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迷いながら、揺らぎながら(さくら)② 〜「みんなと同じ」から外れる怖さ〜

前回、〜はじめに〜では高校生活を総括的にお話いただきました。
今回からはさくらさんが悩み・考え、選択してきた過程について聞いていきます。


中学時代は、演劇で表現していた「私」

「すんなり選べた訳じゃなくて」


ーー 高校は、どんな軸で選んだんですか?
「私らしさを認めて、伸ばしてくれる学校に行きたい」と思っていました。

中学時代は、先生から自分や個人が全く大切にされてない感覚があったので、そうじゃないところに行きたいなぁって。

5つくらい高校をまわってみて、唯一「ここかも…」って思えたのが純心女子高校だったんです。でも、すんなり選べた訳じゃなくて。「こんなに泣くんだ!」ってくらい悩み抜いきましたね…。

ーー 悩みのポイントはどこだったんですか?
地方あるあるだと思うんですけれど、私立って時点で「あっ進学校行けなかったんだね」って感じで扱われることが多くて。

「逃げたいだけなんじゃない?」


受験指導でも「志望校は今より、ちょっと頑張れば行けるってレベルを目指しなさい」って言われるんです。

だから純心に惹かれた理由を「勉強から逃げたいだけなんじゃない?自分に甘いんじゃない?」なんて思っちゃって。

一方で公立の進学校は、みんなと同じ選択って意味で安心感はあるんですけれど、中学と同じ抑圧的な雰囲気を感じたんですよね。
勉強がすごく得意ってわけでもなかったんで、そっちに行ったら勉強に追われるだけで、私らしさを出せない苦しい3年間を繰り返すかも…って。

ーー 息苦しさがあったんですね。
はい、先日も母と話していて「さくらは中学時代は『もう絶対あの人たち見返す』みたいなことしか言ってなかったよね」って言われたくらいです(笑)

「都合が良い子たちだけが"あんな感じにしなさい"って褒められる」


学校は好きだったんです。
だから「もっとみんなが楽しめるにはどうしたら良いんだろう?」って考えて、当時なりに色々と挑戦して先生に相談してみていたんです。

けれど全部が全部「できないよ」とか「無理だよね」とか簡単な言葉で切られてしまって。そのうえ理不尽なことで怒られて…。
例えば、先生ってどこにいるか分からないことが多いじゃないですか。委員会の報告のために1日中探しまわって、ようやく見つけたって思ったら「遅い!」ってみんなの前で怒鳴られたりするんですよ。

ーー それは理不尽……。
大人同士だったら絶対しないことを「子供だから」って理由で言われることってありますよね。叩いたり大声で怒鳴ったりしなくても、それは心を傷つける暴力だと思うんです。

都合が良い子たちだけが「みんなあんな感じにしなさい」って褒められるような。それって、うまいように使われてるだけじゃないかって。

そんなことを平気でしてるのが許せなかったし、絶対こんな大人にはなるもんかって思ってました。

ーー それで最終的に純心を選んだんですね。
はい。今は本当に「こっちを選んでよかった!」って思います。

「周りがみんな敵に見えてたんです」


けれど入学した当初は、やっぱりみんなが行くルートじゃないからリスクも強く感じていて。こっちを選んだからには「もう絶対に負けない!」って感じになってました。
今思うと「誰に?!」って話なんですけれど(笑)

あの時はクラスの人も進学校に行った人たちも、周りがみんな敵に見えてたんです。そんな頑なな感じじゃ、まわりも嫌だよなって今ではめっちゃわかるんですけど。

ーー なんで、そんなに頑なになってしまったんでしょうね。
生きてる世界が一つしかなかったんだと思います。
「勉強で測られる世界でしか評価のつけようがない」って思ってたんです。

もし勉強で戦いたいんだったら公立に行ってたハズなんですけど、他に軸がなかったから、どうにかして自分の学力を上げなきゃいけないって思ってて。

「全体で見たら比べられない」


ーー 高校時代を通じて世界は増えましたか?
増えました!(笑)
成長や変化、自分だけが感じたドラマみたいなものがあるだけでもう「私とあの人の人生は違う」「比べられるものじゃないんだな」って思います。

もちろん今でも比べちゃうこともあるけど、ほんとは全く別物なんですよね。特定のトピックだけで見たら優れてる・劣ってるってあるけど、全体で見たら比べられないなって思うようになりました。

ーー 比べながらでも「私」を大事にしていけるといいですよね。
次回からは、どんな経験を通してさくらさんは変わっていったのかを聞いていきたいと思います。


■ 迷いながら、揺らぎながら(さくら)

〈インタビュー for Selfについて(筆者について)はこちら〉

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