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新連載ダイジェスト『日米リーダー交代からの気づきーコロナが気づかせた不安の時代』(柳澤協二氏)

 2020年、新型コロナウィルスの蔓延という未曽有の国難に見舞われた日本とアメリカで政治のリーダーが交代することになりました。コロナ禍の下でのリーダー交代が浮き彫りにしたのは、コロナ禍が鮮明にしたリーダーシップの貧困格差社会の深刻化でした―。
 コロナ禍の不条理の構造を究明し、希望へのヒントを探る特別連載が今、始まります。

忙しい方のためのダイジェスト『日米リーダー交代からの気づき』

 道しるべは元内閣官房副長官補・防衛研究所長の柳澤協二氏より、この象徴的な政治ドラマを分析した特別書き下ろし記事を頂戴しました。

 お忙しい方にも大事なメッセージをお届けできるよう、計3回の連載記事をここではダイジェストでご紹介いたします!

『諦める日本と、諦めないアメリカ~日米リーダー交代からの気づき(1)』

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【概要紹介】
ポスト・安倍、ポスト・トランプの意味合いの強かったコロナ禍での日米両国のリーダー交代。熱狂を伴わなかった両国での政治ドラマの背後に、コロナ禍でやせ細るリーダーシップの実態とその根底にある現代の不安を読み解きます。

「現代は、不安の時代です。自然災害、感染症、戦争などのリスクは、いつの時代にもありました。しかしリスクが現実化しても、国や自治体が何とかしてくれる、あるいは自分で何とかできると判断すれば、不安はありません。必ず来るリスクにどうしたらいいか分からず、国も明確な答えを出せないから不安なのです。」

[記事 6/5より公開中]

『データで見る日本社会の「大変」―日米リーダー交代からの気づき(2)』

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【概要紹介】
コロナ禍が浮き彫りにした、現代の格差社会の構造に迫ります。通貨供給量の向上による経済成長に一石を投じる論考は、実態と遊離しつつある日本経済の現状と利益優先の社会への警鐘です。

「供給能力を拡大する成長戦略をとっても、家計が潤わなければ格差が拡大します。そういう経済成長に、一体何の意味があるのでしょうか。経済とは、「経世済民」です。目的は、人々を幸せにすることであって、パイを大きくすることではないのです。」

[記事 6/10より公開中]


『政治への注文・多様性のなかの希望―日米リーダー交代からの気づき(3)』

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【概要紹介】
ポスト・コロナの希望を、国民の活力を回復させる政治に見出す完結編です。多様性がカギを握るという論考では、現政権の高支持率の分岐点となったあの日本学術会議の任命拒否問題も登場します。

「活力のキー・ワードは多様性です。その観点から言って、日本学術会議の任命拒否はまずいでしょう。政権批判が気に入らないのはわかりますが、自由な言論や研究には、夢と社会を活性化する力があると思います。というより、そういう批判の存在を守るために政府がある。」

[記事 6/10から公開中]


「危機管理のプロ」による、書き下ろし原稿の続編

 著者の柳澤協二氏は小泉、第一次安倍・福田・麻生内閣で安全保障・危機管理担当を務められ、国家の危機を防ぐ安全保障政策での豊富な実務経験を生かし、政策実務と提言を担当されていました。

 首相官邸に至る防衛庁(省)でのキャリアは昭和を過ぎると、激動の平成に翻弄されることとなります。
 冷戦終焉による北朝鮮問題の発生、9.11からイラク戦争に至る「テロとの戦い」、普天間基地の辺野古移転問題、集団的自衛権から安保法制―。柳澤氏は省庁で、官邸で、野外で自身のキャリアを顧みながら、現場と真に国益に資する安全保障政策を探求してこられました。

17.11.19 イラク人道復興支援活動・浄水場の施工状況を確認する隊員_R

[画像]イラク人道復興支援特措法に基づく活動。自衛隊イラク派遣は、文字通り死と隣り合わせの任務だった。(出典:陸上自衛隊ホームページ「フォトギャラリー 国際平和協力活動等(及防衛協力等)」https://get.google.com/albumarchive/115305223408918522377/album/AF1QipNiDROEngEz6FTmeGAmaggyl4pnrtP5Gcqu2e46)

柳澤理事長 論考掲載写真7分の1サイズ

[経歴]
1970年 
 防衛庁入庁
 防衛審議官→運用局長→人事教育局長
 →防衛庁長官官房長
2002年 
 防衛研究所所長
2004年 
 内閣官房副長官補
 (安全保障・危機管理担当)
 第二次小泉、第三次小泉内閣
 (自衛隊イラク派遣を統括)
 第一次安倍、福田、麻生内閣
現在-
 ■特定非営利活動法人
  「国際地政学研究所」理事長
 ■「自衛隊を活かす:
  21世紀の憲法と防衛を考える会」代表


 コロナ禍による初めての緊急事態宣言が発出された2020年には、次代を担う者たちへのメッセージを込めた書き下ろし連載『新型コロナからの気づき―社会と自分の関わりを中心に』を頂戴しました。今回の記事は、こちらの連載の続編です。

 今回の書き下ろし記事は、霞が関・永田町を渡り歩いてこられた柳澤氏の透徹した分析が特に冴え渡る論考となっています。
 かつて細川護煕元首相は霞が関の官庁を日本「最大のシンクタンク」と表現しました。柳澤氏はその一角を担う防衛研究所所長でもございました。コロナ禍に誕生した新政権の鋭い見立てに、どうぞご注目ください!

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