喜田拓也「エンブレムの意味や背負っているものを表現できるゲームに」。横浜F・マリノスは6月29日に東京ヴェルディと“伝統の一戦”【無料記事】
日産スタジアムで16年ぶり“伝統の一戦”
明治安田J1リーグ第21節が6月29日に行われ、横浜F・マリノスは東京ヴェルディと対戦する。
1993年のJリーグ開幕戦と同じ顔合わせになる“伝統の一戦”が日産スタジアムで開催されるのは、2008年11月29日以来のこと。マリノスのキャプテンを務める喜田拓也は「皆さんの注目度があって、歴史もある対戦カードなので、エンブレムの意味や背負っているものをちゃんと表現できるゲームにしたい」と意気込んでいた。
前日の6月28日午前の時点で、チケットの総発券枚数は約2万4000枚となっている。日産スタジアムで “伝統の一戦”が実現するのは約16年ぶりで、マリノスが勝てばヴェルディと順位が逆転することもあり、より多くのファン・サポーターに注目してもらいたいゲームだ。
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チームは着実に成長。必要なのは結果のみ
ハリー・キューウェル監督が率いるチームは確実に前進している。直近の試合ではアビスパ福岡に1-2で敗れて今季初のリーグ戦3連勝を逃したものの、試合内容からはポジティブな収穫が多くあった。
喜田も「中身を見れば確実に成長しているところがある」と手応えを口にし、さらに続ける。
「自分たちがプレシーズンからずっと取り組んできたものが、精度も、出せる回数も上がってきて、攻守両面で自分たちの思い通りにことが進むことが確実に増えてはいるので、結果が出ないからといってそこを間違えてはいけない」
とはいえ現状は12位。ここまで3連勝がないことからもわかるように、結果の面で継続性を欠いてしまっている。後半戦で巻き返しを図るためには、内容と結果をしっかりと連動させること。ヴェルディ戦をそのための一歩目にしたい。
「もちろん成長している部分もあるし、全部が悪いわけではない。ただ、結果を得る、そこは絶対に外したくない。このチームは変化をしている途中ですし、苦しみを伴いながら進んでいる最中ですけど、だから結果が出なくても仕方ないよねという考えは全くないので、そこは肝に銘じてやっていきたいです」
そう語った喜田は、改めて「結果」がもたらすものの大きさに言及する。そして「自分たちの姿勢や結果で示さないとわかってもらえないものもあるというのは理解している」と、逆襲に向けた決意を語った。
「このチームは結果につなげきるところまでやらなければいけないと思います。普通のチームだったら、変化を起こしている時に苦しみながら勝ちを拾えないものかもしれないですけど、このチームならできると思っているし、それだけの力をつけてきたとも思っています。
今は思い通りには(結果が)ついてきていないですけど、その(結果という)フェーズがついてくれば、すごい速度で成長する可能性もあるので、我慢強く、辛抱強くやっていくしかないですし、僕らが逃げ道を探しても何も意味はない。言い訳や逃げ道を探せばいくらでもあるんでしょうけど、そういうものは頭から排除しているので、やるだけだと思います。(自分たちがやってきたことを)信じて結果を出すことだけが、皆さんに信じてもらえるものにつながると思うので、そこは選手もわかっていますし、先に『信じてくれ』ということは言いません」
今節をきっかけとし、連勝街道を切り拓いていけるか。ヴェルディ戦は自分たちのサッカーを表現するのみならず、勝利への飢えや相手ゴールに向かっていく貪欲な姿勢をどれだけ表現できるかが試される90分間になりそうだ。