見出し画像

FYI.5 国際女性DAYの意味

3月8日、昨日は国際女性DAYでした。これは1900年代初めに米国やヨーロッパの各地で起こった女性の労働運動に端を発して、国連によって1975年に定められた日で、「国や民族、言語、文化、経済、政治の壁に関係なく、女性が達成してきた成果を認識する日」とされているようです。

古代ギリシャ・ローマ時代に遡れば、「(市民として認められた)男とそれ以外(女や奴隷など)」と考えられていた社会から今日に至るまで、女性であることを理由に受ける不当な差別や暴力などと闘う運動は、最近では性的マイノリティと言われる人たちも含めあらゆる状況下で繋がるものと思います。

他の動物にない人類の女性の特徴として、人類学者で霊長類学者の山極寿一先生は、女性が「月経周期に関係なくいつでも発情でき、自分の意志に応じて男を性的に受け入れることができる」という高い受容性を挙げ、それにより男性は「女が発情するのを待つ必要はなく、さまざまな技巧を凝らして誘いをかけることによって性交渉を持つことができるようになった」と指摘しています。例えば、霊長類や類人猿などはメスが発情している間だけしかオスは受け入れられない。これは生理的レベルでそうなっている訳です。一方で、人類の女性に特有の高い受容性は、乱交や暴力などの危険を常に孕むものですが、そうならないように、人間はさまざまな配慮や規制を創造して、愛、コミュニケーション能力や倫理観などを育てながら、それによって高度で豊かな文化を紡ぎ出してきた、というのがこれまでの歴史なのではないでしょうか。これは性関係に限らず、民主主義の考え方も然り、人間社会は、あらゆる他者関係において、力に物を言わせるようなルールなき解決指向をいかに克服していくかということの連続で発展してきたのではないかと思います。

ひとたび暴力を許せば、文化的な豊かな暮らしはたちまち崩壊し、味気ない荒涼とした世界が広がる。そうしたリスクはいつでも隣り合わせにあるのが人間社会なのだということを最近、改めて強く感じます。だからこそ国際女性DAYは、他者を思いやりリスペクトすることの大切さを忘れないよう、リマインドの機会になれば良いと思います。

【Information sources】



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?