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男から父親へ

女性は子どもが産まれると
途端に母親らしくなる。

しかし
男はなかなか親になった実感が湧かない。

少なくとも
私はそうだった。

妻が
母乳をあげたり
子どもを抱いたりしている姿を見て
「あぁ、母親になったな」
と感じたものの
私の方はなかなか親になった実感が湧かなかった。

目の前にいる子どもも
どこか他人事のように感じたのだ。


女性が母親になるまで…


私は女性じゃないので
本当のところはわからないが
女性の場合は
妊娠期間が10カ月あることと
出産の体験によって徐々に
母親となったことを実感するというのが
一般論のようだ。

特に妊娠期間中は
ホルモンのバランスが変わったり、
お腹が大きくなったり
赤ちゃんが動くのを感じたり
しているうちに母性が湧いてくるとのこと。

たしかに
私の妻も妊娠が進むにつれて
今まで見たことのない表情を見せたり、
母親になる準備を着々と進めていた。

一方で私は
妻のお腹が大きくなるのも見ているし
お腹がフクフクと動くのも見た、
それなのに本当に自分が親になるのか
いまいちピンとこない日々が続き
とうとう出産しても
なんだか不思議な感覚の中にいた。

偉業を達成した人が
「まだ実感が湧きません」
とよく言うが
本当にそんな状態だった。
(私はなんの偉業も達成していないが)


私が父親になるまで…


そんな実感が湧かないまま
自宅に赤ちゃんがやってきた。

小さくて、グニャグニャで
泣くかおっぱいを飲むか寝るか
みたいな生き物がそこにいた。

実感が湧かないなりにも
一晩中子どもを抱いて
夜を明かしたり
沐浴をしたり
おむつを替えたり
ミルクをあげたりと
授乳以外の出来ることは
何でもしてきたつもりだ。

それでも一向に父親スイッチは入らない。

妻は産後で大変な体なのに
授乳をしたり、子どもの世話をして
どんどん母親になっていくのに
自分だけ蚊帳の外にいるような状態だった。

※当時、うつ状態がかなりヤバめだった
せいもあるかもしれないが。

そんな状態でも
授乳以外の子育ては続けていた。

おむつ替えは寝ぼけながらも
出来るようになり、
寝かしつけも上手になった。
お風呂にだってほぼ毎日入れた。

それが功を奏したのか
子どもが3カ月を過ぎた頃から
妻と私の区別がつき始めたのか
顔を見比べて笑ったり
手を伸ばして来たりするようになった。

私が抱っこすると
笑いながらしがみついてくる。

たぶんその瞬間に
親として認められた感覚になり、
やっと父親としてのスタートラインに
立てた気がした。

その頃から
少しずつ親になれてきていると思う。

今では
毎日お風呂に一緒に入り
うんちのおむつ替えもなんのその
寝かしつけも必死にこなし
なぜか天声人語を読み聞かせている(笑)

子どもの方も
日々成長していて
いろんな表情や仕草を見せてくれ
出来ることもどんどん増えてきている。



きっと父親スイッチって…


最近思うことは
父親になるスイッチって
電気のスイッチみたいに
ワンタッチでついたり消えたりするんじゃなく
ボリュームのスイッチみたいに
徐々に大きくなっていって
ある時から変わるものなのかもしれない。

もちろん
人それぞれのスイッチがあると思うので
異論は認める。

そんな私は
自分のスイッチをさらに回して
ちゃんと父親になれるように、
そして
子どもに憧れられるようなカッコいい
大人になるために
これからも子育てに奮闘していきたいと思う。


ちなみに最近のうつ状態は
悪化する急な下り坂を転げ落ちていた状態から
とりあえずの下り坂の下で止まった感じ。
つまりやや安定している。

だから
こんなnoteが書けているんだと思う。

さて
明日からまた頑張ろう!


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