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迷いながら、揺らぎながら(さくら)① 〜はじめに〜

for Self、最初のインタビューは長崎で高校時代を過ごしたさくらさん。

誰もが通る。
けれど、気づかず通り過ぎてしまうかもしれない景色や感情、疑問や悩みにひとつひとつ向き合い続けながら「私」を変え、まわりに居る人たちの「変わりたい気持ち」を支えてきた高校生の当事者であり、尊敬すべき教育者。

高校時代の探究テーマは「先生と生徒の対話から創る新しい授業の形」。
試行錯誤の先で同世代や後輩からはもちろん、同じく教育に向き合う先生やコーディネーターからもリスペクトを持って見られています。

けれど、その言葉や歩みから感じるのは「誰も辿り着けない高み」ではなく「私も、そうかもしれない」と感じさせてくれる親しみやすさ。

課外活動にたくさん参加した訳じゃない。
授業で熱中した探究は大事だったけど、それだけに強く後押しされた訳でもない。

中学時代に感じた大人への失望感や、高校での挑戦がクラスメイトに否定的に受け止められた悔しさや悲しさ。

私たち、みんなにあるかもしれない感情に時に向き合い、時に逃げ。

多様な「正しさ」を受け入れる中で、それでも「もっと、まわりを幸せにしたい」と思いを手放さずに進んできた、さくらさんの迷いと歩みに触れていきます。

「普通」だからこそ伝えたいことがある

「わたしはなんというか、普通なので」


ーー 高校生や中学生に向けて話したい、とのことでしたね。

わたしはなんというか、普通なので(笑)
今の中高生や、これから中高生になる人に「自分でもやれるんじゃないか」って思ってもらえたらって思うんです。

ーー 中高生時代の苦しさは、どんなものでしたか?

中学時代は大人に失望しちゃっていました。高校では信頼できる先生に出会えたんですが、身近で受け止めてくれる仲間はいなくって。ずっと孤独感があったんです。

それにチャレンジしたくても、人と出会いたくっても難しくって。

「大丈夫、こういうこともできるんだよ」


「何にチャレンジしたらいいんだろう」
「世の中にはどんなものがあるんだろう」
「どんな面白いことをしている高校生がいるんだろう」

そんな思いがあっても、長崎じゃ無理かなってずっと思ってたんです。
言い訳してるみたいですけど、本当にそんな感覚で。

わたしは偶然が重なって、たくさんの出会いやチャレンジができました。自分から小さな一歩を踏み出してみたら世界が開いていったんです。

でも、その難しさに心が折れてしまう子たちは、きっといるはずで。そんな人たちに少しでも「大丈夫だよ!」「こういうこともできるんだよ!」って感じてもらえたら嬉しいです。

「実は、やりたいことは言われるほど明確じゃなくて」


ーー 悩みは解消されましたか?
当時抱えていた悩みは超えられたかなって思います。でもきっと、ずっと悩み続けるんだろうなぁ、と(笑)

今でも「私らしさって何だろう?」「誰のために生きるのが良いんだろう」って、モヤモヤは続いていて。

「さくらは、やりたいこと明確でスゴいね」なんて言ってもらうこともあるんですけれど、実は言われるほど明確じゃないんです。

やりたいことなんて「なくてもいい!」って割り切れた感じもありつつ「本当に?」って思っちゃう自分もいるし。そもそも話す相手によって、裏表とは違う意味で「自分らしさ」って変わっちゃったりもするじゃないですか。

だけどモヤモヤしながら藻掻いてたら、いつか「これだ!」ってモノに出会う気もしているんです。

なんとなく惹かれるものに触れてみたり、行ったことのない場所に足を運んでみたりする中で「あ!」って感じることが、実は大事だったりするんじゃないかって。

本当にそうかは分からないですけれど、なんとなく「そうなるんじゃないかな?」って期待してるんです(笑)

ーーいろんな「私」に出会いながら、大事なモノを見つけていきたいですよね。今回も含め全7回で、さくらさんが等身大で悩み、揺らぎ、挑戦してきた歩みに触れていきたいと思います。


■ 迷いながら、揺らぎながら(さくら)

〈インタビュー for Selfについて(筆者について)はこちら〉

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