Rust 部分的ムーブとは 使い方と注意点について
今回はRustにおける部分的ムーブについて説明していきます。
部分的ムーブとは
所有権が移動するため、値が別の変数にムーブされると、元の変数はその後使用できなくなります。
しかし、部分的ムーブは、構造体やタプルの一部のフィールドだけがムーブされ、残りのフィールドは引き続き利用可能な状態に留まる場合を指します。
これにより、より細かい制御が可能になりますが、正確な管理が求められます。
部分的ムーブの使い方
部分的ムーブを利用する一般的なシナリオは、構造体やタプルから一部のデータを抽出し、残りのデータを引き続き利用する場合です。
struct Person {
name: String,
age: u32,
}
fn main() {
let person = Person {
name: "Alice".to_string(),
age: 30,
};
// ここでnameだけをムーブする
let name = person.name;
// ageは依然としてアクセス可能
println!("Age is {}", person.age);
}
Personのnameフィールドがムーブされていますが、ageフィールドは引き続き利用可能です。
部分的ムーブの注意点
コンパイラの制約
ムーブされたフィールドがもはや有効ではないため、部分的ムーブの後、ムーブされたフィールドにアクセスしようとすると、コンパイラはエラーを発生させます。
初期化されていないフィールドの取り扱い
部分的ムーブを行ったオブジェクトの未ムーブのフィールドにのみアクセスする必要があります。
もしムーブされたフィールドにアクセスしようとすると、プログラムはコンパイルエラーになります。
パターンマッチングとの組み合わせ
部分的ムーブはパターンマッチングと組み合わせて使うことが多く、この際にはムーブされるフィールドとそうでないフィールドを明確に区分する必要があります。
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