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人は、あきらめるときに「自分には才能がないから。」とあきらめてしまうことが多いけれど、このスイッチの存在を知っていると、もう一歩だけ頑張れそうな気がする。そんな勇気をくれる本でした。

■シリーズ人体 遺伝子 健康長寿、容姿、才能まで秘密を解明!

この本を読んで、「遺伝を変えられる可能性」を知り、エネルギーが湧いてきました。

ここでいう「遺伝を変えられる可能性」は遺伝子操作やデザイナーベビーの話ではありません。自分の努力や経験が生まれる子どもだけでなく、自分自身にも遺伝子レベルで変化をもたらすということです。

近年新たな発見が続々あり、遺伝子についての常識も大きく転換期を迎えています。特に近年見つかった発見は、

DNAにはスイッチがある

ということです。

DNAにはその人の特性が現れる元となる情報が入っているわけですが、このDNAにはこうした特性を操作するON・OFFのスイッチがあり、自分の行動によってこのスイッチを切り替えることができるらしいのです。たとえば、ランニングをすると、記憶力を向上するスイッチがONになったりするということです。(トレーニングの結果、なんと4000以上の〝DNAスイッチ〟が変化したという研究が紹介されています。)衝撃ですよね。

人間は周囲の環境に合わせることが得意な生物ですが、そうした環境に適応するために、多くのDNAスイッチをON・OFFしていたのです。

遺伝子は変えられないものかと思っていたけれど、この本を読んですごい力がみなぎってきたんですよね。努力は無駄じゃないというか。成長につながるんだということが。

さらに、こうして獲得した形質は子どもにも遺伝するということなんです。
「なぜキリンの首は長いのか」というなぞはダーウィン説が正しいと習ってきた人間だったのですが、このDNAスイッチの存在により、ラマルク説もまた正しいということがわかったんです。すごい衝撃でした。

「なぜキリンの首は長いのか」
ラマルク説:キリンははじめ短い首を伸ばして木の葉を食べていたが、代々首を伸ばすように努力した結果、今日の長い首になった。
ダーウィン説:キリンは初め首の長いものや短いものがいたが、高所の葉にありつけた首の長い子孫だけが生き残って現在にいたった。
※従来はダーウィン説が定説だとされてきた。

こうしたDNAスイッチの発見によって、外国では「精子トレーニング」ということが行われている事例もあるそうです。これは、子どもによいスイッチがONの状態で遺伝するために、運動などを通してスイッチをONにすることです。

人は、あきらめるときに「自分には才能がないから。」とあきらめてしまうことが多いけれど、このスイッチの存在を知っていると、もう一歩だけ頑張れそうな気がする。そんな勇気をくれる本でした。

また、この本に出てくる様々な研究者は「まだまだ私にはわからないことばかりだ」と謙虚な姿勢であったことも印象的でした。

文章自体は平易で誰にでも読みやすい内容ですので、正確な情報や他の事例などを知りたいと思った方はぜひ手に取ってみることをお勧めします。












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