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一人称のつけ心地

わらわです。

本日は、日本語の一人称多すぎ問題を絡めて、私の生い立ちについて語っていきます。
HNすら、一人称だし。笑

下記の記事も関連した内容のため、お時間あればご一読ください。

本題。

他人と比較できるものでもないが、私の一人称はコロコロ変わってきた方だと思っている。
人として、軸がブレてんだ。

一人称の変化点で区切り、これまでの人生を大雑把に振り返る。

1. 幼少期 ぼく

いつから一人称を使いはじめたのか定かではないが、私が初めて覚えた一人称は「ぼく」だった。
子どもが初めて言葉を教わる時、行儀の良さそうな一人称をとりあえずは教わるだろう。

私に子どもができたとしても、いきなり「ワイ」なんて教えない。
スーパーで、ワイも試食食べるの〜!とか騒ぐ子どもを敢えて引き連れたくはない。

リトルわらわはやがて幼稚園に通いはじめる訳だが、周りの男の子も、一人称はみな「ぼく」だったと記憶している。

女の子は「あたし」「ウチ」「○○ちゃん」とか、すでにバリエーションがあった気がする。

女の子は一人称の選択肢が多い。イーブイかな?

2. 前期小学生(〜小4) ぼく ワシ

一度目の転機。
新たな進化先「ワシ」が登場する。

ふざけて言っていた訳ではなく、私は小4まで広島に住んでいた。つまり、方言である。

男性には伝わると思う(最近はそうでもないのか?)が、小学校で「ぼく」を使うと、めちゃくちゃ茶化される。やれマザコンだの、やれ弱虫だの。男子ってアホだね。

私は家の外での「ぼく」を封印した。
「オレ」と言っている子もいたが、なんとなく私は「ワシ」派だった。

しかし私は、こっそり「ぼく」も併用していた。
と言うのも、親の前では行儀のよい子でいなければ、という意識が強かったためだ。思い返しても、言葉遣いにはやけに厳しかった。

そんな訳で、家の中と外で、私はすでに一人称を使い分けていた。自分を守るためという、割とネガティブな理由で。

3. 後期小学生(小5-6)ぼく オレ

小5になると、私は親の転勤の都合で埼玉に移住した。
周りから浮かない一人称は「オレ」一択だった。
家の外の私は、仕方なく「オレ」を使っていた。ちなみに、10年の付き合いだった広島弁は1週間で抜けた。笑

なお、家の中の「ぼく」は据え置きだった。

当時、家に友人から電話がかかってきた瞬間が最大のピンチだったのを覚えている。
友人の前では普段「オレ」を使っているのに、親の前では「ぼく」を使わないといけない気がする。どっちも使いたくねぇ〜〜。
私は、一人称を一切使わず会話を続ける、謎のスキルを身につけつつあった。

4-1. 中学生 ぼく

第3の転機。
と言うのも、私は中学受験をしたため、小学校最後の2年間で出来たわずかな知り合いとも、完全に顔を合わさなくなった。
中学生にもなると、一人称が「ぼく」の子がチラホラいた。からかわれることもなかった。

ここぞとばかり、私も「ぼく」を名乗った。
「ぼく」が決してしっくり来ていた訳でも無かったのだが、「オレ」はどうにも粗暴な感じがして、本当は使いたくなかったからだ。

何より、家の中と外で一人称を使い分ける手間からようやく解放されたのが大きかった。

4-2. 高校生 ぼく -

中高一貫校であったため、学校での一人称は「ぼく」据え置き。

対して、反抗期を迎えた私は、家の中で行儀の良い子として振る舞うことに嫌気がさした。

小学校で培った一人称を使わない会話術を、家の中で使いはじめた。というか、学校ではたくさん喋るのに、家では全く喋らない子になった。

私はそんな自分を外弁慶と呼んだ。

5. 大学生 ぼく ワイ -

一浪を経て、私は大学生になった。
7年間家の外で使い続けた「ぼく」は、最早よそ行きとしても楽な格好になっていた。

しかし同時に、テンションが上がると何故か「ワイ」を使うようになり始めた。
最初はふざけて某有名ゲーム実況者の真似をしていただけだったのだが、妙にしっくり来た感覚があった。
妙な一人称を使うやつだと思われていたに違いないが、「ワイ」を名乗る自分は最も気楽だった。

家の中では、相変わらず一人称を極力避け、どうしても会話しなくてはいけない時のみ「ぼく」だった。反抗期を脱するタイミングを見失ったのだ。

6. 現在 ぼく 私 自分 ワイ

そして、会社員になった現在。

同期やら仲間内では「ぼく」
社内外問わず文語寄りの時は「私」
社内で口語寄りの時は「自分」
リラックスした時の「ワイ」

やけに多い気もする。
しかし、過去の自分と決定的に違うのは、自分の意思ではっきり使い分けを決めていること。

なかでも、親しくなった人にのみ見せられる、本当の自分はきっと「ワイ」なのだ。

慣れ親しんだはずの「ぼく」ですら超えるフィット感。「オレ」を使うときに感じた、男である前提を孕むことへの反抗なのかもしれない。

私にとって「ワイ」はユニセックスの象徴。より本質的な自分自身だと、今は思っている。

ちなみに、一人暮らしを機に親ともほどほどに喋れるようになったが、一人称は「ぼく」だ。
「ワイ」を見せられる日が来るかは、よーわからん。けっこう行儀悪いし。

今回は以上です。普段より長くなりましたが、読んでくださりありがとうございました。


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