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#76 武力< 権力 < 魅力 < ??

今回ご紹介する話は、2018年9月27日に大手町で行われたバルミューダ㈱の寺尾玄さんがトークライブでお話されたことを書いています。
(なるべく話されたままをメモしたので、基本的に再現できてると思いますが、ところどころ表現を足しました)

この話しのテーマは「力」。

寺尾さんがご子息との会話を通じて、”世の中で一番強い力は何か” を、ふと、考えたときに思い至ったそうです。


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長男が小学5年生くらいのとき、たまたま一緒に出かけたときのこと。

横断歩道で信号待ちをしているときに、ふと、長男が、「お父さん、不良は何が怖いの?」と、聞いてきました。

どうやら、長男は、そのときに少し年上の子とモメるようなことがあったらしい。長男の周りに、いわゆる”不良”という感じの子は思い当たらなかったが、最近の”不良”は見た目には、どうやら分からないようだ。

ちょっと考えてから、僕は

「不良は、”自分より強い不良”が怖いんじゃないか」

と、答える。そうすると長男は

「じゃあ、自分より強い不良は誰が怖いの?」

と、聞く。

「自分より強い不良が怖いのは、警察官かな」

と、答える。

「じゃあ、警察官は誰が怖いの?」

「うーん、警察官が怖いのは警察庁のひとかな」

「警察庁のひとは、誰が怖い?」

「警察庁のひとが怖いのは、警察庁長官かな」

「警察庁長官は、誰が怖いの?」

「警察庁長官が怖いのは、首相かな」

「首相が怖いのは、誰なの?」

「首相は・・たぶん有権者が怖いんじゃないか」

最後のほうは、どちらも意地の張り合いのようなラリーになった。


このときの会話をその日の夜に思い返してみました。会話のラリーは、だんだん「世の中で一番強い力は何か?」という流れになっているんですよね。

最初は、暴力というか武力、そして次に権力になって、権力を上回るものは、(人としての)魅力。

そして、武力も権力もカネで買えることもあるけど、(多くの人を惹きつけるような)魅力はカネで買えない。好感を持ってもらわないとダメで、好感という感情はカネでは買えない。

では、魅力より強い力は何かを考えてみたときに、もっと強い力は「創造力」だと思った。

あらゆる”可能性”を使えるのは創造力(クリエイティビティ)、創造力は魅力をも作れる。

なぜなら、現在のバルミューダは、たくさんの人の力で作られています。最初に自分が立ち上げたときには考えれなかったような、素晴らしい人材がバルミューダを作り、支えている。

「最初の創造力」が、自分でも作れないものを作る。創造力は、多くの「可能性を実現できる力で一番強い力」だと感じている。

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寺尾さんはこのときは、クリエイティビティの「創造力」という話をされていましたが、寺尾さんが作品の原案を提供されていたNHKの朝ドラ『半分、青い。』では、主人公(鈴愛)が「想像力は人生をも超える」というセリフを言っていました。漫画家として行き詰まる親友(ユーコ)に、一緒にがんばろうよ、という想いを投げかけた、鈴愛のセリフです。


クリエイティビティの創造も、イマジネーションの想像も、どちらも魅力を上回る、魅力を伝えるのに必要な力だと、わたしも思います。

創造も想像も、簡単なことではないけれど、日々、奮闘している中で、とても励みになる話だなぁと思ったので、書いてみました。


もし気に入っていただけましたら、次回の更新もぜひ楽しみにお待ちいただけたら嬉しいです。