拝啓_事業企画さん_013見たことのないアイデアの伝え方

「まだ見たことのないアイデア」の伝え方

拝啓、事業企画さん_013見たことのないアイデアの伝え方

斬新なアイデアがひらめいた時、
「これはすごい!今までになかったアイデアだ、大成功するぞ!」と胸が高まるものです。

しかし、周りの人にそのアイデアを話してみると ,

「新しすぎて、よく理解できませんでした」
「どこが新しいのかわからない・・」
「◯◯とどんな違いがあるんですか?」などと思わぬ反応が・・

良いアイデアを思いついても、周囲にそのアイデアの凄さを理解してもらい、賛同を得るのは案外大変だったりします。
(もちろん本人が凄いアイデアだと思っているだけの凡庸なアイデアの場合もありますが今回はそのケースではなく)

そんな時には、今からお話しする、大前提を理解すること、アイデアを伝える順番、伝える内容の工夫をしてみましょう。

火星人はイメージできるが、金星人はイメージできない

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上のイラストは世間でおなじみの「火星人像」です。
本当に火星人がいるのか、いた場合にこんな姿なのかはわかりませんが...笑
「火星人」と聞くと、多くの人はこのイラストを思い浮かべるのではないでしょうか。

では、こちらはどうでしょう?
最近、金星にも生命がいる可能性が示唆されました。

「金星人」(金星の生命体)と聞いた時、あなたはどんな姿をイメージするでしょうか?

新しいアイデアは、この「金星人」と同じ状態です。
見たことがないからイメージしずらいですし、イメージできた人もそれぞれ違う姿をイメージしている状態。

さて、どのように伝えていきましょう。

大前提:相手は全く興味がない人であると理解する

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アイデア(考え)を伝える際、伝えるべき相手の「知識量」や「理解度」がどの程度あるのか、目線合わせを行ってから話をする事、とても大事ですね。日々心がけている方も多いのではないでしょうか?

でも、それでは充分ではなくて、あなたがアイデアを伝える相手は、あなたのアイデアに全く興味がない、というレベルまで温度感を下げましょう。

アイデアを思いついた本人は温度感が高くなりがちですが、話を聞く相手はまだそこには至っていません。
あなたには見えているアイデアが実現したバラ色の世界は、まだ相手には見えていないのです。「視界」をあわせるところからですね。

注意!「たとえ」の落とし穴にはまらない

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同じ「視界」を見えるようにするために、よく使われるのが「たとえ」です。

「このアイデアは、たとえば○○みたいなものです」

相手の理解を促すために、よかれと思って「たとえ」を使うことあるかと思いますが、注意が必要です。

話をされた側は、自分の知っている知識と結びつけて類推します。そこに先入観が生まれるのです。

持っている知識から「あ、このアイデアは〇〇系か」と理解し、伝えたい内容とは異なる視界を見てしまったり、ダメなアイデアと認識され、思考停止されてしまう危険性が生まれます

どんなアイデアも、相手は自分が持っている情報で理解・判断するバイアスがかかることを認識し、注意を払いましょう。

効果的な伝え方の順番

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では、誤解されずに、新しいアイデアを伝えるためにはどうすればよいのでしょうか?
伝える順番を意識することをオススメします。

プレゼンテーションや文章を書く際に有効なフレームワークに「PREP(プレップ)法」があります。これを使います。

PREP(プレップ)法
Point
結論・主張
Reason
結論・主張の根拠・理由
Example
理由を裏付ける具体的な例
Point
最後に改めて結論

最初に、思いついたアイデアが何を解決するのかを伝えます。この時解決するテーマが大きければ大きいほどインパクトがあります。

主張・結論(Point)から先に話すという事で、相手は何の話なのかを予想することができ、混乱や誤解が生じるリスクが少なくなります。

次に、その根拠・理由(Reason)を述べていきます。
根拠は、ビジネスアイデアであれば定性的な情報だけではなく、データ(定量)でも語ることが望ましいです。

続いての例(Example)に関しては、どれだけ相手の頭の中で映像化できるかを意識してみるとよいでしょう。プレゼンでよく使われるテクニックしては、動画(映像や音)みせる方法があります。話す際にも情景が浮かぶような言葉を選ぶと効果的です。

最後に、総括(Point)、話をまとめていきます。
ここでは、単にまとめるだけではなく、相手のメリットや相手に起こして欲しい行動(承認、次の行動など)を伝えましょう。

言いたいことは、3つ以内に絞るとよい

先日、「こんなにあった!20の価格設定方法」という記事を書きました。
一読で価格設定法のうち何個を覚えられたでしょうか?

2001年、ミズーリ大学のネルソン・コーワンが発表した論文によると、人間が短期的に覚えられる限界の数字は4±1、つまり3〜5個だそうです。

ですので、「PERP法」における理由(Reason)や例(Example)も数が多ければ厚みは出ますが、相手に記憶して欲しい情報という観点から、3つ以内に絞り込みましょう。

60秒で話してブラッシュアップ

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伝えたい順番が明確になり、さらに記憶をさせたい内容が見えてきたら、ブラッシュアップの時間です。

60秒という制限を作り、頭の中で話したり、実際に声に出して話してみましょう。何回も何回も。

60秒に制限する効果は、2つです。

1つ目は、60秒という制限をあえてかけることで、伝えたい主張が自然と絞り込まれます。

2つ目は、聞き手の立場にたった際の伝わりやすさです。
情報過多の時代、短い時間で話す技術は大切です。話が長いと内容の善し悪し以前に途中で集中して聞いてもらえなくなってしまいます。

最後はとっておきです。
自分が60秒で話した後、相手に逆に60秒で話してもらってください。
どこまで話が伝わっているのか、自分が伝えたかったキーワードがしっかり伝わっているのかを簡単に確認できます。

まとめ

本当に斬新で、素晴らしいアイデアだったとしても、きちんと伝わって、期待する動きをしてもらうことができなければ、何も生まれません。

解釈の幅を制限するということが、説明をわかりやすくするためには重要なポイントです。ぜひこの方法、試してみてください。

ところで、「金星人」見つかるといいですね。

拝啓、事業企画さん_013見たことのないアイデアの伝え方

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