主演女優が身に纏っているのは脆い鎧
鬱で大学に行けなくて小説を書くことさえも苦しくて何も出来ないわたしでも今日はミニスカなんか履いちゃってキラキラのピンクメイクしてとびきりのお洒落をして厚底スニーカーでバス停まで歩いた。
だけど大学行きのバスが見えたらわたしはバス停から離れてバスがバス停を通り過ぎるのを横目に見ていた。
小さく叫びながらよろよろと歩き家に帰った。
大学でわたしにグサグサと向けられる視線の槍から鎧のようにわたしを守ってくれるはずだった可愛いお洋服たちを脱ぎキラキラピンクメイクは落とした。
アイロンで丁寧に作った重めぱっつん前髪と姫カットはピンで留めたからもうぐちゃぐちゃになった。
抗精神病薬、抗不安薬、色々飲んでいるけれど、飲んでいる自分は誰なのか分からない。
飲んでいないときの死にたい自分が本当の自分なら、今の穏やかな自分は偽りの自分で感じている感情全て虚構、フィクションなんだよ。
目に見えている世界は精神科の薬がつくり出した映画で私は主演女優かつ観客だね。
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