WebサービスにおけるCRMツール(hubspot)はだれが導入すべき?(その2)

わたしが責任者を務めているWebサービス(マッチングとSaaS)では、CRMツールとしてHubspotを導入しました。
導入して一年ですが、導入効果はむちゃくちゃ大きかったと思います。その経験をもとに、WebサービスにおけるCRMツール導入について、いつ、だれが、どのように進めるべきか考察したいと思います。

前回記事に「いつ」を書きましたので、今回は「だれ」について述べたいと思います。

前回記事はこちら↓

WebサービスにおけるCRMツール導入はだれが検討すべき?

結論は、サービスのグロースの責任者が中心となって検討すべきだとおもいます。
どの部署がやるべきか、どの肩書きの人物がやるべきか、biz側か、sys側か、といったことに答えを出すには、サービスを事業としてみたときの体制を紐解く必要があるとおもます。
私のケースでは、私がビジネスと開発の両方の責任者であり、PdM(この言葉が意味する職掌が多様であることを理解した上で使ってます)であったので、私しか検討すべき人は見当たりませんでした。
他社の話を聞くと、多くの事業体制は以下のタイプに分類できそうです。

組織タイプ別の適任者

  1.  開発チーム主導型

  2.  ビジネス開発(企画)主導型

  3.  組織フラット型

1は開発の責任者がビジネスグロースの中心となって、マーケ、営業、CSも含めて施策を統括するタイプになります。強いPdM、CPO、VPoEのような肩書きの人が存在していることが多いでしょう。
この場合は、その開発責任者が検討すべき人になります。しかしながら、課題の発生源が遠いところ(営業やcsの現場) であり、グロース期に発生する他のプロダクト課題より優先順位が低くなりがちです。


2はbizとdevの組織が明確にわかれて、事業管理はbiz、devはその事業に必要なシステム開発を請け負うような体制です。bizのトップは事業部長、スタートアップであれば社長になります。
この場合はbiz側の責任者が検討を進めるべきでしょう。比較的早い段階で、顧客向け機能開発はsysチームを待つことになり、biz側の改善課題にフォーカスする時期が来るので、検討着手事態は早いでしょう。ただ、その責任者のCRMというものに関する知識と経験が大きく影響するため、導入検討が進まないリスクが高そうです。

3の組織フラット型は営業やcs、開発がそれぞれ分業しているケースで、サービス開始から少し時間がたつなどでサービス責任者のコミットが弱い場合にみられます。
この場合は、検討すべき適任者を探すのが難しいでしょう。あえて指名するなら課題の発生現場の組織で、営業もしくはCSになります。CRMというツールの特性上、事業としてどのように顧客情報を蓄積、連携して、サービス品質や業務効率をあげていくかの意志決定が必要になるので、組織横断での意思決定が必要になります。うまく進めるには各部門長と事業責任者をうまく巻き込んでいく必要がありそうです。

まとめ

ここまで、それぞれの組織タイプ毎に、だれが検討すべきか、を述べてきました。
CRMツールは、職種を横断して課題解決するツールであり、多くは顧客との適切なコミュニケーションをとるため、もしくはその為の社内業務効率化が導入効果になります。また、事業全体を巻き込んだ施策となるため、事業施策に責任をもつ人物が検討を主導すべき、といえるのではないでしょうか。
一現場担当者の課題意識からだけでは、なかなか検討の俎上に載りにくいですし、載せたとしても検討が進まないか、ひとつの部門だけで必要な機能のみを利用することになり、導入効果も小さくなってしまいます。
だれが検討すべきか、いつ検討すべきか、を組織として正しく認識できれば、あとは火の起こるべきところに火が起こったも同然です。
あとはその種火をどう大きくして効果をえるか、が問題になるのですが、それはまた次回。

ここまでご拝読ありがとうございました。

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