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伸ばすこと、広げること(12/730)

ここは、るすかいな島

るふぃは、れいりぃの剣さばきにホレボレしていた。

るふぃ 「れいりぃ、すごい剣さばきだね。」

    「俺も剣術、習おうかな。」

    「教えてよ、れいりぃ。」

れいりぃ「るふぃよ。お前にはもっとちがう武器があるじゃろ???」

るふぃ 「れいりぃの剣さばきを見てたら、使いたくなってきた。」

    「ねぇれいりぃ、教えてよ。」

れいりぃ「るふぃよ、お前は何の実を食べた?」

るふぃ 「ごむごむの実だよ。」

れいりぃ「そうじゃな。では、るふぃ。」

    「ごむごむの実を最大限に活かすために、お前は何をしている?」

るふぃ 「もちろん、後ろに思いっきり伸ばしてそのまま前に突き出す。」

    「どうしてそんなことを聞くの???」

れいりぃ「このままではかいぞく王になれないぞ、るふぃ。」

るふぃ 「なんで今、そんなこというんだよ。れいりぃ。」

れいりぃ「確かに、いろいろなことに興味を持つのはよいことじゃ。」

    「しかしな、るふぃ。」

    「ゴムはまっすぐ伸ばすから、伸びるんじゃ。」

    「四方八方に伸ばしていたら、ゴムの最大限の力は発揮できん。」

    「お前が剣を学ぶことは、幅を広げることにはなる。」

    「しかしその分、今の武器を磨くことにはならん。」

    「今は自分の武器を、とことん伸ばすのが先決ではないか?」

    「ゴムのように後ろに、ただまっすぐに。」

    「ひたすら、まっすぐ伸ばしたゴム。」

    「2年後の成長をわしは楽しみにしておるのじゃが・・・。」

    「それでも、剣術を習いたいか。るふぃ。」

るふぃ 「・・・。やっぱり、やめたよ。れいりぃ。」

    「おれ不器用だから、2つのことできねぇ。」

    「今持っている武器を、最大限に活かせるようにするよ。」

    「よろしくたのむ。れいりぃ。」

れいりぃ「はっ!はっ!わかった。」

    「責任をもって育ててやるわい。」

    「それになぁ。るふぃ。」

    「お前は立派な剣をすでにもっておるぞ。」

    「研ぎ澄まされ、決して折れることのない心の剣をな。」


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