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【詩】あの日

あの日

十代だったある5月の日

まばゆいばかりの晴天の下

知らない町の知らない道を

私たちは歩いていた


行く必要のない

いるべきところとは別の場所に向かって


何も食べず何も飲まず

まるで巡礼者のように

私たちは歩いた


行き交う人もなく

通り過ぎるのは

ごうごうと喚き散らす

無機質の塊だけ


そしてあの場所に着いたとき

そこに踏み入れてはならぬかのように

たくさんの鳥たちが飛び立った

その跡には本当に何もなくて

ただ古い森が大きく口を開けていた



あの日

とても心配だった

私たちは消えてしまうのではないかと

ここからいなくなってしまうのではないかと



そう

私たちはまさにあのとき

地獄にいた


光の満ち溢れる

たくさんの人たちが暮らしている場所に


聞いたことのある場所に地獄はなくて

ただここにあった

あらゆるところに薄く透明に広がっていた

私たちの中にも



あの日

歩いていた

誰にも気づかれることなく




でも

太陽だけは

静かに私たちを見ていたと思う






* * *

次の記事で実際にあったことを書くつもりです