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【伝説のコンサルタントから学ぶ】社長の3種の神器~本当の顧客視点とは?


**社長の定位置は社長室ではなく○○である**



「伝説の経営コンサルタント」と名高い一倉定さんは、
社長にとって重要なのは次の3つであると挙げています。

(1)お客様訪問

(2)経営計画書

(3)環境整備

一倉さんの社長学を研究してきたコンサルタントの伊藤彰彦さんは
この3つを社長の「三種の神器」と呼んでいます。
(『一倉定の実践社長学』より)


(1)お客様訪問

まず、一倉さんは、社長の定位置は社内ではなく
「お客様のところ」であると語っています。

収益は外部にある。
つまりお客様のところにある。
利益を得られるのは、お客様の要求を満たしたときのみ。

だから、社長は社長室に籠っているのではなく
日頃から顧客を訪問し、その「声なき声」を聴くべきだと。
それが社長の仕事であると断言しています。

その際に気を付けたいのは「お客様のために」という言葉。

「お客様の立場に立つ」ことはとても重要である一方、
「お客様のために」という考え方は行き過ぎると
自社の商品や自分たちの要望を相手に押し付けてしまいかねません。

お客様の立場に立つ、ということは、
「お客様だったら」と考えること。

相手にとって価値ある提案をするためには
相手の真のニーズを正確に理解する必要があります。

初対面の相手にはもちろん、
数える程度しか顔を合わせない相手に
自分の本当の悩みを打ち明けるのは難しいものです。

本当に優秀な営業マンは、名前を覚えてもらえるまで何度も足を運びます。
そして、真っ先に相談されるくらいの信頼関係を築き上げます。

訪問の目的は売り込みではなく「人間関係づくり」であるため、
一倉さんは次の6つの鉄則を挙げています。

①会社に出社しない
②アポイントはとらない
③お客様には一人で会う
④相手の要望のみを聞く
⑤繰り返し訪問する
⑥滞在時間はせいぜい10分以内

一回の訪問時間は短くても、繰り返し会うことによって
相手との接点が増え、信頼関係が築ければ
自然と相談される回数も必要な時間も増えて来る。

「社長自らが一社一社を訪問している暇はない」

中には、そう思われる社長もいるかもしれません。

しかし、お客様の要望を知ることは、
社会の要望を知ることでもあります。
そして、その要望の変化に合わせて、
会社も変わっていかなければなりません。

社長が社内ばかりを見ていては、組織を未来へ導いていくことはできなくなります。


(2)経営計画書

お客様の求めるものが解ったなら、
今度はそれを組織全体に伝える必要があります。

そこで、三種の神器の2つ目「経営計画書」の出番です。

これは、社長の想いと共に、組織として進むべき方向性や
生き残るための戦略を明確にするものです。

一倉さんは、経営計画書こそが
会社に奇跡を起こす「魔法の書」であると述べていて、
社長が会社とお客様に対する責任を果たすために
必ず取り組むべき大切な仕事であるとしています。

経営計画は会社の存続の条件。
そして経営者の決意でもあります。

経営計画書の役割は次の3つ。

①社長の決意表明
②事業目標を達成するため
③経営努力の不足を知る

計画は、その通りに進まないからこそ意味がある。
そう一倉さんは言います。

会社に対する社長の責任感を表し、
会社の将来の姿を描き、
それを実現するための目標を具体的にする。

だからこそ、社長自らが作成することに意味があります。


(3)環境整備

向かうべき方向性と目標が定まったなら、
それを達成するための努力を続ける「環境」を整えることが不可欠です。

一倉さんは、「環境整備」こそが、すべての活動の原点であり、
いかなる社員教育も、どんな道徳教育も「環境整備」には及ばないと言います。

それは、単なる掃除や整理整頓のレベルではなく、
会社の命運を左右する必要不可欠な仕事であるとされます。
そして、それは社員の態度さえも変えていくものです。

環境整備を「社風」や「文化」にまで落とし込めた会社は
本業でも必ず成果を出すはずです。

長くなったので、
ここに関しては改めて書きたいと思います。

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