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創刊号/vol.0

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記事一覧

林やは「眠れる休日」

かなしみ、と砂漠できみが眠りつく

沈みゆく防波堤からの望遠

山羊たちの性愛は前世にもなる

はだかになっておどろうよ、の休日

あの死骸あの恒星に送るまで

翅のある馬になりたいペガサスは

凍った桃でつくる人類

蜜蜂と楽園で刺されるひとみ

浴槽で天使が流れあたたかい

観葉植物とともにファミレスへ

溢水「౨ৎ 333 ౨ৎ」

 手首に引いた線が、薄すぎたのか、リボンのように見えた。バイトもきっと限られる、腕も捲れない。でもそんなことは、どうでもいいだけだった。

 *

 かわいいものだけを散らかしたような部屋に、ただひとりで座っている。さいきんはなんだか、常に薄っすらとした眠気に覆われている。たぶん4週間ぶりの休みだった。眠って、2時間ほど起きて、水色の吹き出し、連絡を返してまた眠る。堕落していた。もう落ちる場所もな

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たまり「ラブレター」

人が死ぬ、ということ、骨になる、ということ。

あなたは燃えて、骨になる。私が見ているあなたは永遠ではなかった。ずっと、一生、が仮初の祈りだったこと、あなたは知っていたんだね。穏やかな顔も柔らかな肌も、ただの燃料で、熱い炎の中で溶けてしまう。まっしろで、無機質で、美しくもろい雪のような骨。それはお気に入りのぬいぐるみに似ていた。あいしているのに、隣にいるのに、何も届かない。私だけがあいに、あたたか

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大海明日香「どうせハッピーエンド」

付けられた値札を薪にワンデーの心臓ぱちぱち燃えるのを見てる

生命線無駄に長くて何年か分をまつげと引き換えてほしい

脱ぎ捨てた下着の形で占ってこのままでしあわせになれますか

日曜は(わたしのお腹の中にある暗く小さな)海へ行きます

ゆうれいを信じることにしています愛といっしょで目に見えないし

空なんて飛びたくない日ナプキンの羽を折るたび重くなる孤独

空腹はさみしいに似てるからきらい着れない

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私「春へ」

 わたしが、なりたくて、なれなかったもの。ピンク色の主人公、お花屋さん、パティシエ、少女漫画のヒロイン、チア部、アイドル、あの子、魔法少女、チア部のあの子、トイレの鏡の前のあの子、教室の窓辺でねむそうなあの子、花束を手渡されるあの子、いつか愛され幸せになれるあの子、うん、愛されて居たかった。わたしも。ノートからふと顔をあげる。息をする。「あなたも?」
「あなたも、そういうの、あるでしょう。べつに自

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一閃藍「星屑すくい」

あの子がピンクでわたしは水色。
本当はピンクがよかったのに、それでも自ら水色を選んじゃうような捻れ方も、その指先でかわいいかたちに括ってもらえるだろうか。

祈るみたいに掬ったラメを瞼の上に散りばめて、手のひらの生命線を延長させるみたいに引くアイライン。ひかりの下でわたしの瞼がきらめいた時、かみさまに、あなたに、わたしの葬った祈りが届いたんだと思えるその瞬きが、わたしを完ペキなにせものの夜空に仕立

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林やは「ツイン」

ぼくたちは、なにものでもなく、果たしあい、きみは現象として双子になって、純水の流れをつくりだす、いのちは、ふれられる、さわりごこちは、なんどでも、生きることではないよ、そっと、生きていく、(もっと、深層にきて? あなたはぼくたちを、愛するべきだ、そして、愛さないことが、もっともだ、いまに、)生きている、

ゆるぎがほしい、たいせつな生活に、ただしい目眩がある、狂う、ということ、濁流、はね、そのおと

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