2020年のおせち一体どうするんだ問題 from 関西

夏が来れば冬が来て気がつけばおせち商戦のシーズンに突入していたらしいことに私は昨日気が付きました。Instagramを眺めていると某デパートのアカウントがおせちの写真を投稿していたのであります。私は驚きました。つい先週まで真夏だったのにもう正月のことを考えるのかと。しかしここで夏の思い出に浸りおせち選びに遅れをとると、正月希望していたおせちが手に入らずに今ひとつ振るわない新年の幕開けを迎えることになります。ここはやる気を振り絞って、おせちリサーチを始めねばなりません!

そうして私は高島屋のおせちカタログが家にあったのでそれはもう熟読に熟読を重ね、3回ぐらい同じカタログを読み込んだところで気が付きました。そもそもおせちってそんなに美味しいもんじゃなかったな、ということに。

もちろん好みというものはあるのでしょうが、個人的にはおせちって保存がきくが故に味が濃いし乾物が多いし冷たいし、なんかもっと出来たてのホカホカなもんとか食べたいよな〜という思いは拭えません。とはいえ習慣的なものもあって今更おせちなしでお正月を迎えることもできません。目の前におせちがあるからこそ元旦を感じることができるわけであります。やるからにはベストを尽くしたいのがおせちスポーツマンシップというものでしょう。

さて、おせち選びにあたり無難なものを頼むのかそれとも攻めたものを頼むのか、という問題が発生してきます。私の家庭で言うと近年とっている策は、無難なベーシック古典派和風おせちを一段と、洋風おせちなどの攻めてるお節を1〜2段取ることです。こうすることで、どちらか一方のおせちがまずくてももう一方の節はまあまあ美味しかったので総合的に見て満足、みたいな風にがっかりを未然に防ぐことができるのです。それに和風のおせちがあると、とにかく美味しくあろうがそうでなかろうが視覚的には正月を迎えた気分になることができます。

古典派おせちというと日本料理ですので、やはり自分の生まれた地方の味付けのお店のものを頼むのがいいのかなと思います。私は関西生まれなので関西風の、っていうかできれば隣の県ですらなく自分の家から限りなく近い市内のお料理が和食なら口に合うのではないかと思い、その辺を見ているのですが、料亭のものを頼むのかホテルのものを頼むのか問題っていうのも発生します。

料亭のおせちとなるとお店によってランクが異なりますのでネームバリューの費用も変わってきますし、出す予算が同じでも同じ内容レベルのおせちが手に入るとは限りません。同じ15000円を払うのでも高級料亭なら一番下のランクのおせちが手に入るでしょうし、普通のランクの料亭のならいい感じのおせちが手に入るかもしれません。そしてそのどちらが美味しいかというのはまぁ結局のところ食べてみないと分からないですよね。

あと料理屋さんというところで言うと(京都では日本料理のお店のことを料理屋さんって呼ぶんだけどなんでなんだろうね)、大将が1人と雇われの料理人が2〜3人みたいな小さな個人店のおせちは博打の要素がかなり強いのかなと思います。例えば開店してからもう20年やってますよ、みたいな店だったらおせちノウハウも溜まってきているでしょうが、数年前に開店したばかりだとまだまだおせちってこんなに大変やったんや、みたいな風になってる可能性もあります。それにやはり良い食材は高級店に回るでしょうから、その辺の問題もあるでしょう。というか私の家では過去に個人店のおせちを買って普段の料理は美味しいのにおせちはあんまり美味しくなかった、みたいながっかりエクスペリエンスがあるので個人店の博打は今後打たないと思います。

ホテルのおせちはかなりバランスがいいなっていうのが見聞していて思ったところです。和洋折衷タイプも多くどれもバランスが良い印象ですし、さすがにホテルおせちでまずいということはまぁ無さそうなので安心感があります。万人に向けているので食べやすそうなお料理が多いのも特徴的だと思いましたが。

とまあ、古典的とか和風のおせちをとりあえず押さえた後には洋風おせちなどのオルタナティブ系を節の選択肢が出てくる訳ですけども、洋風と言ってもフランスなのかイタリアなのか、もっと言うとドイツなのかみたいなところがありますよね。アメリカとかイギリスはさすがにないと思いますが、洋風おせちの主役とも言えるローストビーフは実はイギリス料理なのが興味深いところです。と言ってもイギリスのローストビーフと日本で最もポピュラーと言える霜降り和牛を使ったローストビーフではぜんぜん解釈が異なると思いますが。ちなみに私は霜降り肉を食べるとめちゃくちゃお腹を壊すので、赤身のローストビーフが食べたいなといつも思います。

個人的には、ドイツ料理は肉の保存が上手いので案外おせちとの相性が良いのではと思うのですが、ドイツ系のおせちっていうのはやはりまだマイノリティなのか探してもあるにはあるけれども注文したいほどのお店のものは見つかりませんでした。となるとやはり注文するのはフランスもしくはイタリアおせちというところになるのですが、洋風おせちであれば味付けが関西関東とで大きく異なるみたいなこともないので、他府県のものに手を伸ばすとか、都内の憧れのお店のものを買うのもにありなのかなと思いました。近所の店ならまだしも新幹線に乗っていくような距離のレストランの料理はなかなか口にできるものではないので、おせちといえどどんなものなのか口にしてみたいなという思いがあります。

さらに言うと、最近は中華風おせちというものも登場しているらしく、中華料理店のおせちは中華料理を食べる時の前菜がたくさん詰まってる感じで、これはかなり美味しそうに思えました。っていうか中華料理って美味しいよね。個人的には京都の中華料理はお出汁を大事にしててアッサリして好きなんですけど、あんまりおせちカタログには載ってなかったなぁ。

で、カタログの中には例えば結構普通のおかずが入っているおせちなども載っていて、唐揚げとか野菜の煮物とか角煮とかそういうのが入ってると確かにあったかいおかずという感じがして美味しそうなんだけど、これってもう普通のお弁当と何が違うのかな、っていうかそれやったら例え3段やったとしても普通のお弁当に15000円とか払えへんやろ、みたいな気持ちになってくるので、お節とお弁当の違いってなんなんだっていうところもありますよね。ほんとおせちってべらぼうに高くない?

おせちの写真を見続けているとどこも全く同じに見えてかなり混乱してくるのですが、それは写真が小さいからの可能性があります。ものすごく大きな写真が載っているカタログを見つけたので見比べていたのですが、こうなると目の前におせちがあるようでお店によって全然中身違うやん、ということに気がつきました。さらにお料理の名前も載っているのでひとつひとつ精査して見比べてみると、これは美味しそうだけどこれは美味しそうじゃないみたいなことがわかってきたので面白かったです。おせち料理は俯瞰ではなくクローズアップしてみるのが良いのではないでしょうか。スマホだとかなり限界があるので、できれば紙のカタログかパソコンかタブレットの画面で拡大してみるのが良いと思うのですが、通販サイトによっては画像の拡大をすると画質がザラザラになって全然見えないみたいなこともありました。

とかなんとか色々考えていたのですが、おせちを細部まで見比べているとなんだかこれはクラシックの同じ曲を違う演奏家ごとに聞き比べるのと似てるなーという気がしました。私はピアノを弾くので、例えばショパンのスケルツォ2番でもピアニストによって全然弾き方が違うのでそれらを聴き比べるのが面白いのですが、となると、おせちも古典派おせちとかだと特にそうですけど、お店によって解釈が異なってきますからこれを見比べるのはかなり面白いです。食べ比べられたらもっとおもしろいんやろうけど現実的ではありませんよね。

私が最後に思ったことは、おせちってオーケストラに似てるなっていうことです。色々な食材が入っていて、その1つひとつが音を奏でる。それらすべてが合わさって1つの曲として音楽が完成する。これって1人ひとりの楽団員が楽器を演奏して音を重ね合わせて1つの曲を作り上げるオーケストラとすごく似ているのではないでしょうか。指揮者となるのは総料理長で、己の解釈と采配でお重の中のお料理のバランスを整えていくわけで、なんだ音楽も料理も同じなんやん。と驚きの結論が出ました。何言ってんのか意味がわからないという方は、おせち料理をビッグバンドやいろんな音がたくさんするタイプのポップミュージックと思っていただければと思います。


結論


おせちはオーケストラ


面白いね☺️


以上


#音声入力で書きました
#喉が枯れました

HAPPY LUCKY LOVE SMILE PEACE DREAM !! (アンミカさんが寝る前に唱えている言葉)💞