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再生素材を活用する海外サステナブルスタートアップ

前のnoteでも書きましたが、この一年、「持続可能な生活」を意識するようになったことで、私自身も<サステナブルなサービス>を生み出したいと思う気持ちが高まってきました。

世界を見渡し、企業やスタートアップの活動を参考にして、未来の事業を開発する上でのヒントを探っていきたいと思います。


今回は、持続可能性が強く求められているファッション業界に注目し、そのアプローチとして再生素材を開発・事業化している3社を取り上げたいと思います。

1. Beyond Leather, Denmark

こちらは2017年に創業されたコペンハーゲンのスタートアップです。

シードル(リンゴ酒)の製造過程で発生する、りんごのパルプを使い、多くのファッションアイテムで使われる動物の皮革の代替素材を開発しています。

彼らのビジョンは"Making Waste Beautiful"

動物を原料にするのではなく、これまで廃棄されていたりんごのパルプという「廃棄物」を原料にすることで、自然環境への負担を減らした素材を生み出しています。

彼らのインスタを見てもわかりますが、Beyond Leatherの生み出す素材は本物の皮と見間違えるほど精巧に作られていて、今後、より様々な皮革製品の原料として、彼らの素材が利用されていくことでしょう。


2. KARÜN, Chile

2012年にチリ出身のTohmas Kimbarが大学を中退して創業したスタートアップで海洋廃棄物であるナイロン、鉄、ポリカーボネートをリサイクルし、その素材を原料に、サングラスや眼鏡などのアイウェアを製造・販売しています。

観光業がメインで安定的な収入源が少ないパタゴニア地方の事業主を支援しながら原料である海洋廃棄物の収集を行っており、ハイセンスなアイウェアという顧客視点での価値提供に加え、収益性も確保しながら、社会で発生しているゴミの削減と地域の安定的な収入の創出を行い、まさに3方良しのビジネスになっています。

現在はヨーロッパを中心に販売されていますが、この動きはそのうちアジア圏にも拡大されていくと思われます。

起業家自らYoutubeに登壇し語っていますが、ビジョナリーなアイデアをグローバルに実現していて今後も目が離せません。


3. PANGAIA, UK

3社目はは2018年にロンドンで創業されたD2Cのファッションスタートアップです。

ペットボトルをリサイクルした素材で作った生地や天然植物由来の染料を使い、デザイン性の高い洋服を販売しています。

PANGAIAはリサイクルした素材に加え、化学的なアプローチで新たな素材開発も多数行っており、環境負荷を最小化したレザーライクの素材や自然のドライフラワーから生成した生分解性素材、色味の劣化を抑えた自然由来の瀬染料開発など様々な素材を自分たちで作り、製品化しています。

自分たちの取り組みだけでなく、同じ価値観を持った環境保護を推進している取り組みやNGO等への多額の寄付も行っており、社会全体を変革するビジョンとパッションを示しています。

日本でも昨年5月の世界ミツバチの日を記念し、村上隆とのコラボTシャツの制作・販売を行っており、業界各所に大きな反響を呼んでいます。



今回紹介した3社は素材のリサイクル・リユースを起点として、それぞれ異なるアプローチで環境や自然をより良い方向へ導く取り組みを行っています。社会活動に止まらず、それをビジネスへと昇華し、継続的なアクションによって社会を大きく変えていこうとする姿は未来の事業のスタンダードになっていくでしょう。

次回も引き続き、私自身の事業開発の参考にしたい意図も含め、世界のSustainability Businessについてリサーチしていきたいと思います。

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