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迷いながら、揺らぎながら(さくら)③ 〜探究の始まりはテスト勉強から〜

前回は「私らしく」を軸に行った高校選択について聞いてきました。
「誰にも負けない」と、ちょっとした頑なさを抱えたさくらさんは、どんな高校生活を送っていったんでしょうか。


書き残した「わたし」が、きっと未来で助けてくれる

「テスト勉強が原点なんです」


ーー さくらさんには探究のイメージがありますが、探究はいつから始まったんですか?
実は高1の時点では、一般的にイメージされる探究はしてなかったんです。けれど今思うと「あれが探究のベースになってたんだな」ってことがあって。

私の探究は、実はテスト勉強が原点なんです。

「誰にも負けない」って思ってた割に結果が出なくって。純心ではテストの度に訂正ノートっていうのを出さなきゃいけないんですけれど、その度に教科とは直接関係なく、ノートに文字ぎっしりで悩んでることを書いてたんですよね。

「結果を出さなきゃいけないのに、全然ダメ」
「どうしてできないんだろう…?」みたいな。

その度に先生は『なんで結果が必要なの?』とか『全力で頑張る意味って何なんだろうね?』って聞いてくれて。

「小さな挑戦や成長を、いつも近くで見てくれてた」


そのときは「え?」「どういうこと?」って感じだったんですけど、これが自分と向き合うベースになったんです。

ーー 先生が自分を見てくれている感じがしますね。
そうなんです!初めて数学で良い点をとった時に「今回頑張ってたじゃん」って言ってくれたり、大学調べでバカみたいに大きな夢を語っちゃった時にも教科の話じゃないのに『学年主任になって久々に感動しました』なんて書いてくれて。

小さな挑戦や成長を、いつも近くで見てくれてたのがすごく嬉しかったんです。

ーー素敵な先生たちですね。特に印象に残っていることはありますか?
化学の先生に「どうして結果が出ないんだろう?」って聞きに行ったことが心に残っています。

「咲くタイミングや大きさ、それに満足できるかはその人次第」


『結果が花だとしたら、テストの結果はちっちゃな花だよね。あなたは1つひとつの花を大きい花にしたいんだろうけど、ゴールをどこにするかが大事じゃない?
早い内に大きな花を咲かせる人もいるかもしれないけど、花はすぐ枯れちゃうかもしれない。逆にずっとちっちゃな花を咲かせて、その先に大きな花が咲く人もいるかもしれない。枯れてもまた、花を咲かせるってことだってあるよね』

そう言ってもらって、なんかすごく「なるほど」って思ったんです。

花が咲くタイミングや大きさ、それに満足できるかはその人次第だよなって。私は自分なりにちゃんと「咲かせる努力」ができてるし、成長できてるって思えたんです。

「自分ってどうありたいのかな」


ーー 眼の前のことを頑張って、上手くいかなくて。でも人の言葉から気づきをもらって。まさに探究ですね。
教科の勉強がきっかけなんですけど「自分ってどうありたいのかな」とか「どんな生き方したいのかな」って考える探究の根本的な部分を叩き込んでもらいました。

高1の時には、なんとなくしか受け止められなかった言葉が、あとから何かを乗り越えた時に「こういうことだったんだ!」って腑に落ちることも多かったです。

そんな風に自分の生き方を考えることが染み付いてからテーマを持った探究に入ったから、人とは違う気づきも多くなったんだと思います。

ーー 日常の中での疑問や対話が、その先でつながっていったんですね。
そのとき先生が言ってた言葉はすごくいい言葉だから、今、自分の経験を交えて言うと結構「おーっ」て言われるんですよ(笑

ーー なるほど、良いですね(笑)次回はテーマを持って探究を始めたさくらさんの挑戦と挫折について聞いていきたいと思います。


■ 迷いながら、揺らぎながら(さくら)

〈インタビュー for Selfについて(筆者について)はこちら〉

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