拝啓_事業企画さん_012価格戦略おまけ

20の価格設定方法(価格設定とは「財布」をしこたま観察すること のおまけ)

価格設定方法、紹介した以外にもたくさんあった

先日、『価格設定とは「財布」をしこたま観察すること』というnoteを記事を書きました。こちらです ↓

本編では、コトラー教授の6つの方法を紹介しました。

コトラー教授は、6つの価格設定方法
1 、マークアップ価格設定
 製品コストに利幅(マークアップ)を上乗せする方法
2、ターゲットリターン価格設定
 目標投資収益率から逆算して価格を設定する方法
3、知覚価値価格設定
 マーケット・リサーチにより「売れる価格帯」に価格設定する方法
4、バリュー価格設定
 顧客が適正と感じる価値に価格設定する方法
5、現行レート価格設定
 競合他社の価格を参考に価格設定する方法
6、オークション型価格設定
 買い手がオークション方式価格決定する方法

じつは他にも多くの価格設定方法があったのですが、長くなってしまうので割愛しました。

折角なので、自分用に20の価格設定方法を6つの志向に分類したものをシェアします。

拝啓、事業企画さん_012価格戦略おまけ

原価志向の価格設定法

原価に一定の利幅を加え、利益を確保する価格設定方法。

1、コストプラス(原価加算)価格設定
製品の製造から販売までにかかったコストに、一定の利益を上乗せして価格を設定。計算方法は、価格=コスト(直接費+間接費)+利益。
2、マークアップ価格設定
仕入原価に対して一定の率で利益を上乗せして価格を設定する。
計算方法は、価格=仕入原価+値入額(営業費+純利益)。
3、ターゲットリターン価格設定
目標とするROIから逆算して価格を設定する。
計算方法は、価格 = 単価コスト+期待収益×投資資本/販売台数。

需要志向の価格設定法

原価志向とは逆に、顧客が製品・サービスに対してどの程度の価格を支払うかを基準に価格を決める方法です。

4、知覚価値価格設定
顧客が支払っても良いと思う価格で価格を設定する。
マーケティング・リサーチなどにより、理想価格(高すぎず・安すぎず)が価格抵抗感が最も低いと言われている。
5、差別価格設定(需要価格設定)
市場のセグメントごとに価格を変えて設定する。
顧客層(大人子供・B2B顧客・無料有料)、時間帯(休日深夜・早期)、場所(座席・地域)など。
6、ダイナミックプライシング
同一商品の価格を需要と供給の変化に応じて変動させて価格を設定する。航空券やコンサートなど。
7、オークション型価格設定
オークション方式に買い手側が価格を設定する。美術品や運用型広告などが有名。

競争志向の価格設定法

競合を意識して価格設定を行う方法。競合価格と比べて高い、同じ、安いの3種類の選択肢をとる。

8、名声価格設定法
「品質」や「ブランド力」を背景い、競合商品に比べて高い価格に設定する。すでにブランド力がある企業・商品向け。
9、スキミング・プライシング
新商品発売当初はあえて高い価格を設定し、市場のライフサイクルに応じて価格を下げていく価格設定方法。
10、現行レート価格設定
競合企業全般の価格に基づいて価格を設定する。無難な価格設定方法だが、製品やプロモーション等で違いを生めない場合に価格競争に巻き込まれる。
11、プライスリーダー追随法
業界リーダーの価格に従って価格を設定する。現行レート同様、価格以外で違いを生めない場合に厳しい。
12、バリュー価格設定法
製品・サービスの価値と比較してあえて低い価格を設定する。価値を正しく顧客に伝えられるかが勝負どころ。
13、ペネトレーション・プライシング
市場シェア拡大を目的にあえて低価格に設定する。販売量増加により単位コストが下がることを狙っている。
14、政策対応価格設定法
消費税増税や為替変動時などの市場環境の変化に対応した価格設定。
代表的商品を据え置きもしくは値下げすること、逆に高級ラインナップを値上げすることもある。

将来価値志向の価格設定法

現在ではなく将来の価値を基準に価格を設定する方法。
土地や不動産、教育などの投資的な意味合いが強い業種で活用される。

15、正味現在価値設定法
将来に生み出す利益から逆算して価格を設定する。
正味現在価値 = PV(現在価値) - 投資額。

複数商品掛け合わせ志向の価格設定方法

単独商品ではなく、複数の商品の組み合わせを前提して価格を決めていく方法。

16、自社商品セット販売価格設定法
自社の主力商品に自社の他商品をセット販売。その際に割安になるように価格を設定する。マクドナルドのセットや、サポートなど各種オプションが該当する。
17、他社商品セット販売価格設定法
自社商品だけではなく、他社製品を組み合わせてセット販売する。鉄道会社がホテルやレンタカーをセット販売するなど。
18、ロスリーダー価格設定法
集客を目的として特定の商品を採算度外視価格に設定する。スーパーの卵などの特売品が良い例。

心理志向の価格設定方法

心理に基づいて(売れやすい)価格を設定する方法。商品の価値をベースとした値決めというよりはセリング手法に近い。

19、段階価格設定法
3つ以上の商品で、高い・真ん中・安いの価格を用意。消費者は真ん中の値段を選びたがるという心理を利用し売上を上げる。松竹梅とも呼ばれる。
20、端数価格設定法
「99円」「3,980円」のようにあえて端数を設定する。桁が下がることで安くみえる心理効果を狙っている。スーパーや家電量販店などで用いられる。

まとめ

以上、20種類の価格設定方法でした。
「目的」や「場面」によって使い分けられるとよいですね。
他にもあったら、適時更新するかもです。

拝啓、事業企画さん_012価格戦略おまけ

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