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水処理から学んだビジネス基礎

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水処理業界にいながら異業種転職した経験から、この業界を舞台に、どんな業界でも通じそうなビジネス基礎として感じたことを書き記しておきました。
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夢を目標に 目標を現実に

表題は、私が転職のための準備をしている際、私の人生を振り返った時に、こんな人生を歩んできたな、とふと頭に浮かんだ言葉です。 夢を目標に。目標を現実に。 Make Dream Change to Target, Make Target Realize. 夢を夢で終わらせない。夢を語るとき、それを目標に変える方法を考えよう。目標が決まったら、どう現実にするか行動しよう。 この思想をベースにさらにチャレンジしていきます。 * 水処理エンジニアリングという分野で仕事をしてき

水処理と私

Swimmerです。 はじめに20年間勤めていた水処理業界から異業種転職することになりました。水処理業界からは本当に多くのことを学ぶことができました。今後の活動のためにも、20年間学んだことを記事にして保存しておこうと思い立ちました。 こういった業界モノの、実務に則した技術紹介はWebに情報があふれているので、ここではもう少し俯瞰的に業務を見た観点からこの業界について書き記しておこうと思ってます。異業種に転職できた知識と経験の、源泉たちです。水処理と~と題名を打ってますが

水処理と技術営業/概要

水処理産業はよくニッチな産業と言われます。でも、このニッチな産業に身を置いていると、その中でもいろいろな種類があることに気づかされます。それぞれに特徴があって、最適な仕事のやり方も違うんです。 「仕事のやり方が違うんだろうな」という観点で、水処理産業を分類してみました。 1.官公庁向け巨大水処理プラント納入 公正公平、技術とコストの信頼安全にさらに公共性をもった仕様が特徴。この特殊とも言える仕様を如何に理解しているかが、仕事をこなしていく中で非常に重要。 2.民間向け

水処理と技術営業/巨大プロジェクト編

水処理の分野の営業さんは、いわゆる技術営業というものに該当することになります。こちらの記事でご紹介した分野毎に、営業の仕方や仕事の仕方がどう違うのか?を経験と知見を基に解説してみました。 1.官公庁向け巨大水処理プラント納入この分野は自らの経験でないのですが、見知った限りで記述します。官公庁向けというと、浄水場や下水処理場などが該当していきます。発電所も水処理が必要でよく該当し、発電タービンを回すための水や排水処理などがあります。仕事の規模も非常に大きい傾向があります。

水処理と技術営業/一般産業編

水処理の分野の営業さんは、いわゆる技術営業というものに該当することになります。こちらの記事でご紹介した分野毎に、営業の仕方や仕事の仕方がどう違うのか?を経験と知見を基に解説してみました。 今回は一般産業編です。前回の巨大プロジェクト編においては、顧客の業界が限定的でした。一方、一般産業においては「一般」というだけあって様々な業界が対象となります。技術営業においては、お客様の業界に精通して情報を収集し、必要な技術情報を提供する必要があります。従って、この分野においては大中小様

水処理と技術営業/製品販売編

水処理の分野の営業さんは、いわゆる技術営業というものに該当することになります。こちらの記事でご紹介した分野毎に、営業の仕方や仕事の仕方がどう違うのか?を経験と知見を基に解説してみました。 今回は製品販売編です。プロジェクトを通して、顧客の要求仕様に沿った一品ものとしての水処理設備の技術営業とは異なり、すでに狙った市場に合わせた仕様で出来上がっている製品を販売していく営業になります。ここでは、製品そのものがどうあるべきかについてでなく、製品が「プロジェクトのような手順を踏まず

水処理と技術営業/サービス編

水処理の分野の営業さんは、いわゆる技術営業というものに該当することになります。こちらの記事でご紹介した分野毎に、営業の仕方や仕事の仕方がどう違うのか?を経験と知見を基に解説してみました。 今回はサービス編です。 水処理設備などの製品は、一度販売すれば大きな金額が入りますが、継続的に受注し続ける保証ができません。一方で、企業が存続するためには持続的に利益を稼ぐ必要があります。水処理分野において、その点を補っているのがこの分野です。ここでは現時点での一般的な項目について記述し

水処理と設計

営業は取ってきた仕事の質と量で評価されます。営業をサポートしてシステム設計をしたエンジニアも同じように評価されるでしょう。努力がお金に変わる時です。では、営業が取ってきた仕事を図面により具現化していく設計は、どのように評価されるのしょうか? 設計の評価は、できて当たり前の減点方式です。不具合を起こさず、予算の範囲内で制作できる図面を仕上げていく。予算内にできなければ営業から文句を言われ、不具合やミスを起こせば工事試運転から怒涛の突き上げ。それを当たり前のように数多くこなして

水処理と購買

購買の実務的スタンスについては、「水処理と協力会社」の中で紹介しました。ここでは、購買業務について、それ以外の部分を私の経験を元に記述しています。 1.安いって何ですか?「これは高い」「これは安い」と言っているとき、間違いなくある基準で判断しています。その基準って何でしょうか?結構な割合で「経験による」なんていう答えが返ってきそうです。ではその経験によると、いくらが標準なのでしょう? モノの価値を判断する時は基準を明確にする必要があります。その基準が「合っているか間違えて

水処理と工事

事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ! 某有名なドラマのセリフ。世代がばれますね。このセリフを受けて、「そうだ!現場は大事なんだ!」という意見や、「会議室で情報整理しているから現場が成り立つんだろうが!」という意見もありましたね。どちらも正しいと思います。この言葉の持つ意味と背景は、水処理と工事を解説する上で通じるものがあります。工事を行っている現場は、図面が具現化する場です。備えや図面に不備があれば現場は動きません。私は現場そのものを対応してきた経験はない

水処理と試運転

工事の完了検査も終了すると、いよいよ最終チェックの砦である試運転が始まります。この段階では、設計した設備が実際に具現化していることで、様々な点についてチェックをすることができます。ここでは試運転に意義と効果についてを中心に記述しようと思います。 1.上流工程への情報の宝庫営業で説明してきたこと、計画で検討してきたシステム、設計でうまく動くように設計した部分。試運転はこういったことの答え合わせができる場です。上流側として自分たちの頭の中で考えてきた内容を遂行していく時、実際の

水処理と検査

検査とは、まさに縁の下の力持ちです。プロジェクトにおける、ヒト、納期、品質における、品質を守る重要な工程になります。水処理設備の検査の仕事は、自社の仕様書に沿い、構成する機器たちの検査要求内容を考えてメーカに提示したり、それに対して出てきた検査証明書をまとめたり、実際に機器メーカへ納入予定品の検査を立ち会ったり、水処理設備工事完了後にチェックしにいったり、と節目節目で品質をチェックしていくものになります。 1.検査とコスト水処理と技術営業/巨大プロジェクトでご説明した通り、

水処理と世界と日本

水処理ビジネスは世界で100兆円規模のビジネスになる。 Googleで「水処理 ビジネス」と検索するとたくさんの記事がヒットします。その多くの記事で、日本企業はこの世界の水処理ビジネスの拡大の波に乗り切れておらず、その原因として「過剰品質でコストが合わない」「一環した運営管理まで請け負えない」と解説されています。これらに対して、実際ビジネスをしていた観点から記述したいと思います。 1.品質が過剰?水処理設備の品質は運転結果で評価されます。運転結果は、水処理設備を構成する機

水処理と英語

「私はペンを持っている」「私はそれが好きです」 こういったことを伝えられる、いうこと。コミュニケーションをとるための現地言語が分からない、発音もできない環境において、お互いが共通の言語を知っていることで意思疎通ができることは、本当にす素晴らしいことです。 世界の皆が学んでいる英語とは、そんな言語ツールです。 非英語圏で駐在をした経験から感じた正直な感想です。 水処理技術者にとって、海外で意思疎通するためには二つの大きなコミュニケーションツールがあります。それが図面と英