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【これからのビジネスを考える】複業×IoTではじめる地域イノベーション

huntechでの活動や地域の方々とのやりとりといった僕自身の体験に基づき、ライフワークとして「IoT・モノづくり」「複業」「地域」の3つのテーマをできるだけ生々しく書いていきます。

人口減少・高齢化が進む地域こそイノベーションが必要

2008年をピークに日本の人口は減少するとともに、2017年の65歳以上人口構成比は27.7%、2060年には約40%が予測されるなど、急速な高齢化が進んでいます。
都市部と対比される地方(本noteでは「地域」という言葉で扱います。)では、さらにそのスピードは早く、地域活動の中心を担う生産年齢人口が減り、これまで行ってきた活動の維持が困難なことも珍しくありません。

huntechとして向き合っている狩猟業界でも、昭和50年とくらべ狩猟免許保有者は4割程度に減少しており、現在の狩猟免許保有者の6割超が60歳以上です。
一方、農作物や森林被害をシカはここ25年間で約10倍にイノシシは3倍に増え、人手不足もあいまって捕獲業務に従事する人の負担は一層大きなものになっています。

人口減少という抗いにくい現象を前に、各地域がその対策に頭を抱えているのが現状です。
地域こそ、目の前にある暮らしを従来のやり方で維持することは困難になってきています。そこで新たな暮らしの創造(イノベーション)が求められています。

ITではなくIoTが地域を支える

無人島での自給自足といった極端な状況でない限り、暮らしを維持するために必要な機能は多岐にわたり、自治体を中心に鉄道・電力・ガス会社等から物理的なサービスの提供を受けています。
例えば財政破綻をしスリム化している夕張市でも、住民の暮らしの維持のために土木水道課・建設課等の9課,6局,1室の部署を設けています。

一方、ベンチャーやスタートアップ企業の多くは、ゲーム・情報コンテンツ、マッチングプラットフォーム、処理自動化ツールといった情報単位であるBitにフォーカスしたITサービスの展開を行っており、物理単位であるAtomにフォーカスしている企業は少ないように思います。
しかし、現在各社がしのぎをけずる自動運転プログラムといったものは、Atomの代表格ともいえる自動車が存在しなければ不要なサービスです。
つまり、Bitを中心としたサービスはあくまで関係するAtomの存在を前提としたものと考えます。

非常にニッチではありますが狩猟業界でも「猪や熊等の大型獣類の目撃情報共有アプリ」や「生息・捕獲頭数の管理システム」といったBitを中心としたサービスもありますが、猟師や鳥獣管理員といったそもそもの関係者の数が少なくなってきているため現状うまく機能していないように思います。

つまり、人口減少といったこれまでのAtomの前提が崩れつつある地域においては、BitにフォーカスしたITサービスではなく、その前提となる物理世界であるAtomにまで踏み込んだIoTの視点が必要不可欠です。

地域の課題に中長期的にかかわるためにも複業がおすすめ

そもそも、人口減少の影響を受けユーザーの減少が明らかに見込まれるような地域ビジネスでは、需要の規模は一定上限があります。
加えて地域の特徴として「需要が分散している」、「都市部に比べて情報化がゆっくり」、「従来のやり方を大事にし新しいやり方には慎重」ということも、ビジネス上の大きな課題となります。

例えばB2CのWebサービスのプロモーションを行おうとした場合、Twitter等のSNSを活用することで、感度の高そうな属性にある程度絞ってターゲティング広告を打ってもせいぜい数万~十数万円で数万人にアプローチすることが可能です。
一方、スマートトラップ開発時には、SNSのグループなども僅かしかなかったため狩猟関係者のいそうな知合い経由で猟師さんを紹介してもらい、紹介してもらった猟師さんとは夜や早朝に電話でやりとりをし、最終的には長野・山梨・静岡・兵庫などへ週末の度に直接出向きコミュニケーションしていました。

前述のようなビジネス上の課題はあるものの、きちんとユーザーの課題をとらえた(生活に根差した)ものであれば競合も少ないため、長期の関係性を構築することは可能だと考えています。
とはいってもユニコーンレベルでの成長を描くことは難しく初期投資もかけられないため、キャッシュアウトを抑えながらじっくり進めていく必要があります。
初期から食い扶持を得るだけの状態が作れればいいのですが、生活が成り立たずに事業をあきらめるといったことのないよう、複業で取り組むことが良いかと思います。
(また、地域の方々の方が昔は農業×狩猟、今ではサラリーマン兼業農家などといった形で複業を実践されているので理解・共感も得やすいです)

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本noteでは「IoT・モノづくり」、「複業」、「地域」の3つのテーマについてhuntechでの活動や地域の方々とのやりとりといった僕自身の体験に基づき、できるだけ生々しく書いていきます。
コンテンツは随時追加していく予定ですが、こういったテーマで書いてほしいなどのリクエストがあれば、コメント欄にお願いします。関心の集まりそうなテーマや個人的に面白いと思ったテーマについては検討したいと思います。神様仏様は尊敬しているものの、僕自身は人間なので見逃しもしますし、慈善事業ではないのですべてのリクエストには応えられないことをご理解ください。
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