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【読書体験】それでも、明日を心待ちにする――漫画『かしましめし』

明日の弁当、何にしようかな?と冷蔵庫を覗く。好物を見つけて、思わず頬がゆるむ。美味しい予感は、すこし元気をくれる。

今夜紹介するのは、「食べる」と「生きる」をテーマにした『かしましめし』。

“私たちは何度も生き返る。小さく小さく、くりかえし生まれ変わる”


漫画家・おかざき真里氏の今作は、食を通した、ゆるやかな繋がりがテーマだ。主な登場人物は、「心が折れて仕事を辞めた千春、バリキャリだけれど恋愛でつまずくナカムラ、恋人との関係がうまくいかないゲイの英治」の3人。同級生の葬式で再会した、どこか不器用さを抱える人たちだ。彼女らは集い、美味しいご飯で一息つき、また明日を生きる。


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わたしは病院に勤めているけれど、文字通り弱った人にたくさん出会う。回復しやすい人の特徴の一つは、食欲があることだ。逆に、生の時間が残り僅かなひとは、食が細くなり、水分もとれなくなってゆく。

わたしたちヒトは、何かを食べなければ生きていけない。それならば、楽しみを見つけながら、食べていけたらいい。


著者・おかざき真里さんのインタビューはこちら▼
「「生き延びるには?」をテーマに描いてきた」


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