一つ加える動作を抽象化したAdderトレイトを以下のように定義することができます。

trait Adder<T> {
    fn add(&self, value: T) -> T;
}

struct Number { value: i32 }

impl Adder<i32> for Number {
    fn add(&self, value: i32) -> i32 {
        self.value + value
    }
}

Adderトレイトは任意の型Tに対してaddメソッドを提供します。Number構造体はこのトレイトをi32型に対して実装しています。


ジェネリックトレイトの注意点

型安全性の保持

ジェネリックを使用する際は、型安全性を損なわないように注意が必要です。
Rustの強力な型システムが型の誤用を防いでくれるため、型パラメータに対する操作は慎重に行う必要があります。

トレイト境界

ジェネリック型に対して特定のトレイトを実装していることを要求する場合、トレイト境界を指定する必要があります。これにより、型が持つべき機能を明確にできます。

trait Adder<T> {
    fn add(&self, value: T) -> T;
}

impl<T: std::ops::Add<Output = T>> Adder<T> for Number<T> {
    fn add(&self, value: T) -> T {
        self.value + value
    }
}


コンパイル時の複雑さ

ジェネリックを多用すると、コンパイル時間が長くなる可能性があります。

ジェネリック型の各インスタンスに対してコードが生成されるため、複雑なジェネリック構造はコンパイル時間に影響を与えます。


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